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第三話 冒険者になりましてー

じゃんじゃん書きますよー!

黒騎士くんの必殺技により切り倒された木々を見ますと、ここに居るのは得策じゃない気がしたのです。誰かに気がつかれると面倒ですからねー。なので、黒騎士くんの講座は街に行ってから執り行われることになりましたー。

「主君、移動でしたら、ホースをお呼びください」

「ホース?」

凄いですよねー、黒騎士くん。なぜか僕の持ってるカード全て把握してるんですから。

その黒騎士くんが言うんです。名前的に馬のような感じですし、移動が楽になるのでしょう。

あ、ありました。〔ただの暴走馬 ホース D 850〕、これですねー。

「ホースくん、出てきてくださいー」

例により魔力を込めます。すると、やはり地面に魔法陣が現れ、そこから馬が出てきました。

「ブルルン!」

「馬、ですねー」

「さ、さ主君、どうぞ乗ってください」

流石黒騎士くんですねー。僕の体をこうも軽々と持ち上げて。(※6歳児です)

お、高いですねー。いつも見ている景色とは全く違います。

森を抜けたところが草原というのは理解してましたが、ここまで広いとは思いませんでした。

「ホースくんは話せないのですか?」

「Dランクの精霊は自我と知能を持ちません。代わりに、他のランクのカードと違って何体でも呼び出すことができます」

「そんなんですか。精霊にも色々いるんですねー」

自我のない精霊ですか。それまた利用させられまくりそうな精霊で、不憫ですねー。

今から僕も利用しようとしているわけですし、同情はしませんが。

「では、主君。またご用があったらお呼びください」

「ありがとうございましたー。あ、」

「どうしました? 主君」

僕は大事なことを忘れていました。

「僕、馬乗れません」

6歳児ですもん。


★☆街着きました★☆

結局、黒騎士くんと一緒にホースくんに乗って来ました。少々重そうにしてましたが、支障はなかったようで、広い草原を風のように走り抜けてくれました。

さて、街について語りましょうかねー。

この街は、ロステリアという街だそーです。名産品はハンバーガー。どんなものかは知りませんが、一度は食べてみたいものですねー。

外観について言うと、煉瓦造りの建物が規則正しく並んで、道は露天商で端っこが埋め尽くされておりますねー。時折芳しい匂いが鼻をついて、お腹がなりそうです。

道行く人は多いです。草原の真ん中にぽつんとある街とは思えないほどの盛況ぶり、僕は何かあるとみました。

まぁ、それはともかくとして、お金が全然ないので、稼がなくてはいけませんねー。3歳の時に放り出されたせいで貨幣の価値もわかりませんが大丈夫でしょうか。

こんなことなら家から服と一緒にお金も盗ってくるべきでしたねー。失敗しました。

あ、ちょいちょい、そこのお方?

「何だい、嬢ちゃん?」

残念でしたー。僕は男です。

「お金を稼ぐにはどうすれば良いですかねー?」

「そういうのは大人になってからな。この街じゃ、10歳までは働いてはいけないって決まりがあるんだ」

そういえば僕、6歳でしたねー。

「そこをなんとかー」

「はぁ⁉︎ ったく、しょうがねぇ嬢ちゃんだ。なら、冒険者にでもなってみるか?」

へぇ、そんな職種があるんですか。男のニヤニヤした話し方からすると、僕が尻込みすると思ってるみたいですねー。

「どうやったらなれますか?」

「は⁉︎ おいおい、本当になるつもりか嬢ちゃん?」

…それからも説得を重ね、ようやくこの男、折れてくれましたー。

「そこまで言うならわかった、俺が責任持ってギルドに紹介してやらぁ!」

汚いです。近寄らないでください。その鼻水と涙引っ込めてくださいー。

「それにしても、その年で大変だなぁ、嬢ちゃん! 親に捨てられて、盗賊に追われた挙句、魔物に襲われて数少ない金を落としてしまうなんて!」

「あー、後半は大分違いますが、もうそれでいいです」

盗賊とか魔物ってどこから出てきたんでしょう? 散々説明しましたし、面倒ですからそれでもいいのですが。

「よし、俺についてこい!絶対手ェ離すんじゃねぇぞ!」

その汚い手を離してください…。


★☆冒険者ギルド★☆


ざわざわざわざわ。

うるさいですねー。もう少し静かにできないものでしょうか?

