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挿絵(By みてみん)


飛来音と、爆弾の地響き。


人々の悲鳴と、断末魔。


⸻またあの夢。どうしていつもここから始まるのだろう⸻


言い争う兄たちを、腰を抜かしてただ見ている。


⸻兄さん! 逃げて⸻


体が動かない。

視線も動かせない。


熱風と煤塵を吸い込み、胸が痛いくらい咳き込む。


⸻これがもし、彼の記憶なのだとしたら⸻


お願い。

私は、あなたに会いたい。



白い光に目がくらんだが、すぐに暗闇になった。


凪はゆっくり目を開ける。


白銀の満月と、水面に満月を映す泉。


「凪」悠真と同じ、でも柔らかく優しい声。

凪は駆け寄った。しかし青年の直前で止まる。

「彼の決断って、悠のことでしょ? どうして悠の決断を待っているの?」

青年はいつもの困った笑みを浮かべた。

「君のためなんだ」

「わたしの?」

青年は静かにうなずく。

「もし、悠が決断をしなかったら、どうなるの?」

「俺は、そうならないことを願っている。心から」

凪はそっぽを向く。

「あなたの話はいつもよく分からない」

「⸻さすがだよ」

「え?」

「よくあの記憶の世界から、ここに来ることができたね」

「それは⸻」


⸻あなたに会いたいと、思ったから⸻


青年はなぜか照れて、うつむいた。

「やっぱり、あれはあなたの記憶なのね。でもどうして、いつもあの場面なの?」

青年は真っ直ぐ凪を見つめた。

「それは、俺の口からは言えない。今は」

凪は半歩前に出た。

「じゃあ、いつか話してくれるの? あなたのことも、私とのことも、兄さんのことも」

青年はゆっくり腰を下ろした。

「俺は迷っている」

「なぜ? どうして教えてくれないの?」


⸻私は、あなたのことが知りたいのに⸻


「悠の決断と関係があるのね」

青年はうなずいた。

「もう、時間がない」

凪も腰を下ろす。

「また、ここに来てもいい?」

「もちろん。君を待っているよ」


夜の世界と青年が白く霞んでいく。


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