某夢の国のヒーローに憧れて
1
――僕は彼みたいになりたいんだ。
小泉勇太が憧れる『彼』とは、某夢の国のマスコットのネズミの事である。
幼い頃、勇太は家族からアニメや絵本を見せて貰っていた。その様々な作品の中に幼かった少年は、彼を見つけた。
友達思いで、正義感が強くて、明るくて、いたずら好きで、少し臆病な人気者を。
それから小学校に進学するまで毎日、作品に触れた。
勇太が小学三年生の時に、家族と行った某夢の国の彼の家で、彼と撮ったツーショット写真は、勇太の宝物である。
そして小学五年生の勇太は、今夜も彼のテーマソングを聴いてから、明日の学校の為に彼が描かれた布団を掛けて眠るのだった。
梅雨明け宣言がようやく出た神奈川県三浦市、勇太は暑い中小学校に向かっていた。
勇太は父親の仕事の関係で、終業式が行われる今日を最終日に、二学期からは富山の学校へ転校する事になっていた。
「ホームルームを始める前に、みんなに改めて伝える事があります。小泉君、前に来て」
勇太は担任に呼ばれ、クラスメート達の間を通って黒板前に立ち、みんなの方を向いた。
「え~以前から伝えていた通り、今日で小泉君はこの学校を離れ富山県の学校へ転校します」
クラスメートは一部を除き静かで、担任の方を向いて話を聞いていた。
「それでは小泉君、お別れの挨拶をしてくれるかな?」
「あ、はい」
静かなクラスメートの視線は、一斉に勇太に向けられた。
勇太は緊張した。
(はぁ・・・・・・僕、人前で話すのとか苦手なんだよなぁ)
「えっと短い間だったけど、このクラスで良かったです。後、あの~転校してもみんなの事は忘れません。あのその以上です」
特にこのクラスに思い出も無い勇太は、月並みの文句を言って、別れの挨拶を終わらせた。
教室からは、形ばかりの拍手が勇太に送られた。
「ありがとう小泉君、席に戻っていいよ」
勇太は担任に言われ、席に戻った。
「それでは、ホームルームを始めます」
(終わっちゃったな。・・・・・・もう二学期からは違う学校か)
窓の開いた教室は、夏休みの話題で騒がしかった。
夏休みどうするか、それを話せる友人がいない勇太は、教室を出て家路に就いた。
三浦海岸、ファーストフード店、スーパーマーケット、ピザ屋を通り過ぎて自宅に向かった。その道中、
「杉田、ドリル俺の分頼むな」
「嫌だよ、宿題は自分でやらなきゃ。それより、貸したゲーム早く返してよ!」
「まだ途中なんだよ」
「でももう二ヶ月も貸しているんだよ? そろそろ返してくれても――」
「ごちゃごちゃうるせぇな、いい加減にしないとぶん殴るぞ」
「ひぃ! 止めて」
勇太は咄嗟に引き返して、コンビニの中に入った。
(また杉田君、米田君にいじめられてた)
勇太にとって道中で言い争っていた二人は、クラスメートだった。
(大丈夫かな、杉田君・・・・・・こんな時彼ならきっと・・・・・・・でも杉田君は友達じゃない、友達じゃないんだ! だから僕には関係無い)
勇太は自分に言い聞かせ、コンビニを出た。そして言い争っている二人と目が合わないように気を付け、足早にその場を立ち去った。
(やっぱり無理だ、僕は彼のようにはなれないよ・・・・・・)
勇太は自宅に逃げ帰った。
「勇太、これも美味いぞ」
勇太の両親は、勇太を連れ出して海鮮居酒屋で昼食を食べていた。
それは数日後の引っ越しで、三浦市を離れる前に、息子に色々体験させてあげたかったからである。
「次は三浦海岸でも見に行くか?」
「あ、うん」
勇太は、牡蠣のバター焼きを食べながら返事をした。
一行は三浦海岸を眺め、車で海南神社に寄った後、みうら・みさき海の駅で水中観光船、にじいろさかな号に乗船して楽しんだ。