「…おい、あれ誘拐じゃねぇか?」

「…警邏に通報するか」

あ、もっとやってくださいー。そして、この男の手を僕から引き離しちゃってください。

あ、大事な語りを忘れてましたー。

ギルドは、街の中央付近に位置します。他の建物とは違い、白い石壁でできていて、大きさも別格です。

喫茶店、武器屋、薬屋といった様々な店舗が出店しているのも特徴ですねー。

一階はギルドホールと呼ばれ、冒険者の仕事探し兼憩いの場だそうです。大きなカウンターと、掲示板以外、特筆して何を言うまでもない普通な空間です。

二階はギルドショップ。さっき言った様々な店舗が出店している階ですねー。

三階から五階は宿舎。お金を払うことで泊まることができるそうです。

あれ、男が消えましたー。さっき兵士のような集団が連れ去ってくれてましたねー。ありがとうございます。

では早速、冒険者になってみますかねー。

「ごめんくださいー」

「どうしたのかな? 麗しいお嬢ちゃん、お使いなら二階だよ?」

「僕男ですー。それと、お使いじゃなくて、冒険者になりに来ましたー」

そんなにびっくりしないでくださいよー。僕、こう見えても600歳なんですから。(※6歳です)

あと職員ー。いくら僕が子供だからってタメ口はダメだと思いますよー。

「そうでしたか、では、この要項を読み、こちらの用紙に記入をお願いします」

「了解です」

む、よく出来た職員ではありませんか。下手に詮索してこないところ、ベリーグッドです。

さ、チャチャっと書いちゃいますか! あ、

「むむむむむむむ」

「ど、どうしました?」

「文字が読めません!」

カードの文字は読めるのにどうしてでしょー? そういえば、よく考えたら3歳までに字の勉強はした覚えありませんねー。数字くらいです、僕が読めるのはー。

「あ、それでしたら読みますね」

流石ですねー。もしかして黒騎士くんと兄弟なんじゃないですか?

「では、読みますね。えー、本項は冒険者になるにあたり、襲い来るであろう危険に対してこちらは一切の責任を持たないことを証明するものである」

え、早速嫌な奴ですねー、冒険者ギルド。

「また、冒険者同士の諍いによりギルド内の物品が破壊された場合、冒険者は平等にギルドへと金貨5枚の賠償を支払うことを義務とする」

ほうほう。流石です。がめついですねー、冒険者ギルド。

「ギルドを通した依頼の場合、依頼前に手付金としてギルドには報酬の1割を支払わなくてはならない。手付金は、返還されない」

たっはー、流石です。ここまで潔いと、むしろ清々しいですねー。手付金なのに返ってこないって詐欺のレベルじゃないですかー。ま、良いですけどね。

「以上の事項に了承する場合、以降の用紙に記入しろ」

命令口調ですねー。この冒険者ギルドという機関、本当に大丈夫でしょうか?

とはいえ、この街で10歳以下の人間がお金を稼ぐためにはこれしかないのです。了承しましょう。

「あ、記入お願いしますー」

「わかりました」

文字書けないのは困りますねー。当面の生活資金を工面したら学校にでも行ってみますか。

「僕、レイと言います」

「レイですね」

お、この職員達筆ですねー。文字がわからない僕から見ても整ってるとわかります。

「6歳です」

「6歳ですね」

さらさらさら。この人、精霊にいないでしょうか? いたら欲しいです。

「男です」

「へー、髪長いから女の子かと思いましたよ」

仕方ないんですよー。3歳の時から一切合切切ってませんから。お陰で膝あたりまで伸びてますしねー。

あ、因みに、服は変えましたよ? 屋敷にあった子供用の服を黒騎士くんにとってきてもらいましたから。

それまでは、はだ…たっはー!

「では、記入完了しました。」

「ありがとうございますー」

記入が終わるや否や、職員さんが、僕に銀色の板を渡してくれました。おお、綺麗ですねー。

「こちらはギルドプレートになります。無くした場合、再発行時に金貨が必要となりますのでお気をつけください」

「了解です」

さて、無事職にもつけたことですし、依頼受けて早いとここのむさっくるしい空間から離脱しましょうかねー。






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