隆志という人物
私は感じた。
小池先生が、コンペを口にした途端教室の空気がピリッと変わった気がした。
皆無言だ、オタクは早々に教室を出て行った、何かがおかしい。そう感じた。
小池先生がジェスチャーで私を教室の外に呼んだ。
小池「まあ気にすんな、コンペ前は大体あーだ」
槙乃「あーって」
小池「あいつ、飯隈な、神経質になるんだよ。出来るだけ話しかけない方がいいぞ」
槙乃「何ですかそれ、わからない時はどうするんですか?」
小池「部長に聴け」
槙乃「でも、理不尽です。静かに描きたいなら家で書けばいいのに」
小池「まあ、色々あるんだよ、あいつには、ま、入部するかはゆっくり決めな」
先生はそう言って部室に戻って言った。
先生はそう言って部室の扉をあけもどっていく
遅れて私も戻り額縁の前に座る。
教室の雰囲気は殺伐としている。
・・・÷いづらい
さっき飯隈が描いていた絵は隅の方に追いやられていた。
部屋は静かだ。外の運動部の声がよく聞こえる。
そんななか最初に口を開いたのは明るそうな女の子、高木さんだった。
弥恵「ねえ、紗栄ちゃん?」
紗栄子(部長)「ん?」
弥恵「紗栄ちゃんも出すの?コンペ?」
紗栄子「うん、今のが終わったらやろうかな」
弥恵「私も出そうかな、先生いいの?」
小池先生「気が向いたらでいいぞ」
弥恵「先生テキトー過ぎ」
え?普通に話していいの?。
もしかして、これが普通なのか?
話していいのかな?
と。そう迷ってるうちに部活は終わり、
健司くんは等々こなかったし、絵は全然進まなかった。
私は高木さん、松崎さんと共に下校していた。
弥恵「確かに最初は私も喋りにくかったなー」
槙乃「やっぱりそうだよね、こうピリピリしてるみたいな」
紗栄子「ごめんね、コンペ前とか集中しだすといつもあーなのよ」
弥恵「誰も話しかけるなーって感じでさ、私何回か喧嘩したことあるもん」
槙乃「え、そうなの?」
弥恵「うん、マジマジ。いつも加代くんが間に入って来てくれるから、どうにかなるんだけど」
槙乃(加代くん、、、今日なんでこなかったのかな)
紗栄子「うん、あいつ、すぐイライラ出しちゃうから、でも、高木さん、今まで辞めてないのほんと凄いと思う」
弥恵「半分意地だよね!こいつのせいで辞めるのいや!みたいな」
その言葉で松崎さんがクスッと笑う。
初めての笑顔だ。
弥恵「槙乃ちゃんも言いたいことあったらびしって言ってもいいからね!私も手伝うから!」
槙乃「ありがとう、高木さん」
弥恵「弥恵でいいよ!!紗栄まだ、下の名前で呼んでくれないけど」
紗栄子「ごめん、だって恥ずかしいから、もうちょっとまって」
恥ずかしがる松崎さん、
槙乃(可愛い・・・)
弥恵「うん、まってる!」
それからも自己紹介とか、好きなモノとかの話をしながら私たちは家路を歩く。
今日、私に二人の友達ができた。