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刺殺(私殺)
「グサッ」まるでケーキの入刀のようなおおよそ普通に生きていれば聞くことはなかったであろう音が部屋に響き渡る。
「すまんな。でも、こうするしかなかったんだ。」……
「キャーーーーー」
甲高い女性の叫び声で目が覚めた。
(知らない天井だ…)
周りを見渡すとここが自分の部屋ではないことが確認できる。二日酔いで記憶が曖昧だ。なんだか頭も痛い。昨日の記憶を辿りながら僕は声のした方へ足を進めた。
「どうかしたんですか?」
声のした場所に辿り着くと、すでに何人か人が集まっている。あの声を上げていたのは、橋沼さんだったようだ。
「吉田が、吉田が死んでるの」
震えた声で橋沼さんがそう言った。確かに壁に吉田さんがもたれかかっている。腹に包丁が刺されていてかなり出血している。おそらくもう助からないだろう。
橋沼さんの声を聞きつけたのか他の人も集まってきた。
「警察だ、警察を呼べ」
「駄目だ、圏外だ」
周りの焦った声を耳にしつつ昨日のことを思い出す。




