プロローグ+第1話
この小説はあくまでも友人の作品であり、マロンさんは代筆しているものと頭に入れている方はこの小説を楽しんでお読みください。
【プロローグ】
ここは人間と魔族が対をなして生活する大陸『ビポライズ』。
大陸を半分にして北を人間が、南を魔族が支配していた。
人間は民主主義国家を格律しようとしている傍、魔族は魔王を中心とした国家を繁栄させていた。
魔族は人間を支配の対象として侵攻を開始、人間は対抗すべく迎撃部隊を結成し。そのうち数名の優秀な人材を魔王の討伐部隊として南の地へと旅立たせたのだった。
しかし…
【第1話】ペットになりませんか?
魔族の繁栄のほとんどを担っているのは魔王である。
そんな魔王は城を拠点に構えており、人間はそれをそのまま『魔王城』と呼んでいた。
「う、う〜ん…」
そんな魔王城のとある一室からうめき声が聞こえてくる。声の主は一人の青年であった。背丈は170前後。少し幼さが残るものの引き締まった体つきで普段からしっかり鍛錬しているのが伺える。しかし、一番最初に目を引くのはやはりまるで光を発しているようなほどの純白の白い髪だろう。
「こ、ここは…?」
彼はまだ自分の周囲の状況が理解できていない様子であり、軽くあたりを見回していた。
「気がついた?」
青年は慌てて声のした後ろの方を振り返った。
そこには少女がこちらをまじまじと見つめていた。背丈は155前後と言ったところ。黒のゴスロリファッションに綺麗な白い肌を覗かしている。髪は綺麗な金色で短めなツインテール。口元には可愛らしく八重歯がでていた。そんな中、やはり最初に目に飛び込んでくるのは…
角
小ぶりながらも黒く光るそれは彼女が魔族であることを物語っていた。
そんな彼女が言葉を紡ぐ。
「あなたは丸1日寝てたのよ。そんなに私のお父様の攻撃が効いちゃったのかしら勇者様?」
にぃっとにやけ笑いしながら少女が聞いてくる。彼女の口ぶりからすると彼は討伐部隊の人間のようだ。人間の間では親しみを込めて「勇者」と呼び、魔族もまた他の呼び方が思い浮かばないので勇者と呼んでいた。人間側の思いを背負った討伐部隊であるが魔王との戦いに敗れたのである。
「君は誰だい?それに…お父様?」
意識がようやくハッキリしてきた青年は取り敢えずは目の前の少女から話を聞くことにした。
「それってつまり…」
「そ、人間は飲み込みが早くて助かるわ。私は魔王サタンの娘のアリトンよ。あなたの主人になる者の名前だから、しっかり覚えなさいね。」
彼女は高らかにそう宣言した。
…ちょっと待て
「今のセリフの後半におかしなワードがなかった?」
青年はアリトンに気になる部分を質問した。
「おかしなワード?」
アリトンはよく分かっていない反応をする。
「ほら、主人になるとか…」
「あー!それね!」
一拍おいて彼女は言葉を続ける。
「あなた、私のペットにならない?」
「…………はい?」