スターライトボイス1から6話まで
スターライトボイス1から6話までまとめました。
『スターライト・ボイス』全24話 台本
基本設定
登場人物
声優志望の女子高生たち(全5名)
1.桜井美咲 - 17歳・高校2年生。明るく前向きな性格。憧れの先輩声優を追いかけて声優を目指す
2.月城蒼 - 16歳・高校1年生。クールで真面目。演技の理論を重視する努力家
3.星野ひまり(ほしの ひまり) - 17歳・高校2年生。天真爛漫で感情表現が豊か。天然ボケ担当
4.雨宮凛 - 18歳・高校3年生。落ち着いた大人びた雰囲気。低音ボイスが魅力
5.花園千歳 - 16歳・高校1年生。内気で人見知りだが、演技に入ると別人のように輝く
謎の優秀なスタッフ
∙マネージャー・黒木遥 - 28歳女性。元大手事務所の敏腕マネージャー
∙プロデューサー・白石陽介 - 32歳男性。業界で伝説と呼ばれた元音響監督
∙社長・神谷和樹 - 35歳男性。正体不明だが圧倒的なカリスマと人脈を持つ
事務所名:スターライト・プロダクション
第1話「始まりの声」(美咲視点)
シーン1:オーディション会場前
ナレーション(美咲):
私の名前は桜井美咲、17歳。今日は人生を変えるかもしれない日。無名の新人事務所「スターライト・プロダクション」の所属オーディション。正直、友達には「大丈夫なの?」って心配されたけど…何か、ここに呼ばれてる気がしたんだ。
美咲:(深呼吸)よし…!頑張ろう、私!
(ドアを開けると、豪華な内装の部屋。驚く美咲)
美咲:え…新しい事務所なのに、こんなに…
神谷社長:(にこやかに)ようこそ、桜井美咲さん。君が今日の最後の受験者だね。
美咲:は、はい!よろしくお願いします!
白石プロデューサー:(優しく)緊張しなくていいよ。まずは自己紹介と、なぜ声優になりたいのか聞かせてくれるかな。
美咲:はい!私は桜井美咲です。声優になりたい理由は…小学生の時、アニメ『魔法少女ラピスラズリ』を見て、主人公・瑠璃の声を演じていた天海凛花さんに憧れて。あの声で、どれだけ勇気をもらったか…私も誰かにそんな声を届けたいんです!
黒木マネージャー:(メモを取りながら)素直でいいわね。では、課題のセリフをお願い。
美咲:(台本を見て)「待って…行かないで。私、まだ何も言えてない。本当は…ずっと、ずっとあなたのこと…」
(読み終えると、三人が顔を見合わせる)
神谷社長:…合格だ。
美咲:え…?
神谷社長:君には原石の輝きがある。ただし、今のままでは通用しない。ここで徹底的に磨かせてもらう。覚悟はあるかな?
美咲:(目を輝かせて)はい…!よろしくお願いします!
シーン2:初日の事務所
(翌日、事務所に入ると、すでに4人の女の子がいる)
黒木マネージャー:おはよう、美咲ちゃん。彼女たちも昨日までに合格した新人よ。自己紹介して。
蒼:(クールに)月城蒼。高校1年。よろしく。
ひまり:(ぴょんぴょん飛び跳ねて)星野ひまりでーす!一緒に頑張ろうね!
凛:雨宮凛。高3。…まあ、よろしくね。
千歳:(小さな声で)は、花園千歳です…よろしく、お願いします…
美咲:(笑顔で)桜井美咲です!みんな、これから一緒に頑張ろうね!
白石プロデューサー:(拍手)いいね、フレッシュで。じゃあ早速だけど、初回のレッスンを始めよう。
ひまり:もう始まるんですか?!
神谷社長:時間は待ってくれない。君たちには半年でプロデビューしてもらう。
全員:半年…?!
黒木マネージャー:(真剣な顔で)甘く見ないで。業界は厳しい。でも、私たちは本気で君たちをトップに育てる。ついてこられる?
美咲:(拳を握って)やります…!
(他の4人も頷く)
シーン3:初レッスン
白石プロデューサー:じゃあ、まずは基礎中の基礎。腹式呼吸と発声から。
(レッスンが始まる。全員が苦戦する中…)
白石プロデューサー:美咲、声は出てるけど浅い。もっと丹田から。
美咲:(必死に)あああああ…!
