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慕情  作者: yukko
令和
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春の慶事

春になり、幼馴染の夫婦の元に第二子が来てくれました。

上の子はお兄ちゃんになったことを喜んでいました。

下の女の子をお兄ちゃんが可愛がっています。

幼いなりに……、ベビーベッドの中を覗くためにオムツ入れの籠の上に乗るのです。

蓋があるから乗れていて……、乗ったお兄ちゃんは妹の手を繋ぎます。

もう、その姿を見ているだけで幸せな気持ちが広がっていきました。

お兄ちゃんのお昼寝には、何故だか「赤ちゃんと一緒」をお兄ちゃんが望むので、お兄ちゃんのお昼寝布団の上に赤ちゃんを連れて行きます。

すると、お兄ちゃんは「もう、めっちゃ可愛い♡」と言っているように見える行動をします。

赤ちゃんの手を両手で包み込んでお昼寝するのです。

そのお昼寝を見て、またもや「胸がキュンキュン」しました。

お祝いに来たはずが、癒しの空間に居させて貰えたのです。

「もう~~♡ めっちゃ可愛い~♡」を何度も言って、「スマホで撮ってもいい?」と聞きました。

了解して貰えたので、香澄はいっぱい撮りました。

とても幸せな時間でした。

帰路も幼馴染夫婦が送ってくれて……楽しい時間を過ごせました。


次は、真帆の結婚式でした。

香澄は母親が「振袖を着て欲しい。」と言うので、振袖を着て行きました。

髪も母親の言う通りに、「新日本髪」にしたのです。

今は「新日本髪」で振袖を切る人が居ないので、恥ずかしくて結いたくない!と、思いました。

ただ、母はその姿を見て泣いていました。


「お母さん……どうしたの?」

「嬉しくてね。その簪、お母さんの簪なのよ。」

「そうなんだ……。」


母は自分が成人式の際、それから結納の際に髪に挿した簪を娘に使って貰いたかったのだと思いました。

真帆は着物を着なかったので、少しホッとした香澄でした。

真帆がもし打掛だったら、たぶん髪は日本髪ではありません。

花嫁が日本髪を結っていないのに、香澄が新日本髪で……というのは気が引けました。

なんとなく……香澄の今日の着物姿は「正式な着物姿」のような気がしたからです。


結婚式はチャペルで、披露宴は晴れていたらガーデンパーティと聞いていました。

香澄の振袖に新日本髪の姿は、今は大変珍しくて、「一緒に写真を撮ろう!」と、度々声を掛けられました。


白いウエディングドレス姿の真帆は、とても美しくて……。

ライスシャワーの中をゆっくり歩んでいる真帆を見て香澄は泣いてしまいました。

ブーケトスの時、香澄は受け取らないように少し離れました。

受け取った女性が笑顔です。

「良かった~。」と、香澄は思いました。


披露宴は晴天だったので、ガーデンパーティでした。

真帆はドレスが似合っていて、お色直しのピンクのドレスも素敵でした。

真帆はピンクが好きで……それも淡いピンク!

今日のドレスも淡いピンクで、真帆はとっても愛らしく似合っていました。

サッカー部の同窓会のような状況でした。


披露宴が終わって、二次会に行く人が多かったのですが、香澄は迎えに来てくれた父の運転する車で帰宅しました。


幼馴染の子ども達のこと、そして、真帆の結婚式のことと新郎新婦と撮った写真を添えて、アフリカに居る正樹に送りました。

正樹からは「香澄さん、着物姿とても綺麗です。」というメッセージが届きました。

正樹からのメッセージを読んでいるだけで、心にほんのりと灯り(あかり)がつくようです。

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