「楽しかった? 勇太」
「うん、楽しかった」
「それは良かった。他に行きたい所はあるか? やり残した事とか」
「・・・・・・無いよ」
勇太は考えている途中で、あの日いじめられていたクラスメートの事が頭をよぎった。そして浮かんだものを振り払って答えた。
「そうか、それなら良かった」
「うん」
それから一行は家に着くまでの間、車内で他愛の無い会話をした。
「勇太、富山県に入ったぞ」
「ううん・・・・・・」
勇太は父親に呼び掛けられ、目を覚ました。
すると勇太の視界には、見慣れない風景が広がっていた。
小泉家は長い車の旅の末、富山県に到着したのだった。
「もう着く?」
「いや、まだ少し掛かるな」
「ふうん」
勇太は暫く窓からの景色を眺めると、また眠りについた。
そして勇太が次に目を覚ました時、一行は高速道路を下りて、新たな住まいに向かっていた。
「着いたぞ、ここが新しい我が家だ」
着いた場所は、射水市のとあるマンションの前だった。
大きい建物ではないが、小さな駐車場があり、外観は綺麗で、築十数年といった所だった。
「お母さん、家の鍵を貰ってくるわね」
「う、うん」
勇太は答え、マンションの前で待った。
日差しは容赦なく降り注いだ。
それは目を眩ませ、小さな体を焼いた。
黙って立っている少年の耳には、蝉の声、両親がオーナーと話す声、車の走行音が混ざった音が通った。
「お待たせ、それじゃあお家に入ろう」
勇太は母親と先に新居の中に入っていった。
2
「勇太、学校までの道筋は大丈夫?」
「うん、ちゃんと覚えたよ」
「そう、それなら気を付けて、いってらっしゃい」
「行ってきます」
勇太は母親に見送られ家を出た。
夏休みの間、勇太はこの新天地で小さな夏祭りに行ったり、大きな船を見に行ったり、路面電車に乗って海まで行ったり、昆虫採集をしたり、通学路を確認したり様々の事をした。
それはここでの生活を楽しんで貰えるようにという、両親からの心遣いだった。
おかげで勇太には、まだ見ぬ友達と気持ちを共有できそうな思い出を作る事ができた。
歩くこと二十分、勇太は正面玄関の前まで来た。
九月の初めは朝でもまだ暑く、勇太は少し汗ばんでいた。尤も他の生徒も同様で、服が肌にぴったりと張り付いていた。
勇太は予め指示された通りに、職員室に行くことにした。そこで始業式を終えて戻ってきた担任が、ホームルームの時間に転校生である自分を紹介する為、迎えに来るのを待つのである。
勇太は階段を上り、職員室を探した。
職員室は、勇太が上った階段からは遠かった為、少し手間取ったが、辿り着くことができた。
(お、おはようございます)
勇太は部屋の扉を開けて、中に入って挨拶した。
すると教師の何人かが、声のする方を向いた。
「あのあの、今井先生は居ますか?」
「今井先生、先生に用事のある生徒が来ていますよー!」
緊張している転校生の声を聞いて、近くにいた教師が、今井という教師を呼んだ。
「お待たせ、私に用って何かな?」
「あの僕、今日からこの学校に通う小泉勇太です」
「ああ、君が小泉君ね。私は今井春、よろしくね」
「あ、よろしくお願いします」
「予め聞いてはいるかな? 君を紹介するまでの流れは」
「あ、はい」
「そうか。それならもうすぐで私は教室に向かうから、悪いけど私が戻ってくるまで待っていてくれるかな?」
「分かりました」
勇太の返事を聞くと、今井先生は「そうだ小泉君、ちょっと付いて来て」と言うと、勇太を自分の席に連れていき、「ここに座っていいよ」と言った。
勇太は会釈して座った。
やがて先生達は、職員室を去っていった。
