ぬいぐる~みー
幼稚園ぐらいの時の話だが、ぬいぐるみに髪の毛を入れたことがある。特に理由なく入れたが、多分幼稚園生ながらオカルトにハマってたんだと思う。ただ、中学生になった今では、少し恥ずかしい思い出である。
オカルトの熱は、今では冷めてしまった。小5の時にこっくりさんをみんなでやって、失敗してしまい、挙句みんなに小学生特有のイジメを受けて以来だ。その時のイジメで、いつも持っていたテディベアも焼かれてしまった。それから、オカルトには関わらないようにしている。
しかし、今の生活に対して不満はない。イジメがあったことで、違う地域の学校に来てから私は順風満帆な生活を送っている。
...しかし。平穏で順調な私の学校生活が、今壊れようとしていた。
「あの、今日肝試しで廃墟行こうと思うんだけど!」
「ヘッ...」やばい、このフリは良くない。というか、この子、誰なんだろう?クラスは一緒だけど、知らない人だ。
「一緒に行ってくれない?」
「ハッ、はい」しまった………。
___都内某所・廃病院
「ここ出そうだよね~」確かに出そうだけど。
どうしよう緊張して押し切られて、来てしまったけど。ここは正直誰だって怖いよ。
「あれ!」お友達がいなくなっている。
「おーい」
「こっちだよ~」向こうか、全くなんで勝手にいなくなっちゃんだろうか。
「今行くから、待ってー」
「わがっだ~」えっ。今の声なんか変じゃなかったか。
「ねぇ、お姉ぢゃん。」なんだか、嫌な予感がする。
「どうじでいな゛くなったの~
まずい。これは逃げなきゃまずい奴だ。
「ま゛っで~!」
「ハッ、ハッ...」
「えっ、なんであんな化け物が出てくるの。おかしいでしょ」
こっくりさんは失敗したのに、なんで。おかしいよ。
「ま゛でぇ!!」
「キャッ」嘘!どうしよう、このままだと、どう考えてもロクなことにならない。
ドッカーン
今度は何、壁を突き抜けt
「プゥー ハッ」、「に゛ゃn。ヴェブッピー!」
テディベアだ!すごく大きなテディベアが、化け物を殴った!?
「アブッ、アブッ、アブッ...」化け物がのたうち回っている。
「パグ、ゥ~」
「消えた」
「あっ」ぬいぐるみはいなくなっている。
「はー、すごい怖かった」それにしてもお友達は本当に何処行ったんだろう。
「ねぇねぇ、帰るよ~」なんで、あの子あんな軽いんだろう。
「あのさ、どうして勝手にいなくなっちゃったの?」
「ごめん、ごめん。でも何にも出なかったね」そうか、この子は遭わなかったんだ。
「あのさ、そういえば名前、なんて言うの?」知らなかったの?
「えっ、あ~。岡部瑠十<おかべると>です。」
「へぇー、いい名前だね。でさ最近なんの......」
本当は化け物も幽霊も、この世には存在するんだ。オカルトって、やっぱりロマンあるな!