白石プロデューサー:蒼は理論では理解してるけど、体が追いついてない。頭で考えすぎ。
蒼:(悔しそうに)…もう一度お願いします。
白石プロデューサー:ひまりは…元気すぎて力みすぎ。リラックス、リラックス。
ひまり:え〜、でもこれが私の全力で〜!
白石プロデューサー:凛は…完璧だね。さすが。
凛:(少し照れて)…ありがとうございます。
白石プロデューサー:千歳、声が小さい。マイクに入らないよ。
千歳:(泣きそうに)ご、ごめんなさい…
(3時間後、全員汗だくで床に倒れている)
美咲:(ハァハァ)これ…毎日…?
黒木マネージャー:当然よ。声優は体が資本。明日は筋トレもメニューに加えるわ。
ひまり:筋トレ…?!声優なのに…?!
神谷社長:(ニヤリと笑って)声優は役者だ。体づくりも演技の一部。嫌なら今のうちに辞めてもいいよ?
美咲:(立ち上がって)辞めません…!私、絶対に声優になります!
(他の4人も立ち上がる)
蒼:私も…負けない。
ひまり:ひまりも頑張る〜!
凛:…当然よ。
千歳:わ、私も…!
神谷社長:(満足そうに)…いい目をしてる。君たちなら、いける。
第2話「それぞれの壁」(蒼視点)
シーン1:蒼の自宅・深夜
ナレーション(蒼):
月城蒼、16歳。私は計画的に物事を進めるのが好きだ。声優になるための参考書も20冊読んだ。発声理論も完璧に理解している。なのに…なぜうまくいかない?
(机の上には声優関連の本が積まれている。蒼はノートに何かを書き込んでいる)
蒼:(独り言)腹式呼吸の理論は理解している。横隔膜を下げて、肺の容量を増やす。なのに白石さんには「頭で考えすぎ」と言われた…理論が正しいのに、なぜ?
シーン2:事務所・個人レッスン
白石プロデューサー:蒼、ちょっといいかな。
蒼:はい。
白石プロデューサー:君は本当に勉強家だね。知識量は他の子の倍以上ある。
蒼:…でも、実践では活かせていません。
白石プロデューサー:(優しく)知ってる?声優の演技って、理論だけじゃどうにもならない部分があるんだ。
蒼:…どういうことですか?
白石プロデューサー:例えば、「悲しい」という感情。教科書にはどう演じるか書いてあるかもしれない。でも、君自身の「悲しい」は?君が本当に悲しかった時のこと、覚えてる?
蒼:(少し考えて)…小学生の時、飼っていた猫が死んだ時です。
白石プロデューサー:その時、どうだった?
蒼:声が…出ませんでした。ただ涙が溢れて…呼吸が苦しくて。
白石プロデューサー:それが君の「悲しい」だ。理論じゃない、君だけの感情。それを演技に乗せるんだよ。
蒼:(ハッとして)…そういうことですか。
白石プロデューサー:理論は大事。でもそれは土台。その上に君自身の感情や経験を積み重ねていくんだ。
シーン3:グループレッスン
黒木マネージャー:今日は感情解放のワークショップよ。自分の殻を破ること。
美咲:感情解放…?
黒木マネージャー:そう。まずは「怒り」を表現して。思いっきり怒鳴って。
ひまり:(すぐに)もう〜!何やってるのよ〜!!
凛:(低い声で)…ふざけるな。
千歳:(小さく)お、怒ってます…
美咲:(大声で)いい加減にしてよ〜!!
(全員が蒼を見る)
黒木マネージャー:蒼は?
蒼:(躊躇して)…怒っています。
黒木マネージャー:それじゃダメ。感情を「説明」してるだけ。心から怒って。
蒼:(困惑)…心から、ですか。
美咲:(励ますように)蒼ちゃん、何か本当に腹が立ったこととか思い出してみたら?
蒼:(少し考えて)…中学の時、グループ研究で私だけ頑張ったのに、手柄を他の人に取られたこと、あります。
ひまり:それムカつくね!その時の気持ち、ぶつけてみなよ!
蒼:(目を閉じて、その時のことを思い出す。そして…)ふざけないで…!私が、私だけが必死にやったのに…!なんであなたたちが評価されるの…!おかしいじゃない…!!
(部屋に静寂が訪れる)
白石プロデューサー:(拍手)今のだよ、蒼。それが君の感情だ。
蒼:(驚いて)今の…私…?
神谷社長:(ニコリと)殻が一枚剥がれたね。いい顔になった。
シーン4:帰り道
美咲:蒼ちゃん、今日すごかったよ!
