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中華民国国軍(台湾軍)金門防衛部隊の司令官

次に記録するのは、2027年3月17日、台海戦争の初動において最前線となった金門島にて、“撃たれずに指揮系統を壊された”中華民国国軍(台湾軍)金門防衛部隊の司令官――当時の金門防衛指揮部・指揮官 少将・羅 天勝ら・てんしょう氏(当時54歳)の証言である。羅少将は、戦前から“金門は攻められても奪われない”と繰り返し訓練してきた指揮官であり、ミサイル・砲撃・空襲といった“可視的な脅威”への備えには自信があった。


だが実際に起きたのは、“撃たれないまま通信とセンサーと判断能力が消されていく”戦闘だった。この証言は、“攻撃されずに崩壊した防衛線”という、21世紀戦争の現実を軍事指揮官の視点から記録する貴重な回顧録である。



PTFインタビュアー

「羅少将、2027年3月17日午前3時。金門島は中国人民解放軍の特殊部隊によって直接侵入されました。

しかし同時に“占領も砲撃もなかった”。その中で、指揮官として最初に異常を感じたのはいつ、どこでしたか?」


羅 天勝(元・金門防衛指揮部 指揮官):

「最初に“これは通常の戦闘ではない”と感じたのは、午前3時08分です。我々の防衛系統は、3層の通信系統(衛星・高周波・島内光回線)で連動していました。その全てが、“順に無言になる”という形で落ちていった。最初は光ファイバ系統が沈黙。5秒後、短波が“送信可能・受信不能”状態へ。その約10秒後、軍用Ka帯衛星が“接続中”と表示されたまま無反応になった。だが爆発音はない。侵入アラームも鳴らない。島は“音があるのに、報告がない”という異常状態に入った。」



PTF:

「つまり、“撃たれなかったが、指揮ができなくなった”。その後、どのような判断を下されたのでしょうか?」


羅 天勝:

「私は即座に“自己判断権限の発動”を宣言しました。だがそれは、すでに手遅れだった。なぜなら、“敵の姿がどこにも映っていなかった”からです。レーダーは正常、熱源センサーもエラーなし、だが、“副司令のバンが来ない”→ 司令部から南西600m地点の連絡車両が、出発から20分間、到着しなかった。→ その間、誰も通信が取れなかった我々は“何も見えない相手に、指揮系統の実在そのものを消された”のです。」


PTF:

「結果として、中国軍特殊部隊は交戦せず、1時間半で撤収しました。司令官として、あの“不可視の占領”をどう捉えていましたか?」


羅 天勝:

「正直に言えば、“敗北”ではない。だが、“主導権を1時間奪われた事実”が、全てを象徴していました。私は、島を守る準備はしていた。でも、“島の中で意思決定が成立しない”という形での攻撃には無力だった。あれは、“撃たれないことによって崩される防衛”だった。我々は最後まで“自分たちはまだ指揮している”と思い込んでいた。だがその実、命令は誰にも届いていなかった。指揮とは、“届いているという錯覚”ではなく、“届く現実”のことだと、あの朝はじめて知った。」



この証言は、2027年台海戦争において“攻撃されずに崩された防衛体制”が実在したこと、そしてそれが“最前線の司令官の視界からも消えていた”という衝撃的現実を明らかにするものだ。羅天勝のような指揮官は、戦術的には敗れておらず、戦略的にも島を守った。だが、“誰にも命令が届かない1時間”を体験したことで、21世紀の戦争が“交戦せずに主導権を奪うこと”に進化したことを世界は知った。


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