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窓際のいつもの席。

優奈はいつものアールグレイ。

凪はいつものレモンティー。


優奈は一口飲んで外を見た。

「私たち、変わっちゃったね。中学の頃はさ、可愛い制服着て、華の高校生活を満喫しよう、って話してたのに。里奈と美咲は部活。私は結局勉強をとった」

優奈は天を仰ぐ。

「こんなはずじゃなかったのにな、って。ふとね、寂しくなっちゃう」


「私は、変わってないと思うよ」


凪の胸には、あのネックレスがあった。


優奈はニヤリとした。

「悠真君の誕生日プレゼントでしよ。ずいぶん気に入ってるみたいね、学校にネックレス持って来るなんて」


凪はネックレスに手を当てる。

温まっていた。


優奈はまた一口飲んだ。

「正直、あなたと悠真君が羨ましい。離れていても、環境が変わっても、関係は変わらない」

「塾にいい人いないの?」

「勉強でそれどころじゃない。それに」

優奈はカップを置いた。


凪に悲しみ混じりの微笑みを向けた。


「ねえ、凪。小学校の頃、私が悠真君好きだったこと、知ってるよね」


凪は静かにうなずく。

「嫌じゃなかったの? 大切な幼なじみの周りをウロウロしてて、あなたから悠真君を遠ざけようとした私が」

凪の笑みは静かだった。

「悠がカッコいいのは、私だって分かってる。勉強は国立難関大学レベル、野球は強豪校レベル。ルックスは、優奈に話したっけ?」

優奈は小首をかしげる。

「悠の両親と東京に遊びに行った時、悠、スカウトされたの」


優奈は驚き、カシャンとソーサーを置いた。


「で、どうしたの?」

「自分で断ってたよ。俺、げいのーじん、興味ないから、って」

凪はレモンティーを飲んだ。

「ヒエラルキーのトップってやつだよね、悠は。だからみんなが悠を好きになるのは、自然現象だと思ってる」

優奈は吹き出しそうになるのを堪えた。

「もう、凪ったら。悠真君が聞いたら怒るわよ。…だから、あなたは私を嫌いにならなかったのね」

「うん、嫌いになる理由は、私にはないからね」

「そんな凪だから、いつの日か。友達になれたんだね。それに」

「それに?」

「なんでもない」


優奈はアールグレイを飲み干した。


「そろそろ行こう。今日は付き合ってくれてありがとう」

「気になるな…」


凪たちはお会計を済ませて店外へ出た。


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