名シーン
「ルナ.......」
彼女は地面に片膝をつき、頭を下げている
「申し訳.....ございません....あなた様にこのようなことを押し付けたくはなかった.....」
その声から伝わる懺悔の気持ち、
彼女を責めるつもりはない
むしろ.....
「ありがとう、私がこのまま事実を知らないまま、あとで後悔するよりマシだよ」
ルナは、こちらに顔を向けたあと
その綺麗で整っている顔がクシャッとなり、今にも泣きそうで、辛く、苦しいという顔をしていた
「そんな顔をしないでよ、ねっ?私は大丈夫、私を幸せにしてくれたみんなを救うために、この地球を救って終わるのは、きっと私にとっても嬉しいと感じると思う」
「ちょ、ちょっと待てよ。どういうことだよ?」
話についていけないというようなにゲミニが問いかけてくる
他のみんなも
「んー?何言ってんだー?」
「......どういうこと.......?」
と、私とルナに問いかけてくる
「あー.....えーっとね、最近ハマってる小説でこんなシーンがあってね....!それを再現してみんなを驚かせよと思ってたの!ねっ?ルナ!」
みんなにこの事実を知られるわけにはいかない
きっと、ルナみたいに悲しい顔をさせてしまう....
「....えぇ...この前おすすめした小説にハマってくれたの、せっかくだからこの名シーンを再現して、驚かせようと思ったの、ごめんね....」
ルナは私の気持ちを察してくれたのだろう、すぐに私の話に合わせてくれた
「そっかぁ」
「なーんだ!なんかいきなり変なことするからびっくりしたよー?」
「ごめんごめん!いやー名シーンってついつい実際にやりたくなっちゃうのよねー」
「ふふ、なにそれ〜?」
みんなと私が楽しく話している間
教室から出たルナが、1人で泣いていたことは誰にも気づかれることはなかった