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慕情  作者: yukko
令和
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闇の中

京都から帰った「田辺先生」は、父と香澄と3人で警察へ行ってくれました。

その際に、石井葵という18歳の女性についても話しました。

名前を出すことに香澄は気持ちが暗くなりました。


⦅手紙を出したと判明した訳じゃないのに……

 これだと犯人扱い……嫌だな……まだ18歳の子なのに……。⦆


手紙はまた届きました。

その手紙には「近づくな!」だけではなく、「田辺の彼女にはなれない!」と書かれていました。

誰か分からない人からの手紙、それも内容が怖いのです。

早く終わって欲しいと思うようになりました。


そんな時に警察から連絡がありました。


「石井葵は入院中ですので、犯行は無理だと分かりました。」

「いつからですか?」

「手紙を受け取るよりも、2週間前です。

 手紙を出すことが出来なかったと思います。」

「入院中でも手紙を出すことは出来ますよね。」

「いいえ、今回の入院は精神科の入院で一人部屋です。

 部屋から出られるまで回復できていないそうです。

 手紙を書くこと自体も困難のようです。」

「どうしてですか?」

「精神疾患の状態によりけりですが、石井葵さんの場合

 知的なことの低下も起きているそうです。」

「では、一体誰が…娘に……。」

「ただ、手紙は無理ですが、もしかしたら駅の階段は

 石井葵さんかもしれません。

 駅の階段近くに設置されている防犯カメラに石井葵さんに似ている女性

 が走り去っている姿を確認しています。

 香澄さんが転倒した直後に……そして、転倒を確認したような素振りも

 確認しました。

 石井葵さんは、その直後に入院しています。

 入院前後のことで、ご家族に話を聞いています。」

「そうですか……。分かりました。

 もう、手紙については調べて貰えないんでしょうか?」

「手紙の内容が脅迫ですので、捜査は続行します。

 何かありましたら、直ぐに連絡ください。」

「ありがとうございました。」


警察の話を聞いた後の父と娘は、重苦しい中、帰路に就きました。

手紙を出した人は闇の中です。

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