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慕情  作者: yukko
令和
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同窓会

高校のサッカー部の同窓会がありました。

香澄は幹事ではなかったのですが、色々注文したりと動いていました。

真帆と二人プラス真帆の彼の3人で実質の幹事でした。


「グラスにビール入ってるね?!」

「お―――っ!」

「じゃあ………おひさと言うことで! かん~ぱ~い!!」

「かんぱぁ~い!」


「もう、変なの……。もう、ちょっと……マシな言い方ってあるよねぇ。」

「いいじゃん、キャプテンらしいわ。」

「そっか…な。………あれでも、いいとこあるのよ。」

「うん。分かってるって!」


「それより……駅の階段から落ちたって聞いたけど、大丈夫なの?」

「大丈夫! 掠り傷程度よ。」

「本当?」

「ほんと、ほんと!」

「包帯が痛々しいんですけど…。」

「大丈夫よ!! また、心配かけてゴメンね。」

「もう、気をつけてね。」

「うん。」


「よう! 元気だったか?」


その声に驚いて、声がする方を見た香澄の目に「田辺先輩」が居ました。

「田辺先輩」だけではなく、香澄たちが1年生だった頃、3年生だった先輩が3人居たのです。


「先輩~!」


先輩たちに抱き付く酔っ払った後輩も居ました。

先輩たちがたまたま入った店に、後輩たちが居たということでした。

「偶然って凄いね。」と、真帆と話していたら、「田辺先輩」が香澄の隣の席に座ったのです。


「香澄ちゃん、真帆ちゃん、久し振り。 元気だった?」

「先輩~。元気でしたよ。私は…!………香澄は怪我しちゃったんですけどね。」

「ほんとだ!! 包帯が痛々しいね。 どうしたの?」

「実は、駅の階段から落ちてしまって………。」

「えっ!?」

「先輩、落ちたんじゃないかも!なんですよ。」

「落ちたんじゃないかも……って、何?」

「押されたかも……なんですって!」

「あ、の……。押されたかもしれないってだけで、押されたのではないです。」

「どういうこと?」

「押されたように思っただけなんです。」

「……思っただけ?」

「はい。もしかしたら、当たっただけかもしれないです。」

「警察は?」

「一応、話は聞いてくれたんです。それだけです。」

「そうだったんだ。香澄ちゃん、気をつけてね。」

「はい! ありがとうございます。」


少し離れた所から、この様子を見ていた人が居たことを知るのは、暫く後のことでした。

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