序章
更新が遅くなりそうですが
遠い目で見ていただけると幸いです(* ̄∇ ̄)
8月28日 深夜2時
鬱蒼と木々が生い茂る原生林がざわめいた。
植物は葉を擦らせて音を出し、動物たちは声を出して警戒を露にしている。
まるで自分達の生活を脅かすほどの何がくることを恐れて威嚇するように、だ。
そしてなにより不自然だったのは地響きだ。
震度は4くらいだろう。
本来動物たちは地響きがなる前に感知し、逃げ延びることができる、
しかし動物たちは逃げなかった。
いや出来なかった。
何故か、
それは本来働くはずの危険察知能力が働かず、通常通り生活をしていたからだ。
生き物達は絶対の自信をもっていた自分達の能力が通じなかったからこそこれだけ警戒しているのである。
そして動物たちはより大きく威嚇し、植物達は葉を揺らした。
そして原生林自体が一番大きくざわめいた瞬間、
天から紫色の不気味な光が原生林を覆うと共に
真っ黒な穴が原生林の真ん中に姿を表した。
生き物たちは分からなかった。
何故空から紫色の光が降ってきたのか、
何故自分達が地響きを感知することが出来なかったのか。
そして目の前の物をだ。
生き物達は理性がやっと戻ってくると恐怖した。
天敵を前にした時よりも数段恐怖した。
それは本能的というのだろう。
なぜならそれはあまりにも巨大すぎる力を嫌というほど察知してしまったからだ。
そして穴が表れてからおよそ10分間、
恐怖のあまり誰も音をたてずに静止した。
そして最初にこんなところにいたくないと逃げ出そうとしたネズミが音をたてた時、
まるで何もなかったかのように、
真っ黒な不気味な穴が消えた。
そして原生林は静まり返った。
それは原生林に住む生き物たちが姿を消したかのようにも感じることが出来るほどにだ。
生き物はすぐに今のことを忘れようとしたようだ。
さっき起こったことを必死に否定するように、
自分達に降りかかった不気味な恐怖を無かったことにするように………………………………
そして
朝が明けていった