アンナ様、無双です
グランデオ城 客間
あの後、私とミリアム様は、アンナ様を宥めて客間にやって来ました
ミリアム「姉さん、父上から『出来る限り』穏便に、て言われてるじゃないですか・・・・」
アンナ「あら、私は穏便に過ごそうと思いましたわ。相手が人を舐めた様な態度をしてきたからそれなりの対応をしたまでです」
イライザ「それが一部屋崩壊の爆発魔法ですか・・・・」
アンナ様は魔法の腕前は天下一品
大魔導士であるお祖父様の血を継いでます
アンナ「あれぐらいはまだまだです。明日迄に私を納得させる答えを向こうが出してくれば、穏便に済まします」
ニッコリと笑うアンナ様
しかし、背後には黒い物が蠢いています・・・・
翌日
グランデオ城 応接間
グランデオ王「アンナ王女、改めて我が愚息がとんでもない行為をしてしまい申し訳ない!」
開口一番、グランデオ王『ハーディ・グランデオ』が土下座した
所々に包帯や傷痕があるので王の威厳なんて物は無い
アンナ「あら、昨日は『浮気なんて男の遊び』なんて言ってらっしゃったのに、一夜で考えを変えるんですか?」
グランデオ王「それはその・・・・、失言であった。申し訳ない」
アンナ「それで。今回の婚約破棄の件、改めてどうされるつもりですか?」
グランデオ王「勿論、愚息には重い処分を下す。王位剥奪、騎士団に一般兵として精神を鍛え直させる」
アンナ「それで?」
グランデオ王「・・・・はい?」
アンナ「王子様が好きになった、というその少女はどうするんですか?」
グランデオ王の隣にいる、王子が好きになったという男爵家の令嬢である『ミーシャ・ハライム』は明らかに顔は青ざめてガタガタ震えています
グランデオ王「当然、我らとしては愚息と別れさせる」
アンナ「でも、妊娠されてるんですよね?」
ミーシャ「あ、あの・・・・。本当に申し訳ありません!アンナ様という婚約者がいるのも知らずに私が軽率な行動をとってしまったばっかりに・・・・」
アンナ「・・・・顔をあげなさい。お腹の子に悪いですよ」
ミーシャ「でも・・・・!!」
アンナ「貴女は何も知らなかった。それは嘘では無いですわね?」
ミーシャ「はい!」
アンナ「だったら、悪いのはバカ王子ですわ。貴女には罪はありません。ちゃんと責任をとってもらい親子で生活が出来るぐらいの金銭を搾り取るべきだと思いますわ」
グランデオ王「そ、それは『何かご不満でも?』いや、別に・・・・」
アンナ様の迫力にグランデオ王は萎縮しています
因みに肝心の『ウリアム・グランデオ』王子は昨日の攻撃で全身包帯でいる事はいますが空気になっています
ミイラになっているので喋る事も出来ません
涙目になっていますが、一応筆談は出来るみたいです
アンナ「ウリアム様もちゃんと責任とりますわよね?」
ウリアム(待ってくれ!アンナ、本当に好きなのは君だけなんだ!ミーシャとは本気じゃない!!)
・・・・この期に及んでまだ言い訳しますか
アンナ「・・・・てめぇ、まだ言い訳してんのかぁっ!!」
突然、口調を荒げるアンナ様
アンナ「良いかっ!お前は私だけじゃねぇ!二人の女の人生を壊してんだぞっ!男だったら責任をしっかりととりやがれぇっ!!」
えぇ、マジギレです
アンナ様はキレると乱暴な口調になるんです
アンナ「グランデオ王っ!お前もお前だっ!息子の管理も出来ない奴が国を納められると思ってんのかぁっ!てめえら、王族だけ良い思いして国民には厳しい重税を課してるようだがなぁ、良く聞けぇ!!」
グイッとグランデオ王の胸ぐらを掴む
アンナ「王族は決して偉いんじゃねぇっ!国民に支持されて王族や貴族は成り立ってるんだ!思い上がるのもいい加減にしろぉっ!!」
アンナ様の怒鳴り声だけが室内に響き渡っています
怒鳴り終えた後、冷静になったアンナ様はコホンと咳払いをして
アンナ「今回の婚約破棄の件、こちらからの条件として、貴殿方の王族としての権利の剥奪、慰謝料等を請求させて頂きます」
グランデオ王「そ、それはつまり・・・・」
アンナ「えぇ、貴殿方の破滅、グランデオにはもっと王族に相応しい方々がいらっしゃると思いますから」
死刑宣告を笑顔で言い渡され王とウリアム様はガックリとしてしまいました