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天使様と子供達

私は天使。名前はない。名乗るなら天使No.1004だろうか。先日の天上会議に、悪魔が意見し、私もそれに賛同した。それで、世界の人間を一掃することになり、とてつもなく厳しい条件で一掃したら赤子やら幼児やらくらいしか残らなかったらしく、お世話係が必要になった。そしたら、悪魔が嫌いな天使にお世話係を押し付けられてしまった。まあ、悪魔と仲良くしてたのは事実だし、別に良いのだが。

というわけで、下界に来た訳なのだが、急に大人がいなくなり、不安で震えている子供、泣いている赤子、それを懸命に泣き止ませようと奮闘している子供、いろいろいる。なんとまあ、本当に大惨事である。話をするのは後だ。とりあえず赤子を泣き止ませなければ。そう判断した私は1人の赤子のところに近づいた。久しぶりに、しかも突然現れた私に、子供達は驚いていたが、自分達よりは頼りになると思ったのだろうか。泣き止ませてあげると言ったら素直に赤子を渡してきた。本当に良い人間しか残されていないのだな。皆素直だ。その方がこちらとしても都合がいい。

赤子を泣き止ませたからか、子供からはある程度信用は得られたようで、まともに話はできそうである。とりあえずこうなった理由を説明しよう。良い人間の中でも信心深い人間を選んでいる様なので、多分信じてくれるだろう。それに、赤子を泣き止ませたのが天使だと知ったらさらに天使に感謝し、信心深くなるだろう。私は事情を説明した。子供達は納得はした様だが、疑問はあるらしい。

「どうして、天使の会議に悪魔が出席できるんですか?」

嗚呼、そうか。人間は悪魔を“悪いもの”と思っているのか。天使と悪魔の本来の関係も説明せねばな。

「天使は人間を愛しているけれど、悪魔は人間を愛せなかったんだ。神は人間を愛しているから、天使を愛するし、天使は考えの違う悪魔を嫌う。でも、悪魔は神を愛していたんだ。だから悪魔も天上会議には参加できるんだよ。他に質問は、、」

あるか、と言おうとしたとき、質問が来た。

「どうして、お母さんやお父さんもいなくしちゃったの、?なんで?お母さんもお父さんも、お仕事頑張ってたし、優しかったよ、、!なんで?」

嗚呼…私は人間の、こう言うところが嫌いなんだ。

自分は、人間は、正しいと、思い込んでいるところが、大嫌いだ。

「世界を大切にしなかったからだ。神を大切にしなかったからだ。醜い心を持っていたからだ。」

「え、?」

「そして何より、神がお決めになったからだ。」

神が悪い人間だと判断したら悪い人間。それだけだ。

「お前達も、自然を破壊したり、信心深くなかったり、清い心でなかったら、神がお決めになった場合、“消される”からな。」

「それだけは、覚えておけ」

別に、幼児を殺す趣味はない。子供らが罪を犯したら制裁を下すのは私だろうから。

いきなり、その場は凍ってしまった。

まあ、いい。

まだまだ天使様は子供が嫌いなようですなあ

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