蒼:…ありがとう。でも、まだ自分でもよく分からない。
凛:分からなくていいんじゃない?感じることが大事なんでしょ。
ひまり:そうそう!蒼ちゃん、もっと感情的になっていいんだよ〜!
蒼:(小さく笑って)…努力してみる。
千歳:(小声で)蒼さん…かっこよかったです。
蒼:(照れて)…千歳も、もっと声出せるようになるといいね。
千歳:は、はい…!
ナレーション(蒍):
理論だけじゃない。感情も大事。私にとって大きな一歩だった。この仲間たちとなら…もっと成長できる気がする。
第3話「天才の孤独」(ひまり視点)
シーン1:ひまりの部屋
ナレーション(ひまり):
星野ひまり、17歳!明るくて元気が取り柄!…って周りには思われてるけど、実はね、私にも悩みがあるんだ。「天才」って言われるのが、ちょっと辛い。
(部屋には子役時代の写真やトロフィーがある)
ひまりの母:(部屋の外から)ひまり〜、夕飯よ〜!
ひまり:は〜い!
シーン2:事務所・演技レッスン
白石プロデューサー:今日はアフレコの練習。台本は『魔法少女マジカル☆ドリーム』の第1話。ひまり、主人公のミラ役をやってみて。
ひまり:はーい!(台本を見て、すぐに)「みんな〜!諦めないで!希望があれば、奇跡は起きるんだから!私、信じてる!みんなの力を!」
(完璧な演技。全員が驚く)
美咲:す、すごい…一発で完璧…!
蒼:(羨望の眼差し)感情の起伏、タイミング、全て完璧…
白石プロデューサー:…ひまり、ちょっと来て。
シーン3:個室
白石プロデューサー:ひまり、君は子役出身だね。
ひまり:はい!5歳から10歳まで、子供向けの番組に出てました!
白石プロデューサー:だから演技の基礎が既に体に染み付いてる。それは素晴らしい才能だ。
ひまり:(笑顔で)えへへ、ありがとうございます!
白石プロデューサー:でもね…君は自分の演技に満足してる?
ひまり:(笑顔が消えて)…え?
白石プロデューサー:さっきの演技、確かに完璧だった。でも、「ひまりの演技」じゃなかった。「こういう役はこう演じる」っていう、教科書通りの演技。
ひまり:(少し動揺)そ、そんな…
白石プロデューサー:君は「上手に演じること」に囚われてる。本当は、どう演じたかった?
ひまり:(俯いて)…わかりません。ずっと、「こう演じなさい」って言われ続けて…自分がどう感じるかなんて、考えたことなかったです。
白石プロデューサー:(優しく)なら、今から見つけよう。「星野ひまり」の演技を。
シーン4:休憩室
(ひまりが一人で座っている。美咲が入ってくる)
美咲:ひまりちゃん、どうしたの?元気ないね。
ひまり:(無理に笑って)大丈夫大丈夫〜!ちょっと疲れただけ〜!
美咲:…無理しないでいいんだよ。
ひまり:(笑顔が崩れて)…美咲ちゃん、私ね、ずっと「天才」って言われてきたの。でもそれって、言われた通りに演じられるから。自分がどうしたいかなんて…わからないんだ。
美咲:ひまりちゃん…
ひまり:みんなは必死に頑張ってる。蒼ちゃんも、凛ちゃんも、千歳ちゃんも。でも私は…何も考えずにできちゃう。それって、本当に「演技」なのかな…?
美咲:(手を握って)ひまりちゃんの演技、私はすごいと思うよ。でも、確かにもっとひまりちゃんらしさがあったら…もっと素敵かも。
ひまり:ひまりらしさ…
(凛、蒼、千歳も入ってくる)
凛:聞こえちゃった。ひまり、悩んでたんだ。
蒼:私は君の演技、尊敬してる。でも…もっと君自身が見たい。
千歳:ひまりさんの…本当の気持ち…聞きたいです。
ひまり:(目に涙を浮かべて)みんな…ありがとう。私、頑張る。「私の演技」、見つけてみせる!
シーン5:再チャレンジ
白石プロデューサー:もう一度、さっきのセリフ。でも今度は、台本を見ないで。自分の言葉で言ってみて。
ひまり:(深呼吸して、目を閉じる。そして…)みんな…諦めちゃダメだよ。だって、私たち、ここまで一緒に頑張ってきたじゃん。辛いことも、悲しいことも、全部乗り越えてきた。だから…もうちょっとだけ、信じて。私、みんなのこと、信じてるから。
(沈黙の後、神谷社長が拍手する)
神谷社長:今のが「星野ひまり」の演技だ。素晴らしい。
ひまり:(涙を流して)ほんとですか…!
