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その一「武器の使用を許可する」

ダブルドラゴン(1987) AC  テクノスジャパン


最強の格闘技とは何か……ブラジリアン柔術?システマ?ボクシング?大相撲?

諸説ございますが、あえて言い切りましょう。

【双截拳】こそが世界最強の格闘技であると。


【双截拳】それはダブルドラゴンシリーズの主人公リー兄弟が使う武術。

本日はこの流派の恐ろしさと偉大さをご紹介していきたいと思います。


その一「武器の使用を許可する」


素手より武器が強いのは当たり前。

リー兄弟は敵の所持している武器や、そこいらにあるものを凶器として使います。

ヌンチャクや日本刀、トンファといった武術家が使いそうな武器はもちろん金属バット、ムチといった街中によくある(!)得物を扱い、ついには大きな岩やダイナマイトまでをも平然と人間目掛けて投げつけます。

人命尊重とか活人拳なんて言葉が空しく響きますが、丸腰の女の子相手にマシンガンを乱射するようなギャングボスがいる世界です。時代が双截拳を必要としているのでしょう。


武器の使用が双截拳本来の技である証拠はまだまだあります。

『ダブルドラゴン3』に於いてはリー兄弟以外にも、実戦空手の大山兄弟、マーシャルアーツのユキーデ兄弟、中国拳法の陳兄弟と言った兄弟格闘家の面々が登場します。

彼らが決して武器を使わず自らの肉体と格闘技だけで敵に立ち向かう中で、リー兄弟だけは落ちている武器を使用しています。

ここからも武器の使用は双截拳の独自の特徴であると言えるでしょう


また重要なポイントがナイフの扱い方。

比較対象となるのは『ファイナルファイト』のコーディー。

彼はボクシングに加えてナイフで突く、投げつけるとかなり危険な我流ファイターです。後には投石や目つぶしと言った、さらに実戦的なストリートファイトに傾倒していくようですね。

さて、このコーディの投げナイフはダーツの様に投げ始めから命中まで切っ先が相手の方を向いています。

一方、リー兄弟の投げナイフはクルクルと回転し、切っ先と柄が交互に相手に向く投げ方です。

どちらが絶対に良いとは言い切れませんが、回転投げの方は練習が必須。

目標との距離に応じて回転を加減しないと刺さりません。

練習が足りないと相手に柄の方が当たったり、ナイフを挟んだ指をざっくり切ったりと悲惨な目にあいます。

ここから双截拳はナイフの投げ方も技術体系として内包している事がうかがえます。

さらには相手にナイフを投げつけられた際にはブーツで蹴り落とすという絶技を習得しているあたり、飛び道具の脅威を十分理解している武術と言えます。


「初めから武器使用がデフォルトの『サムライスピリッツ』の方が強くないか」

「実戦空手道とブーメランを組み合わせた全く新しい格闘技【風雲拳】の方が……」


否、それは違います。刀を使うという事は反面刀に頼ることです。

得意な得物を使い、その武器の重さや間合いに合わせた戦闘法を身に着ける。

これは強みであるとともにいざその武器を失った際には弱みにしかなりません。

実戦では武器は落とし、破壊されるものです。

【風雲拳】の柔軟な発想も魅力的ですが、道場に巨大なブーメランを飾って喜んでいるようではダメです。


双截拳の恐ろしさは武器を使うことではなく、自分の置かれた状況自体を武器に変えるところにこそあるのです。

相手を平然と走行中のトラックや高所から蹴り落とし、池や縦穴に投げ込む。

双截拳には様々な武器の使用を含めて「最短の手順で相手を無力化する」と言う武術本来の身も蓋もない手法が息づいています。



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