静まった部屋で、秒針の刻む音だけが響いた。うるさいと、緊張して落ち着かない転校生は思った。
「お待たせ」
暫くして今井先生が、他の先生達に混ざって戻ってきた。
「もう少ししたら教室に向かうけど、トイレとか大丈夫?」
「あ、はい。さっきしてきたので」
「そう、ならもう少しだけ待ってね」
先生はそう言うと、机の上のカップを持って職員室の奥に行くと、カップにコーヒーを入れて戻ってき、中のコーヒーを立ち飲みした。
そして今井先生が一杯のコーヒーを飲み終えた位で、先生達が続々と職員室を出ていった。
「私達も行こうか」
勇太は担任の後に付いて、教室に向かった。
程無くして教室に着き、チャイムと同時に二人で中に入った。
(友達できるかな・・・・・・)
「起立、気を付け、礼」
「お願いします!」
「さてホームルームを始める前に、このクラスで一緒に勉強する事となった新しい仲間を紹介します」
担任は前置きを言ってから、黒板に転校生の名前を書いた。
「神奈川県から転校してきた、小泉勇太君です。みんな仲良くするように」
勇太は暑いと感じていた。
「それじゃあ小泉君、自己紹介お願い」
「あ、はい! えっと小泉勇太です、神奈川県の三浦って所から転校してきました。よ、よろしくお願いします!」
「はいありがとう。席は、真ん中の列の一番後ろね」
「あ、はい」
勇太は返事をして、自分の席に一直線に向かった。
職員室とは違いクーラーの無い教室は、窓が開いてはいるが暑かった。
しかし転校生の少年は、自己紹介する前程には、暑さを感じてはいなかった。
「小泉君も着席した所で、夏休みの宿題を提出して貰おうかな」
担任の一声に、生徒達が各々の反応をした。
こうして勇太の学校生活は始まった。
「起立、気を付け、礼!」
「ありがとうございました!」
今日の日程が終わり、周りの生徒達は帰り支度を始めた。
勇太も帰り支度を始め、数分後に終わった。
内心、作業中に声を掛けられるのではないかと転校生の少年は期待をしていたのだが、何事もなく終わった。
(・・・・・・帰ろう)
勇太は話し掛けられる事を諦めて、教室を出た。それから学校を出て帰路に就いた。
「今日は友達ができなかったよ」
勇太は歩きながら彼との写真を取り出して、呟いた。
その時、風が吹き写真が手から離れてしまった。
「あ、ちょっ――」
「はい、落としたよ」
「あ、ありがとう」
勇太は、急いでランドセルの中に仕舞おうとした。
「僕はあの子が好きだな」
「え?」
「小泉君は写真の彼が好きなんでしょ? 僕はね、この子が好きなんだ」
そう言うと写真を拾ってくれた少年は、水兵の格好をしている、アヒルの子のキーホルダーを勇太に見せた。
「そうなんだ! 確かにその子もいいよね‼」
勇太は目を輝かせて同意した。
「うん、怒りっぽいけど何か可愛いんだよね」
「僕は彼の友達思いで、正義感が強い所が好き、彼は僕にとっての憧れ。だから、僕は彼みたいになりたいんだ」
「いいね、素敵だよ」
肯定され、勇太は思わずはにかんで笑った。
「それじゃ僕は行くね、小泉君もお昼食べなきゃだし」
「あ、あの! 僕と友達になってくれない」
「僕でよかったらいいよ」
「ありがとう、えっと・・・・・・」
「僕は榎本浩紀、同じクラスだよ」
「榎本君、よろしくね」
「うん。それじゃ、また月曜日に学校でね。さよなら~」
「うん、さよなら~」
勇太は浩紀の後姿を見送り、家に帰った。
(今日、友達ができた・・・・・・)
「ただいま!」
「学校どうだった? 友達できそう?」
食卓を囲んで母親は、息子に話題を振った。
「何とかやっていけると思う、友達もできたしね」
