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その7

「お父さん、お母さん。僕が人間と貿易できるように直接交渉してきます」


 当然、赤太郎大好きのお父さんお母さんは反対しました。


「ダメだダメだ!人間は優しいと教科書では書かれているが、実際人間は攻撃してくるんだ。怪我をしたらどうする!」


「お父さん、またそんな現実的なこと言って……。でもね赤太郎、危険なのは本当よ。そもそも人間に出会うには海を渡らないといけないのよ。海は本当に危ないの。お父さんは死んでも構わないけど、赤太郎が死んだらお母さん、生きていけないわ」


「ちょっお母さん」


「何?」


「いえ……なんでもないです……」


 中々許してくれないので、赤太郎はここで切り札を使います。


「僕、人間の言葉が話せるんだよ!」


 赤太郎がそういうと、お父さんとお母さんはきょとんとした顔で見つめあいました。


「赤太郎、本当に言ってるのかい?」


「僕、本当だよ!本当に人間の言葉が話せるんだ。ほら『おはようございます』『こんにちは』『こんばんは』『いただきます』『ごちそうさま』『ありがとう』『ごめんなさい』って、ほら!」


「凄い!確かにこんな言葉、人間が喋っていた気がする!」


 お父さんは驚いています。

 赤太郎も興奮して続けます。


「『わが家はピンチ』『赤字倒産間違いなし』『リストラ間近』『お母さんは鬼母』『お父さんは恐妻家』ねえ、どう?どう?」


「……ええ、確かに人間がよく話していそうな言葉だわ」


 お母さんはたじろきながら頷きました。


 二人はそのあと夜おそくまで相談し、翌日、赤太郎の出発を許すことにしました。

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