黒木マネージャー:これからよ。その「自分らしさ」を磨いていくの。
ひまり:はい…!
ナレーション(ひまり):
初めて、自分の演技ができた気がした。これが、私のスタートライン。みんなと一緒に、もっともっと成長したい!
第4話「声にならない声」(千歳視点)
シーン1:千歳の通学路
ナレーション(千歳):
花園千歳、16歳。私は…人と話すのが苦手です。いつも声が小さくて、何度も聞き返される。「もっと大きな声で」って言われるたびに、縮こまっちゃう。なのに、なんで声優なんて目指してるんだろう…
(学校の廊下。クラスメイトたちが楽しそうに話している。千歳は一人、端っこを歩いている)
クラスメイトA:千歳ちゃん、おはよ〜!
千歳:(小さく)お、おはよう…
クラスメイトA:え?聞こえなかった〜!
千歳:(さらに小さく)ご、ごめんなさい…
シーン2:事務所・発声練習
黒木マネージャー:千歳、もっと声を張って!マイクに声が入ってないわ!
千歳:(必死に)あああ…あああ…!
黒木マネージャー:全然ダメ。声帯に力が入ってない。
千歳:(泣きそうに)ご、ごめんなさい…
神谷社長:黒木、少し休憩を。
(千歳が部屋を出ていく)
美咲:(心配そうに)千歳ちゃん、大丈夫かな…
蒼:彼女なりに頑張ってるとは思うけど…声優として必要な「声」が出せないのは致命的ね。
ひまり:蒼ちゃん、そんな言い方…!
凛:でも、事実よ。あのままじゃプロにはなれない。
シーン3:屋上
(千歳が一人で座っている。白石プロデューサーが来る)
白石プロデューサー:千歳、少しいいかな。
千歳:(ビクッとして)は、はい…
白石プロデューサー:君はなぜ声優になりたいの?
千歳:…それは…
白石プロデューサー:無理に話さなくてもいい。でも、君自身が理由を見つけないと、先には進めない。
千歳:(小さな声で)…私、ずっと自分の声が嫌いでした。小さくて、自信がなくて。でも…
白石プロデューサー:でも?
千歳:中学の時、演劇部の友達が「千歳の声、すごく優しくて好き」って言ってくれて。その時初めて、自分の声を好きになれそうな気がして…
白石プロデューサー:それが理由か。
千歳:でも、私の声じゃ…誰にも届かない…
白石プロデューサー:千歳。君は「大きな声」を出そうとしすぎてる。声優に必要なのは「届く声」。大きさじゃない。
千歳:届く…声…?
白石プロデューサー:そう。どんなに小さくても、相手の心に届く声。それが本当の「演技」だ。
シーン4:特訓
白石プロデューサー:今日は特別メニュー。千歳だけの個人レッスンだ。
千歳:わ、私だけ…?
白石プロデューサー:まず、マイクを使わずにささやき声で演技をしてみよう。
千歳:ささやき声…ですか?
白石プロデューサー:そう。台本は…恋愛もののワンシーン。「好きだよ」って言ってみて。
千歳:(恥ずかしそうに、でも小さな声で)…す、好き、だよ…
白石プロデューサー:もっと感情を込めて。本当に好きな人に言うつもりで。
千歳:(目を閉じて、想像する。そして…)…好き、だよ。ずっと、ずっと…あなたのこと、見てた…
白石プロデューサー:(拍手)いいね!今の声、小さいけど心に響いたよ。
千歳:(驚いて)ほ、本当ですか…!
白石プロデューサー:君の武器は「繊細さ」だ。大きな声で叫ぶキャラじゃなく、静かに心に寄り添うキャラ。それが千歳の強みになる。
シーン5:グループレッスン・再び
黒木マネージャー:今日は「囁き芝居」の練習よ。千歳、お手本を見せて。
千歳:(驚いて)わ、私が…?
黒木マネージャー:白石から聞いたわ。あなたの新しい武器を。
(他の4人が見守る中、千歳が台本を読む)
千歳:「ねえ…起きて。もう朝だよ。…って、こんなに近くで見るの、恥ずかしいな。でも…好きだから、いいよね」
(部屋に静寂が訪れる)
ひまり:(キラキラした目で)千歳ちゃん…すごい…!
