婚約破棄は、場合によって国を滅ぼす
アイトハルムを離れて数日が経過
私は同盟国の一つ、『グランデオ』にやって来ました
アイトハルムに次ぐ広さの国です
因みに初めて来ました
第一印象は、国の大きさとは反比例して、ドヨンとした空気が漂っています
まずは城に行き滞在の許可をもらいます
その時に兵士から聞いたのですが、所謂『独裁国家』だそうで潤っているのは王族や一部の貴族のみで平民には重い税金がかかっているようです
兵士も『長期の滞在はおすすめしない。理不尽な理由でぼったくる可能性がある』と言われました
凄く腹ただしい気分です
食事をする為にレストランに行こう、と思いましたが何故か閉店しています
仕方がないので唯一開いていた酒屋で食事を取りました
そこでマスターに話を聞くと、ここの王子が結婚するので、その御披露目のパーティーの為にシェフがかり出されているそうでした
本当に呆れるしかありません
自分達の事しか考えていないようで、いつか崩壊しますよ
ただ、この時は思いもよりませんでした
崩壊する場面に直面するとは・・・・
翌日
何やら大砲の音で目が覚めました
あぁ、結婚の祝砲でも挙げているんでしょうか
でも、何やら様子がおかしいです
眠気まなこで窓を開き外を見たら、兵隊がうようよしています
ただ事ではありません
私は慌てて一階に来ました
イライザ「あの、何があったんでしょうか?」
店主「うちのバカ王子がやらかしたみたいだ。あの王族も終わりだな」
イライザ「どういう事ですか?」
店主「あのバカ王子、婚約者がいながら浮気して妊娠させて、婚約破棄を一方的に通告したそうだ」
・・・・あれ?その話、つい最近聞いたような
店主「その相手国の姫が激怒して、兵隊連れて殴り込んで来たんだよ。結婚式の日に」
・・・・あぁ、誰かわかりました
宿屋を出て私は兵隊が持っている国旗を見ました
やっぱりアイトハルムです
浮気した婚約者はこの国の王子でしたか
喧嘩をうった相手が悪いですね