いつもの部活
主人公 飯隈隆志 男子にしては低身長、成績は下の上、親の影響でオタク
母親はラノベ小説家、父親は主夫兼妻のサポート
―――キーンコーンカーンコーン―――
学校のチャイムの音が鳴る、学校中の部活が始まる時間だ。
??「お疲れ、隆志」
チャイムと同時に部室のドアが開く、いかにも好青年な風立ち、そして学校一のイケメンと呼ばれている。加代健司、少女漫画の主人公のような男で、俺の幼馴染である。
隆志「お疲れさん」
健司「いつも早いよなお前」
隆志「そりゃ、お前みたいにモッテモテじゃねーしな」
健司「あの子たちも他の男子にも同じ反応すれば、少しは可愛げがあるのにな」
こいつは自分がイケメンだと弁えてるし、女子が自分目当てに群がっているのも知っている。
歯の浮いた言葉も言わないし、どっかの主人公みたいに優柔不断でもない。もし仮に好きな人が来て、美少女の転校生や許嫁が現れても、決してなびくことはないだろう。
現に・・・・・
??「お疲れ」
健司が道具を用意していると、ガラッと扉が開き、黒髪ポニーテールの女が入ってきた。眼鏡に目つきの悪い目、他のパーツは整っているが常にふてくされたような表情は、決してかわいいといえない。でもブスとは言えない。化粧して表情を優しくすれば・・・・かわいいまで行くかもしれない。
美術部唯一の2年、松崎紗栄子だ。
健司「お疲れ様部長」
隆志「お疲れさん」
部長(紗栄子)「あれ?高木さんは??」
健司「トイレで化粧してくるって」
部長「あの子、よく続いているわよね」
健司「他の女子はほとんどやめてるからね、もう10人くらいだっけ」
部長「21人ね」
最初の頃はすごかった、教室に入らない程の健司目当ての女子がこの美術部に入っていた。俺や男子部員は廊下に追い出され、しばらくそこで絵を描いていたのは、いい笑い話だ。
それでもどんなアプローチもしてもなびかない健司をあきらめた女子達は次々と辞めていき1学期が終わる頃には、等々、俺、健司、部長、高木というギャルとたまにくるオタクの前田と合わせて、5名しか残っていない。ちなみにオタク、今日はお休みである。
部長も道具を用意して絵を描き始める。この3人が絵を描き始めると会話はたまにしかない。
刻々と時間が立ち、部室のドアが開いた。
??「お疲れでーす」
隆志「お疲れさん」
健司「お疲れ」
部長「お疲れ様」
パーマのかかったような茶色い髪(ちなみに地毛)度々注意される高校生にしては厚めの化粧、健康的に焼けた小麦色の肌、見るからにギャルな女の子、高木弥栄だ。ちなみにイケメン健司にその気はないようだ。この美術部に残った理由としては、健司目当ての女友達の付き合いでこの美術部に入った際に、純粋に絵を描くことが楽しいと思ったかららしい。
弥栄「あ、そういえば色が足りないんだった、新しいのありましたっけ?」
道具を用意しながら思い出したように、口を開けた。
部長「何色??」
弥栄「えーっと、黄色やコバルトブルーに、茶色系に深緑??何とかグリーンとか緑系おおいいかもです」
隆志「あ」
部長「飯隈、あんたでしょ、最近植物やら森ばっか描いてるし」
隆志「あーすまん、いうの忘れてた」
部長「沢山使うのは自分で買えって言ってるじゃない部費少ないんだから、しばらく備品の森系色禁止」
隆志「えーーー、そりゃないすわ先輩、森描けねーじゃん」
部長「自業自得」
隆志「漫画買ってこずかいない」
部長「はい、自業自得」
健司「ははは、どんまい隆志」
弥栄「あ、紅葉にすれば?赤なら沢山あるんじゃね?」
隆志「お、ナイスギャル、健司、黄色かして」
弥栄「ギャルいうな」
部長「加代、貸したら駄目よ」
健司「だってさ、部長命令だからドンマイ!」
隆志「んなけったいな」
皆で絵を描きながら、俺が部長に注意され、健司がそれを見て笑う、ギャルが話しだし、皆で雑談をする。
たまにオタクが来て、本やアニメの話をし、皆で引いたり突っ込んだりする。
これがいつもの美術部だ。こういう時間が青春というのかわからないが・・・・・
まあ、嫌いではない。