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小休憩、ギルド報告、そして石盤へ





「さぁて、君たち新兵たちには覚えなければならない事がたくさんある」


黒板と同じ高さか、それ以上。

2メートルはある巨体が器用に黒板に文字を書いていく。


「まずは自分の属性を知る事からだ。


火→炎(上位)、水→氷(上位)、風→雷(上位)、土→岩(上位)木→森(上位)の基本5属性が存在している。


水は火に強く、火は木に強く、木は土に強く、土は風に強く、風は水に強い。ここはしっかりと頭に叩き込め」


その教室の扉から授業を見つめる金色の獅子。

タイミングが悪かったなと、見えない場所へと移動する。


「あとは、光属性と闇属性は互いに反目し合う属性。まぁ、世界的に見ても使い手は少ないんだがな」


さて、君たちは今から教科書を読んでいなさいと聞こえ、教室の扉が開いた。


「すみません、出直すべきでした」


「構わん構わん。あんなの子供でもわかっている内容だ。ネメア、ご苦労だった」


「いえ、私は私の仕事をしたまでです」


金よりはオレンジよりの髪色。ネメアに負けず劣らずの体躯。

ニコッと笑うと少し子供っぽい。ようは、見た目も良い。

見た目が良いと思うと、少しトゥルムが脳裏にちらついた。あそこまでの美形は久しぶりに見た。


「ヘラクレス様」


「聞こう」


わざわざネメアが報告に来た意味をわからないヘラクレスではない。


「討伐隊からの報告です。変異種の更に変異種を確認。知性があり、統率力と判断力が高い個体」


「変異種が更に…。厄介だな。討伐隊が苦戦した訳だ」


「はい。あと少し遅ければ、全滅していたでしょう」


「良くやったぞ」


ポンポンと肩を叩いて誇らしげなヘラクレスを、ネメアは少し複雑そうに見つめ返す。


「……いえ、私はでありません」


がっかりさせてしまっただろうか?

軍人としての立ち振舞いが、ヘラクレスの前では少しだけ揺らいでしまう。


「A級冒険者と戦闘系亜人がその場に居合わせ、場を持たせたようです。異質でした」


報告書をパラパラとめくるヘラクレス。


「異質?記載のある、光属性使いの大型黒狼亜人か?」


「……報告書には記載されていませんでしたが、王宮剣術を使っておりました」


「……ほう?なるほどな。報告にないのは、一般兵にはわからなかったからか」


記載しますか?と問うと、再びニカッと豪快に笑った。









「よく寝た……」


久しぶり、、いや、ヵ月?年?

それくらい久しぶりにフカフカのベッドで寝て朝を迎えた。

いや、もう夕方だ。疲れ過ぎていたのかも知れないが寝すぎた。


「ネメア将軍に感謝ですね」


その名前を聞いて金色の獅子が脳裏に甦る。


“亜人でも将軍になれる”


エリシオンではあり得ない。

ネメアは誇りを持って立っていた。


「(……差別は制度?変えられる?)」


「ネメア将軍が温泉を用意してくれてるみたいなので、入りに行きましょう。明日は朝からオリンポス市内を探索ですね」


まだ身体がギシギシといっている。これは完全に筋肉痛だ。


案内されるまま温泉へと入る。どうやらここは湯治場のようだ。


「筋肉痛ヤバい」


「私もです。最近は簡単な依頼ばっかりでしたからね」


「あとでオリンポスのギルドに顔出すか」


「そうですね」




エリシオンのギルドも大きかったが、オリンポスのギルドも負けず劣らずの面構えだ。


「あっ、嘘っ」


トゥルムが入ると受け嬢は慌てふためく。

そして裏に一旦入るとやや小綺麗になって再度現れる。

どこも一緒か…。


「冒険者番号、78863」


「トゥルム様ですね。ギルドマスターからお話があります。あ、ギルド証を預かりますね」


「?」


裏の応接室に案内されると、少しお待ち下さいと二人の目の前にハーブティーとクッキーが。


「………俺の分もあるのか」


「?」


お茶を出した受け付け嬢は少しきょとんとした顔をしたが、何か察したのかすぐさま柔らかな笑顔が向けられた。


「勿論です」


ここに来るまでの道すがら、嫌な思いが一つとしてなかった。

たった一人、亜人の将軍が居るという事実がここまで人の認識を変えるのだ。


「………」


しばらくするとギルドマスターが入って来て、机の上には袋摘めのゴールドが並べられる。今回の討伐の報酬だと渡された。


「凄い額だな」


「いやいや、少ないのではと思うくらいですよ。スタンピード制圧、変異種の変異体の発見、国軍救出」


「でも、最後はこの国の将軍が片付けたぞ」


ちょっと嫌な感じの言い方になったかもと思ったが、ギルドマスターは意に介さずニコリと笑った。


「ネメア将軍は貴殿方がいなければ全滅していた。感謝をと」


そうこうしているうちにトゥルムの冒険者証が戻って来た。

茶色い皮だった冒険者証はクリスタルのような素材になっていて、番号の下にはダイヤモンドが1つ。



「Sランク昇格、おめでとうございます」



その日、二人でちょっとだけ贅沢をしてお祝いしたのは言うまでもない。





補足情報


ギルド証

Sランク→ダイヤモンド1個

SSランク→ダイヤモンド2個

SSSランク→ダイアモンド3個


ギルドマスターは基本的に全員S級以上


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