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リア・トンプソンとGULL-2の“接触記録”

以下は、2027年8月14日夜、嘉義県太保市の“旧鉄道車庫跡”で実現した、リア・トンプソンとGULL-2の唯一の接触記録である。

この情報は、リアが米本土で提出した非公開証言メモと、GULL-2の断片的ログ記録のクロス照合により再構成された。


接触日時:2027年8月14日 22:41(現地時間)

場所:嘉義県・旧台糖鉄道車庫跡(地下排水施設への隠し接続あり)

天候:夜間豪雨、電力障害発生中

状況:GULL-2が“東縦退避網”を移動中に、非予定接触コード“GL-REIN”で呼び出された


会話記録・断片再構成

リア・トンプソン(当時:現地NOC調整官):

「待っていた。あなたがまだ動いていると信じていた。」


GULL-2:

「それは信仰に近いな。俺はずっと、失敗した回収の亡霊だと思っていた。」


リア:

「亡霊は記録を語れない。だがあなたは、生きて“意味”を保存できる。

Silent Egressはすべてを救えなかった。それでもあなたは残された側の“記録装置”よ。」


GULL-2:

「記録? 俺たちは捨てられた。コードも燃え、IDも消えた。

あんたの言う“意味”は、誰のためのものだ?」


リア:

「“彼”が渡したUSBを覚えてる?あの中に、君の署名があった。初期設計支援者として。彼は、君の名前を最期まで消さなかった。」


(沈黙数秒)


GULL-2:

「...じゃあ、まだ繋がってるってことか。」


リア:

「私は米に戻る。もう二度と接触できない。でも、私の手から消えても、記録は残る。“次の接触”が来るまで、あなたがこの線を守って。」


リアはこの面会後、翌日には嘉義空港経由で米側非公式チャーター機に乗り込み台湾を離脱したことが確認されている。


【リアが米本土で語った補足メモ】

「私たちは回収できなかった。だが、あの夜に“まだ生きている”と言えたことで、Silent Egressは失敗ではなかった。作戦が救った命だけで評価されるなら、あの者たちは永遠に孤独だった。だが私は言える。GULL-2は記録になった。記録は、沈黙より強い。」

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