美咲:なんか…胸がキュンってした…!
蒼:繊細で、でも確かに心に届く演技…素晴らしい。
凛:…私には出せない声ね。認めるわ。
神谷社長:(満足そうに)千歳、君は君の道を見つけたね。
千歳:(涙を浮かべて)…はい。ありがとうございます…!
ナレーション(千歳):
私の声は小さい。でもそれでいい。大切なのは、誰かの心に届くこと。その声を、私は見つけた。
第5話「大人の階段」(凛視点)
シーン1:凛の自宅
ナレーション(凛):
雨宮凛、18歳。高校3年生。周りはみんな進路に悩んでる。大学、専門学校、就職…でも私は声優一本。親には反対されてる。「そんな不安定な仕事」って。でも、諦められない。
(リビングで母親と向き合っている)
凛の母親:凛、本当に大学に行かないの?
凛:…行かない。声優になる。
凛の母親:声優なんて、ほんの一握りしか成功しないのよ?あなたの人生、どうするつもり?
凛:(冷静に)それは私が決めること。
凛の母親:…もういいわ。勝手にしなさい。でも、失敗しても泣きつかないでね。
凛:(部屋に戻りながら)…泣きつくつもりはない。
シーン2:事務所・大人の役
白石プロデューサー:凛、今日は特別な課題がある。大人の女性の役をやってもらう。
凛:大人の女性…?
神谷社長:君の低音ボイスは武器だ。でも、18歳の君が演じる「大人」には限界がある。本物の「大人の女性」を理解する必要がある。
凛:…どういう意味ですか?
黒木マネージャー:実践訓練よ。今日から1週間、実際の仕事現場に同行してもらう。
凛:え…?
黒木マネージャー:私のマネージャー業務を手伝いながら、プロの声優の現場を見学する。大人の世界を知りなさい。
シーン3:収録現場
(都内の有名スタジオ。凛は黒木と共に入る)
黒木マネージャー:(小声で)ここは業界トップクラスの現場よ。ちゃんと学びなさい。
(スタジオには大御所声優・天海凛花がいる)
凛:(驚いて)あの人…天海凛花さん…!
天海凛花:(優雅に)あら、新人さん?可愛いわね。
黒木マネージャー:スターライト・プロダクションの雨宮凛です。今日は勉強のため、見学させていただきます。
天海凛花:ふふ、頑張ってね。声優は甘くないわよ。
(収録が始まる。天海の演技は圧倒的。一瞬で場の空気を変える)
凛:(心の中で)すごい…これが、プロ…
シーン4:収録後
天海凛花:(凛に)ねえ、あなた。声優志望なの?
凛:は、はい…!
天海凛花:なぜ声優に?
凛:…かっこいい女性を演じたいからです。強くて、美しくて、誰にも負けない女性。
天海凛花:(クスッと笑って)それ、私に憧れてるって聞こえるわね。
凛:(顔を赤らめて)そ、それは…!
天海凛花:嬉しいわ。でもね、「大人の女性」って、強いだけじゃないの。弱さも、悲しみも、全部抱えて生きてる。それを理解できて初めて、演じられる。
凛:弱さ…ですか…
天海凛花:あなた、まだ18歳。人生経験が少ない。でも、それでいい。今は「感じること」を大切にしなさい。喜びも、悲しみも、全部。
凛:…はい。
シーン5:事務所に戻って
美咲:凛ちゃん、どうだった?!天海凛花さんに会えたんでしょ?!
凛:(少し照れて)…ええ。すごかったわ。
ひまり:何か教えてもらった〜?
凛:「感じることを大切に」って。
蒼:…深い言葉ね。
千歳:凛さん…何か変わりましたね。
凛:(微笑んで)…そうかもね。少し、肩の力が抜けた気がする。
神谷社長:(現れて)凛、いい顔になったね。収穫があったようだ。
凛:はい。私、まだまだ未熟です。でも…それでいいんだって、初めて思えました。
白石プロデューサー:その謙虚さが、君を成長させる。
黒木マネージャー:さて、次の課題に行くわよ。みんな、集合!
ナレーション(凛):
大人になることを急ぎすぎていた。でも、18歳の私にしかできない演技がある。それを見つけながら、本当の「大人」に近づいていこう。
第6話「初めてのオーディション」(美咲視点)
シーン1:事務所・重大発表
神谷社長:みんな、集まって。
(5人が緊張した面持ちで並ぶ)
神谷社長:君たちの初仕事が決まった。
全員:え…?!
