転校生
いつも通り、リブラと一緒に登校し、学校に着くと黒板に紙が貼られていた。
なんだろう、と思って見てみると、
2161年4月20日(月)
転校生のお知らせ
と書かれていた。
「転校生.....?」
「転校生か!どんな奴が来んだろうな〜」
そう言いながら、ひょこっとゲミニが顔を覗かせる。
その後もリブラ、アクア、ゲミニ、スコルと共にホームルームが始まるまでの間、転校生の話をしていた。
「席につけ」
担任の先生が来た。その後ろには転校生と思われる女の子がいた。
「今日からこのクラスメンバーになる、ルナさんだ。ルナさん、自己紹介してもらっても?」
「はい。ルナです。前まで少し遠い場所で過ごしていました。これからよろしくお願いします。」
あっさりとした自己紹介が終わり、スッと下げた頭と一緒に流れた紺色の髪はとてもサラサラとしていて綺麗だった。
「ルナさんは、あそこの空いている席に座ってください。」
先生が指した席は私の斜め後ろの席だった。
コツコツ、と歩いてくるその姿は不思議なことに幻想的で、とても人のようには見えない雰囲気を纏っていた。
私の前を通る瞬間、その水色の瞳で私を見た、ような気がした。
ルナさんが席に座ったあと、すぐに今日の予定を聞き、ホームルームが終わったあと、すぐにルナさんは引っ張りだこになっていた。
「お前のことなんて呼べばいい〜?」
「ルナって呼ばせてもらうな!」
「ルナさんこれからよろしくね!」
「......よろしく.....」
私の友達ってこんなにフレンドリーだったんだ......
初対面の人間に普通「お前」なんて言わないでしょう.......
てか呼び捨て早いって!
心の中でツッコんでいると、ルナさんはこちらをじーっと見ながら
「.......なんだね」
「えっ....?」
「なんでもない。これからよろしくね」
この時からなのだろうか
この世界の歯車が、ゆっくりと動き始めたのは.....