身の程を弁えないと破滅する事になります
グランデオ城
国の淀んだ雰囲気とは違いグランデオ城は見た目もそうですが内装も非常に豪華です
しかし、国の内情を知れば、『見栄の塊』に見えてきます
昨日と変わって城の中は厳重な体制になっています
冒険者や旅人達も何が起こるかわからないので早く旅立とうと行列ができています
今日中の出発は無理みたいですね・・・・
?「イライザ様!」
ん?私の名前を呼ぶ声がしましたが・・・・
?「イライザ様ではありませんか!」
イライザ「あ・・・・、『ミリアム』様」
私に声をかけてきたのは『ミリアム・アイトハルム』、アンナ様の弟で、アイトハルム騎士団の団長を務めている方です
イライザ「お久しぶりです、ミリアム様」
ミリアム「えぇ、姉からイライザ様の事は聞いております。見た目が変わっていたので驚きましたが・・・・」
イライザ「良くわかりましたね、私の事を」
ミリアム「顔でわかりました。それに雰囲気が冒険者にしては気品がありましたから」
イライザ「ところで何故此処に・・・・、て聞くのも野暮ですね」
ミリアム「はい・・・・、姉の付き添いです」
ミリアム様はため息を吐き、苦笑いをしました
その後、ミリアム様から事情を聞きました
婚約破棄の手紙を受け取ったアンナ様はショックを受けたそうです
と、同時にぶちギレました
直ぐにミリアム様に命令を下し騎士団と共に乗り込んで来たそうです
で、現在は話し合い中です
ミリアム「多分、破談にはなるとは思いますけど・・・・、父上からは『何かあったら止めるように』と言われてますが・・・・」
イライザ「アンナ様を止める事は命懸けですからね・・・・」
と
アンナ「この浮気者がぁぁぁぁっっっっ!!!」
ドガァァァァン!!!
怒鳴り声と爆発音がしました
ミリアム「あぁ・・・・、やらかした・・・・」
イライザ「やりましたね・・・・」
私達は爆発音がした部屋に向かいました
部屋の前には使用人やら城の皆さんが集まっています
人混みを掻き分けて中を見てみると・・・・
アンナ「この女の敵っ!死ね!死ね!死ね!」
アンナ様が鬼の形相で真っ黒焦げになった王子『らしき』物体を蹴り続けています
部屋の隅ではこの国の王らしき人物が壁にのめり込んでボロボロのまま気絶しています
部屋自体が所々に穴やヒビ、黒焦げになっているので何かあった事は一目瞭然です
ミリアム「姉上、落ち着いてください!もう相手はライフが0になっています!」
アンナ「いっその事、マイナスにさせた方がこの国の為です!!て言うか、人の心を土足で踏みにじって来る奴に生きる資格なんてありませんっ!」
怒鳴りながらも蹴り続ける事を止めないアンナ様
イライザ「アンナ様・・・・」
アンナ「あ、・・・・あぁ、イライザ様来ていらしたのですね」
私が声をかけてようやく蹴るのを止めました
にこやかな笑顔が逆に怖いです・・・・