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慕情  作者: yukko
令和
51/166

コロナ禍

友達が言います。


「ねぇ、それで、どっちが本命?」

「本命って……。」

「双子の兄弟のどっち?」

「止めてよね。」

「やっぱり、先輩かな? 憧れてたもんね。」

「どっちでもないよ。」

「ほんと?」

「ほんと。 もう止めよ、ね。」

「えぇ―――っ。」



あれから担当している子どもが退院しました。

田辺先生の姿を見かけませんでした。


⦅嫌だわ、もう冷やかすから……意識してる、うん? 意識?

 本当に嫌だわぁ~。⦆



⁑―――⁑―――⁑―――⁑―――⁑―――⁑―――⁑―――⁑―――⁑―――⁑



仕事帰りに歩いていて、急に浮かび上がった言葉があります。

それは「コロナ禍」!

でも、何故か……意味が分かりません。

ネットで調べても出てきません。


⦅あれっ? コロナ禍って何だろう?

 なんか、あったよね。なんだったんだろう?

 分かんない…………。⦆


⦅歴史……変わってたよね。

 もしかしたら、コロナ禍っていうの、無くなった?

 変わって無くなったのかな?⦆


「痛い!!」


思わず、痛みに耐えかねて声が出てしまいました。

頭がガンガン痛みます。

香澄は頭を抱えて痛みに耐えました。

あまりに痛いので入院していた病院へ行きました。

診察を受けましたが、異常なしでした。


「何か思い出した言葉があって、その言葉をきっかけに痛むのですね。」

「はい。思う出そうとすると痛みが酷くなります。」


医師は痛み止めの頓服薬を出してくれました。

無理に思い出そうとしない!だけなようでした。



サッカー部で一緒にマネージャーをしていた真帆に会いました。

真帆からLINEでメッセージを貰ったからです。


「本当に元気になって良かったわ。」

「その節は、本当にありがとう!」

「嫌だわぁ~、他人行儀よ。」

「ところで何?」

「うん。一回会いたいね、って、キャプテンが言ったから……。」

「キャプテンって、真帆の彼の方のキャプテン?」

「嫌だ―――っ。キャプテンは一人じゃん。」

「1個上とか…、じゃないよね。」

「どうして、そこで上の学年のキャプテンが出てくるのよ!

 あ! そっかぁ~ 田辺先輩に会いたいから?」

「ち、違うよ。」

「なんか、あやしいな。」

「もう、違うし……。」


香澄は誰かに聞いて欲しくなりました。

記憶のことを………。

「飛鳥」の時代へ行って戻ってきたことを…………。

きっと信じて貰えない!と思いながらも………。

聞いて貰ってスッキリしたいことがあるのです。

コロナ禍のこと…………。

真帆は聞いてくれるでしょうか。

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