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休日のイオンは人が多い。

友人。

恋人。

家族。


高校生になってから来ていなかった凪は、あちこち見ながら、悠真の先を行く。


もう夏物が売り出されている。


凪はスカイブルーのワンピースを当てて見るが、ハンガーラックに戻す。

ちらりと値札を確認する。


悠真がひょいと顔をのぞかせた。

「高かったのか?」

「そうでもないんだげど」

凪はブルーのスカートを当てて見た。

「星野さんなら、似合うのかなって思っちゃって」

悠真は視線をそらした。

「…咲良ちゃん、って呼んだっていいと思うぞ。あいつそんな細かいこと気にしない」

凪は少し頬を染めた。

「じゃあ、次会ったら呼んでみようかな」


凪は店を出て、また別の店を見る。


足が止まった。


ウエディングドレスを着たマネキンが置かれていた。


「…綺麗」

凪はしばらく見つめて、悠真に言った。

「行こう」


二人はフードコートにやってきた。

和食、洋食、中華、ファストフード、なんでもある。

凪はラーメン。

悠真はサイコロステーキにした。


凪は美味しそうにラーメンをすする。

「んー、美味しい! ねえ、咲良ちゃんはどんな性格なの?」

悠真は凪を見て、視線を落とした。

「今と変わらない。ただ、⸻負けず嫌いではあったな」

「ふーん」

凪はラーメンに息を吹きかける。

悠真はサイコロステーキを頬張った。

「そういえば、美咲と里奈はどうしたんだ?」

「二人とも部活に入ったよ。美咲はテニス部。里奈はバスケ部」

「優奈とも最近一緒に帰ってないだろう」

「ああ、優奈は塾に通い始めたの」


悠真が凪を見つめた。

凪の箸も自然と止まった。


「お前、…寂しくないのか?」


凪は箸を持った。

「なんで? みんなやりたいことをやっているだけだよ? 友達の縁が切れたわけじゃないんだから」

「…そうか」


悠真はゆっくり、肉にフォークを刺していく。



凪は結局何も買わなかった。


イオンから駅に向かうバスの車内は混雑している。


「なあ」悠真が言った。

「そのヘアアクセサリー。俺が誕生日にあげたやつだろう」

凪は鼻を鳴らした。

ターコイズが付いたヘアアクセサリーだ。

「やっと気が付きましたか」

「似合っているよ」

「へ?」

悠真は車窓に視線を移す。

「俺はそう思って選んでいる。それに」

悠真は頬杖をついて優しく笑む。

「お前、空見るのが好きなんだろう?」

「うん」

凪は微笑んだ。


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