「お、もう友達ができたのか、良かったな」
「どんな子?」
「優しそうだし、僕と気が合う男の子だよ」
勇太は嬉しそうに話した。
「家で遊ぶ事もあると思うから、お菓子とか買っておいてね」
「はいはい」
会話が弾み、小泉家は賑やかに夕食をとった。
そして夕飯を食べ終え、それぞれ食事を片付けたり、テレビを視聴したりと思い思いの行動をとった。
勇太はちょっと休憩し、シャワーを浴びると、自分の部屋に入ってベッドに横になった。
(月曜日、楽しみになったな)
と、思いながら。
3
「二人共、ジュースとお菓子ここに置いておくからね」
「ありがとう、おばあちゃん」
「ありがとうございます」
勇太は浩紀の家で遊んでいた。
勇太と浩紀はあの日以降、毎日のように遊ぶようになった。
話題は、某夢の国のキャラクターの事がほとんどだった。
某夢の国に行った事の無い浩紀と、いつか一緒に行きたいね、と語り合う事もあった。
授業で二人一組を作る時も一緒で、休み時間も共に行動していた。
だからこそ、勇太は知っていた。浩紀に会った時、様子が変な事が度々あると。
何となく元気が無かったり、傷を負っていたりだ。
勇太は浩紀がいじめられていると確信していた。
それは浩紀に対して悪意を持って接している事が、見て取れるクラスメートが数人居る事からだ。
だが、勇太は浩紀に問う事はしなかった。
なぜなら尋ねて確信が確定に変わった所で、自分には友達を助けられないと諦めているし、問題が一向に解決しない事から、もしかしたら浩紀は両親や担任に、自分がいじめられていると相談したくないのではないかと、考えているからだ。
「今度は僕の勝ちだね」
「小泉君、もう一回しようよ」
「うん、その前にジュース飲んでいい?」
勇太はオレンジジュースを一口飲んでから、コントローラーを持って、格闘ゲームを再開した。
空も暗くなってきて勇太は帰る事にした。
「小泉君、また遊びにおいで」
「はい。それじゃ榎本君、またね」
「今度は小泉君の家で遊ぼう」
「うん、いいよ。明日とか来る?」
「うん、行きたい」
「分かった、じゃあまた明日ね。さよなら」
「さよなら」
それから月日は経ち、長袖が必要な時分となったある日の放課後、勇太は浩紀といつものように遊ぶ約束をした。
勇太は急いでランドセルを玄関に置くと、公園へ向かった。
互いに自宅に荷物を置き、公園で落ち合ってからプランを決める、それがいつもの流れである。
そして公園へ着いて、浩紀の待つ雲梯に向かい、目的地の近くまで来た。
すると、友達をいじめていると勇太が睨んでいるクラスメート達が、浩紀に絡んでいた。
「よぉ榎本、最近付き合い悪いよな?」
「と、戸田君・・・・・・」
「ここで小泉と待ち合わせか?」
「そ、そうだよ」
「へぇ~、俺等とも遊んで欲しいな。榎本、ここでプロレスごっこしようぜ」
「え? いやあの・・・・・・」
(榎本君がピンチだ! だけど戸田君は体が大きいし、他にも友達がいる。僕が行った所で助けになるものか。・・・・・・帰ろう)
咄嗟に滑り台を壁にして隠れていた勇太は、顔を曇らせ引き返そうとした。
「大事な友達との約束が先だから!」
「だから何? 俺等とプロレスごっこしようぜ」
(大事な友達・・・・・・)
勇太は、浩紀の叫びを聞いて立ち止まった。そして脳裏にあの日のやり取りが浮かんだ。
「僕は彼みたいになりたいんだ」
「いいね、素敵だよ」
(榎本君は僕の夢を肯定してくれた、それに僕の事を大事な友達って)
色々な浩紀の姿が頭に浮かんでいき、勇太は体がだんだん熱くなっていくのを感じていった。
(僕には何も出来ないかもしれない。だけど、何もしないのはもう止めだ!)