黒木マネージャー:来週、アニメ『青春ストライカー』のオーディションがある。新キャラクター5人のキャスティング。
白石プロデューサー:そして、このオーディションは…スターライト・プロダクションの5人全員で受けてもらう。
美咲:全員…?!
神谷社長:そう。これは君たちのデビュー戦だ。
ひまり:で、でも…私たちまだ3ヶ月しか…!
凛:早すぎるんじゃ…
神谷社長:(真剣な顔で)声優の世界に「早すぎる」はない。チャンスが来たら掴む。それだけだ。
蒼:…やります。
千歳:わ、私も…!
美咲:(拳を握って)私たち、やります!
神谷社長:(ニヤリと)いい返事だ。期待してるよ。
シーン2:猛特訓
(深夜まで続く特訓。5人はボロボロ)
白石プロデューサー:『青春ストライカー』は女子サッカーアニメ。求められるのは「熱さ」と「チームワーク」。
美咲:(台本を読みながら)「諦めるな!まだ試合は終わってない!」
白石プロデューサー:もっと熱く!君の全てをぶつけて!
美咲:(叫ぶように)諦めるな!!まだ試合は終わってない!!
蒼:(冷静に台本を分析)このキャラクターの心理状態は…
黒木マネージャー:分析は後!まず演じて!
ひまり:(元気に)「みんな〜!私についてきて〜!」
白石プロデューサー:いいね、ひまり!そのテンションをキープ!
凛:(低い声で)「私が…チームを守る」
白石プロデューサー:凛、もっと強く!キャプテンの威厳を!
千歳:(小さく)「が、頑張ろう…みんな…」
黒木マネージャー:千歳!もっと仲間を信じて!声に力を!
(全員が必死に練習を続ける)
シーン3:オーディション当日
ナレーション(美咲):
オーディション当日。私たち5人は、初めてプロの世界に足を踏み入れた。待合室には、他の事務所のベテラン声優たちも…
(待合室。他の声優たちが談笑している。美咲たちは緊張で固まっている)
ベテラン声優A:(美咲たちを見て)あら、新人さんたち?どこの事務所?
美咲:(緊張して)ス、スターライト・プロダクションです…!
ベテラン声優B:スターライト…?聞いたことないわね。
ベテラン声優A:新しいところかしら。頑張ってね。
蒼:(小声で)…緊張する。
ひまり:(震えながら)み、みんなすごそう…
凛:(深呼吸)…落ち着いて。私たちは私たちの演技をするだけ。
千歳:(小さく)が、頑張りましょう…
美咲:(みんなの手を取って)そうだよ!私たち、一緒に頑張ろう!
シーン4:オーディション本番
審査員A:次、桜井美咲さん。
美咲:(立ち上がって)は、はい!
(ブースに入る。マイクの前に立つと、足が震える)
美咲:(心の中で)落ち着いて…私ならできる…!
審査員B:では、台詞をどうぞ。
美咲:(深呼吸して)「諦めるな!まだ試合は終わってない!私たちにはまだ仲間がいる!信じて、最後まで戦い抜こう!」
(審査員たちが顔を見合わせる)
審査員A:…ありがとうございます。次の方。
(美咲が出ると、蒼が入る)
蒼:月城蒼です。よろしくお願いします。
審査員B:台詞をどうぞ。
蒼:「戦術を変える。相手の弱点は左サイド。そこを突けば、必ず勝てる」
(冷静で知的な演技。審査員が頷く)
審査員A:いいですね。ありがとうございます。
(次々と、ひまり、凛、千歳がオーディションを受ける)
シーン5:結果発表
(1週間後、事務所に5人が集まっている)
黒木マネージャー:…結果が出たわ。
全員:(固唾を呑む)…
黒木マネージャー:…5人全員、合格よ。
全員:え…?!
神谷社長:(ニコリと)おめでとう。君たちのデビューが決まった。
美咲:(涙を流して)本当…ですか…!
ひまり:やった〜!!
蒼:(信じられない様子で)私たち…プロに…!
凛:…やったわね。
千歳:(泣きながら)うれしい…です…!
白石プロデューサー:これからが本番だ。期待してるよ。
ナレーション(美咲):
私たちの夢が、現実になった。でも、これはスタート。本当の戦いは、これからだ。
読んで頂きありがとうございます。




