買い物
紅葉の山々が美しいであろう秋、大和三山の秋の写真が正樹から送られてきました。
⦅えっ? アフリカに居るのに……?⦆
その疑問を正樹にそのまま伝えました。
「うん。頼んで撮って貰ったんだ。 どう、お気に召しましたか?」
「ありがとうございます。 めっちゃ綺麗です。」
「冬の大和三山も頼んでいるから、届いたら送るね。」
「ありがとうございます。 めっちゃ嬉しいです!」
そして、冬になって、正樹から大和三山の冬の写真が送られてきました。
「あけましておめでとうございます。」のメッセージと共に……。
香澄は正樹から送って貰った3枚の大和三山の写真を大切に保存し、印刷しました。
印刷した大和三山の写真を部屋に飾るために額を買いに行きました。
真帆が付き合ってくれました。
まだ、一人で買い物に行くことは無理なのです。
「ねぇ、香澄、どんなのがいいの?」
「う~ん、山だから……木製の額がいいな。」
「木製ね、どんな色がいい?」
「分かんない……。」
「じゃあ、写真と合わせてみる?」
「うん。」
額を選んでくれた真帆に「結婚のお祝い、何がいい?」と聞くと、「お金!」と即答した真帆を見て、香澄は笑い出してしまいました。
笑い出した香澄を見て真帆が言いました。
「良かった……。良かった……。」
「真帆……。なんで泣くのよ。」
「嬉しくて………、だって、嬉しいんだもん。」
「嫌だわ……。 外だから恥ずかしいよ。」
「うん。……って、香澄も泣いてるじゃん。」
「泣いてないよ~だ。」
涙を浮かべながら、笑い出した二人。
一頻り、笑った後で香澄は真帆を昼食に誘いました。
「勿論、食べる。ねぇ、香澄、何食べようか?」
「ねぇ、あそこのお店は?」
「レトロね。昭和の香りがするわ。」
「あの喫茶店にしようよ。」
「うん。」
店に入ると、外から見るよりも昭和でした。
二人は「ナポリタン」と「アメリカンコーヒー」を注文しました。
店は老夫婦が経営しているようです。
食べながら、いっぱい話して、ふと窓から外を見た真帆は驚きました。
⦅田辺先輩……一緒に居るのは、紗奈先輩じゃないの……。
サッカー部で公認だったカップル……。
紗奈先輩、縒りが戻ったんじゃ…………。
香澄、大丈夫よね。今は田辺先輩のお兄さんが居るから……。⦆
食事を終えた香澄と真帆は、額を購入して帰路に就きました。
田辺先輩と紗奈先輩は二人で歩いていて、すぐに真帆の視界から居なくなりました。