勇太は浩紀の許へと走った。その胸中で(彼なら友達を見捨てない! 僕は彼みたいになるんだ‼)と決意を込めて。
「榎本君‼」
「小泉君!」
「何だぁ小泉、何か用か?」
「はぁはぁ戸田君、榎本君から離れて」
勇太は息を弾ませながら、浩紀と戸田の間に割って入った
「どけよ、俺等今から榎本と遊ぼうとしてんだからさ」
「嫌だ、どかない!」
「どけ!」
戸田は勇太の腕を引っ張ってどかしたが、直ぐに元の位置に戻った。
「僕は大事な友達を守る! プロレスごっこなら僕が付き合うよ」
それから勇太と戸田の一派は、浩紀の目の前で戦いを始めた。けれど勇太は一切手を出す事は無く、好き放題されて傷を増やしながらも、勇太にとって大事な友達が狙われないように耐え続けた。
「はぁはぁ榎本、遊ぼうぜ」
戸田が浩紀に近付こうとした時、仰向けに倒れていた勇太が立ち上がり、戸田の前に立ちはだかった。
「もう終わり? 僕はまだ・・・・・・はぁはぁ、戦えるぞ」
「・・・・・・キモッ、ウザッ」
戸田は吐き捨てて仲間達と去って行った。
「小泉君大丈夫! ゴメン、僕の所為で・・・・・・」
「そんな悲しい顔しないで、僕は平気だから」
勇太は服の土を払って言った。更に続けて、
「それより僕は嬉しかったんだ、君が僕を大事な友達だって言ってくれた事が。その発言が僕に君を守る勇気をくれた。ねぇ榎本君、僕は彼に少しは近付けただろうか?」
「うん! 君は僕のヒーローだよ」
「えへへ、それじゃ気を取り直してデパートにでも行こうか」
「うん、行こう。その前に傷の手当てをしないと」
「はは、そうだね」
二人はやり取りすると、公園のトイレでハンカチを濡らした。そして勇太が殴られた所を冷やし、鼻血が出ている鼻にティッシュを詰めて、デパートへと向かった。
浩紀とデパートの前で別れ、勇太は家に帰った。
家に帰った勇太の姿を見て、両親は心配した。けれど勇太は「友達とやんちゃしていたら怪我をしてしまった」とだけ伝えた。
両親は訝しんだが、息子が誇らしげな顔で言うので、掘り下げる事はしなかった。
4
「それじゃ行ってきます」
「いってらっしゃい」
母親に見送られ、勇太は自信に満ちた顔で家を出た。
浩紀を庇ったあの日から、勇太は変わった。クラスで発言するようになったし、クラスメートに自分から話し掛けるようになった。それに常に堂々とするようになったのである。
そんな勇太は、小学六年生になっていた。そして学級委員になっていた。
一時期、浩紀を庇った事でいじめられた事もあった。
しかし常に勇太は毅然とした態度をとっていた為、いじめっ子達は萎え始め、次第に勇太をいじめなくなっていった。
勇太が学級委員になってからは、いじめ自体無くなった。
何故なら他の子がいじめられていたら、勇太は直ぐに止めに入って浩紀を庇った時の様な行動を起こす、それがいじめっ子には鬱陶しく感じたし、だからといって勇太をいじめても張り合いが無い為、いじめは必然的に無くなった。
勇太はあの日、勇気を出せた事で、某夢の国のヒーローの様になれたのだった。
「勇太君、明日からゴールデンウイークが始まる、いよいよだね」
「うん、浩紀君。遂に願いが叶うね」
「ワクワクする」
「僕もだよ」
二人は目を輝かせながら見つめ合い、手を振って別れた。
この日、二人は早く寝た。明日、思いっきり楽しめるように。
そして――舞浜。
「緊張するなぁ」
「ほら行くよ、浩紀君」
「うん、勇太君」
「せーの!」
各々の両親に見守られ、手を繋いだ二人は某夢の国に入国した。




