藤井槙乃
放課後の学校、今日美術室には、俺と部長と弥恵、そして、読書部兼用で美術部にいる。オタク前嶋和也は今日はきていて、皆で雑談をしながら絵を描いていた。
話の内容はもちろん転校してきた美少女藤井槙乃だ。
弥恵「やばいよね、転校生の子、あれは男子も群がるわ」
隆志「健司狙いと、転校生狙いで、教室やばかったもんな」
部長「そんなにすごいの??」
オタク(和也)「拙者は見れなかったんでごわすが、転校生殿目当ての男児の量が凄かったでのは覚えているでごわす」
弥恵「マジそれ、まあ健司くんの時のが男になったって感じだよね、またそのうち落ち着くでしょ」
隆志「だといいけどな」
オタク「そういえば健司殿はどうしたんでござるか?」
隆志「さあ、用事でもあんじゃね?」
言わないでおこう、美少女の登場に焦った女子に告白されているということは・・・・しかも4人も
4人同時に告白されているんだろうか、それとも順番にだろうか・・・・・後で聞いてみよう。
弥恵「あ、もしかして、転校生が入ってきて焦った女子に告白されてるんじゃない?」
部長「・・・・」
流石ギャル、正解
イケメンの噂をしていると、部室のドアが開く、現れたのは噂のイケメン君ではなく担任の教師、小池撤兵先生だった。
「お疲れ様です」
「お疲れさんです」
「お疲れでーす」
「お疲れでごわす」
美術部がそれぞれ挨拶をする。
小池先生(担任)「はいお疲れさん、あれ天下のイケメン君はいないのか」
部長「はい、用事があるみたいで」
小池先生「・・・そうか、まあいいか、いいぞ入れ」
先生に呼ばれ扉の陰から現れたのは、今日の話題の人、絶世の美少女藤井槙乃だ。
小池先生「あー、体験入部することになった、転校生の藤井だ、よろしくやってくれ」
槙乃「よろしくお願いします。1年2組の琴咲有紗です」
少し彼女の美貌に唖然としながらも、皆それぞれ、彼女の挨拶に答えるとギャルが一番に口を開けた。
オタクに関してはどもり過ぎてなんと言っているかわからない。
小池先生「とりあえず体験入部だ、いつも通りしてくれ、じゃあ用具の準備だな」
槙乃「は、はい!」
返事をした槙乃だが、少し様子がおかしい、
例の誰かを探しているのか・・・
隆志「加代健司ならまだ来てないぞ」
絵を描きながら彼女とは目を合わせずに俺はそう言った。
槙乃「・・・え?か、加代くん??い、え?な、何んのことかなー??えへへ」
この反応は図星みたいだな。
クラスに来た時点でイケメン見過ぎなんだよ、そりゃ分かるわ。
イケメン狙いの入部か・・・待てよ?もしかして、今度は飢えた男子達が入部してくんじゃねーだろうな・・・
せっかく落ち着いたのに、今の日常が変わるのは・・・うん、嫌だ。
どうしたもんか・・・
小池先生先生と共に絵を描く準備を終えた藤井が椅子に座る。
小池先生「じゃあ、テキトーに描いてみろ、なんでもいいぞ」
槙乃「え?、いきなりですか?題材とかは」
小池先生「コンペとかに出すわけじゃないからな、動物でも花でも風景でもいい、前島なんて見てみろ、自分の嫁描いてるんだぜ」
槙乃「え?嫁って結婚してるんですか?」
オタク「そ、そうです。せ、拙者の嫁、異世界アイドル計画のシルフィーちゃんであります!!」
そう言って、自分の絵を見せるオタク前嶋和也、その絵は金髪のエルフの少女である。
槙乃「あ、あー、か、可愛いですね」
オタク「当たり前であります!でももっと上手くなってシルフィーたんの可愛さをもっと表したいでごわす」
オタクは自慢げに語るが、美少女さんは完全かドン引きな顔をしていた。
そういえば説明が遅れた。
彼、前嶋和也は見ての通りアニオタである。
のくせして身長は180を超え、見た目はデブあるが、なかなか運動神経もいい、動けるデブってやつだ。喋り方が安定しないキャラである。
小池先生「まあ、あんな感じだ、なんでもいい、好きなもんの方が手が入るからな、好きなようにかけ、描き方とかはやりながら教えていくから」
有沙「は、はい、じゃあ、やって見ます」
イケメンがいなくてあからさまに残念そうだ。一応転校生が来てること、健司に連絡しとくか。
美少女は鉛筆を手に取るが、まだ、何を描くかは決まってないようだ。一度、あたりを見渡して、口をあける。
槙乃「あのー、皆さんが、どんなの描いてるか見ても大丈夫ですか?」
小池先生「あーいいぞ」
弥栄「えー!!それなんか恥ずかしいって、私パス!参考になんないし!!部長と飯隈のの見た方が良いってマジで!」
部長「そお?高木さん一学期より格段に上手くなってる気がするけど」
小池先生「そうだぞ、人に見せるのも上手くなる方法の一つだ、見せてやれ」
弥栄「そ、そうかなー、いやーそんなことないって」
満更なでもない表情で、言葉と裏腹にキャンバスを美少女に見せていた。
・・・チョロ
有沙「とっても上手いじゃないですか!?私じゃこんなにかけないし!綺麗なひまわりですね!」
弥栄「え?そう!?そっか、えへへ、ありがと!えへへへ」
自分の絵を褒められ隠せないほど照れている高木弥恵、そして美少女は横の部長とに目を向けた。
槙乃「えーと部長さんですよね?見せてもらっても構いませんか?」
部長「うん、いいよ、でも動かしたくないからな見に来てもらっていい?」
部長は無表情で対応し美少女に絵を見せた。
槙乃「凄い!リアル!デッサンって言うんですよね?」
部長「うん、ありがと」
部長が表情も変えずにお礼を言うと美少女の目線は俺を向いた。
隆志「参考にはならんはならんと思うけど」
有沙「じゃあ、見せてもらいますね」
美少女が俺の後ろにきてキャンバスを除く。
・・・いい匂いがした。
有沙「・・・凄い」
オタク「飯隈殿は学校一でごわす!下手をすればこの街一番といっても過言ではかいかもしれんでござるな!」
隆志「過言だろ、語尾安定してないぞ」
現にまだ小池先生や父には敵わない。賞を逃したことも少なくない。
小池先生「高校生だと、数えるくらいしかいないけどな」
槙乃「え?飯隈君ってそんなに凄いんですか!?」
小池先生「ああ、高校生の中ではトップクラスだぞ」
隆志「・・・先生、やめてください」
小池先生「おーすまんすまん、で、隆志、コンペあるぞ、お題は夏だってよ、やるか?」
隆志「・・・・・やります」