その5
「それはね、赤太郎がこの前、テストで悪い点数をとったからよ」
確かに悪い点数だったけれども、赤太郎は悪くありません。
なにせ
「オリの中にイヌを2匹入れました。次にヘビを1匹入れました。最後にカエルを3匹入れました。さて、オリの中には何匹の生き物がいるでしょう」
って算数テストの答えが
「6匹」
になっているのですから。
正しい答えは
「カエルがヘビに食べられて残りは3匹」
に決まっているでしょう!
それとも小太り気味のイラストだったイヌのお腹に、実は子供がいて、オリの中で生まれたから「6匹」なのでしょうか?そこまで読みとらなければならない問題なならば間違えて当然です。
本当にお母さんは冗談が上手。
ただ、赤太郎が聞きたいのは面白い話ではありません。
「人間と貿易で成り立っていたココ、鬼ヶ島は人間側に鬼語を喋れる者がいなくなってから貿易が上手くできなくてな。当然のように不景気になってしまって……特にウチの会社は物流関係だから運ぶものも大して無くて下っ端の方から給料がどんどん減っているんだよ」
「コラッ、お父さん!子供対してに何小難しくて現実的な答え教えてるの?!」
「いいじゃないか。実際そうなんだし。いつか知ることだ」
「……お父さん、来月のお小遣い減らすね」
「なんで?!ちょっと来月は飲み会あるからマジ勘弁してよ〜〜ねぇ〜」
「減らすといったら減らしますから。まずはお父さんが無駄遣い減らしてください。で、リストラに襲われないようにせっせと働いてください!」
どうやら赤太郎の家は思った以上にピンチなようです。
さぁて、来月のお父さんは?
おしまい




