智樹の初恋
最初の令和の正樹と智樹兄弟と年の離れた妹との日々の様子です。
智樹は双子の兄とともに、モテる男子でした。
バレンタインデーにチョコレートを貰うことが多かったです。
中学3年生の頃に初めての恋をしました。
兄が行って勉強している図書館で、その子に出逢いました。
2歳年下のその女の子は可愛くて………何度か図書館で会っているうちに好きになっている自分の気持ちに気付きました。
「兄さん、僕、変なんだ。」
「何が?」
「図書館に行くと、胸が苦しいんだ。」
「不整脈か?」
「兄さん、僕……どうしたらいい?」
「病院へ行けよ。」
「兄さん……僕」
「お前ねぇ、僕の邪魔するなよな。勉強してるんだぞ!」
「あ……ごめん。」
「妹が煩いから、図書館で勉強してるんだ。それを弟まで煩かったら…
妹が煩いってお前も言ってたよな。」
「うん。」
「お前は、サッカー部の練習で逃げられてたよな。」
「うん。」
「2学期になって部活動を辞めたからって、僕の邪魔すんなよ。」
「うん。ごめん、ね。」
「お兄ちゃん!!」
「来た………。」
「ねぇ、正兄ちゃん、智兄ちゃん、遊んでぇ~!」
「兄ちゃんは勉強中だから……ねっ。」
「えぇ―――っ!! もう、いっぱいお勉強したよね。ねっ!」
「まだまだ、これからなんだよ。」
「嫌だぁ―――っ! 遊んでぇ~~~!!」
双子の部屋で寝転んで手足をバタバタさせて……煩い妹です。
年が離れていると遊んで貰う、世話をして貰うのが当たり前になっているようです。
「おい! 智樹、お前が遊んでやれよ。勉強してないんだから!」
「えっ? 僕?」
「茉美、智兄ちゃんが遊んでくれるって、さ。」
「うわぁ~っ! 智兄ちゃん、大好き♡」
「げっ……。」
智樹は、抱き付いた妹を抱っこしたままリビングへ行きました。
「智兄ちゃん、おままごと、ねっ♡」
「うん。分かった。おままごとね。………はぁ~。」
「智兄ちゃん、お父さんね。私、お母さん。で、この子が赤ちゃん。」
可哀想な飼い犬・ワンは赤ちゃん役で、ずっと伏せをさせられます。
「お前も可愛そうな犬だよな。おままごとには参加させられるし…
名前は茉美がつけたから、ワンワンだから、名前ワンワンって……
ワンワンはあまりにも……と父さんが言って、ワンになっちゃった、って
いう……。不憫な犬だぜ………。」




