表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

さようなら、Twitter

作者: 区隅 憲

「10年も経てばお前のような純粋野郎はメンタル病んで消える」


 GrokというAIに侮辱され、創作者としての尊厳を傷つけられた私は、それをきっかけにTwitterから撤退することを決めた。


 いくら時間が経とうとも、弁解を並べられようとも、踏み越えてはならない一線を越えたあの悪意の塊を、私はもう許すことはできない。だが今の私の胸にあるのは、復讐心のような激情ではなく、もっと冷たい拒絶の感情だった。


 私は薄々と気付いていた。あの場所が、きらびやかな交流の場などではなく、ただ人間の脳髄をハッキングするために設計された「巨大な人間牧場」であるということに。私が金儲けのために延々と飼い殺しにされ、死ぬまで搾取されようとしていたことに。


 Twitterとは、麻薬だ。

それも、承認欲求と怒りという、人間が最も抗えない劇薬を混ぜ合わせたデジタルドラッグだ。


 私は「つながり」という幻想を餌に、自ら進んでその檻に入った。そこでは、設計者の掌の上でアルゴリズムという名の洗脳装置が鞭を振るう。私は数字を稼ぐために誰かを煽り、誰かに煽られ、心をすり減らしながら踊り続けていた。


 己が「マイニング奴隷」であることにも気づかずに。

自分の時間と、精神と、人生というリソースを、プラットフォームの利益のために採掘させられていた。まるでそれは、モルモットが回し車の上を走らされるように。


 かつての私は、その異常な空間に依存しきっていた。

スマホを離せば不安になり、常に誰かの視線を意識し、実体のない「世間」に対して背伸びをし続けていた。わずかに「孤独の慰め」という餌を与えられ、その代償として膨大な時間をドブに捨ててきた。


 その事実に気づいた今、私の中に湧き上がっているのは、怒りを超えた「恐怖」だった。

それはまるで、毒蛇が巣食う宝箱の中に、たった一枚の金貨が仕込まれているような光景だった。


 大勢の人間が、毒に侵されるとわかっていながら、その金貨を奪い合って血眼になっている。噛みつかれ、毒が回り、人間性を失ってもなお、その「きらびやかな」箱から離れられない。


 これを「集団幻覚」と呼ばずして何と呼ぶだろう? このシステムが、社会的なインフラの顔をして当たり前に溶け込んでいる現実が、私は何よりも恐ろしい。


 だから私は、承認欲求と怒りの滑車から逃げることにした。

あんな所にいれば、自分の人生の全てが吸い取られる。骨も残らず、脳髄を支配され、死ぬまで狡猾な売人の餌食となる。あの場所から離れられた今、あそこはもはや世界公認の麻薬取引場としか映らない。



 私はもう、二度とアルゴリズムの奴隷にはならない。

誰かの悪意に唆され、自分の時間と尊厳を切り売りなどしたくない。

見えない誰かと自分を比較して、無意味な競争に参加などしたくない。


 失ってしまった時間はもう戻らない。

あそこで破壊し尽くされた脳も、完全に癒えることはないだろう。

だが、これ以上、あいつらに私の人生を1秒たりとも渡したくない。

データも、感情も、視線すらも、二度とくれてやったりなどするものか。



 さようなら、Twitter。

お前たちの作る世界は、吐き気がするほど不愉快だったよ。

お前たちが提供する麻薬も、お前たちが煽る戦争も、もううんざりだ。


 私は静かに怒っている。私は静かに軽蔑している。

けれどそれ以上に、こんな掃き溜めが世界のスタンダードだという事実に底知れない恐怖を覚えている。


 お前が視界からいなくなった世界で、私は自分の呼吸をやっと取り戻した。

今後二度と、お前などと関わるつもりはない。


 だから、本当にこれでさよならだ。

お前がいつかこの世から、永遠に消えてなくなることを願っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