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慕情  作者: yukko
令和
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令和

2019年(平成31年)4月30日。

天皇陛下が退位されて、上皇陛下になられました。

そして、皇太子殿下が天皇陛下になられて、元号が「令和」になりました。


香澄が大学入学して2年。

後、2年で卒業です。

香澄の幼馴染二人の結婚式に参列しました。

結婚式と言っても若い二人なので、式はチャペルで、そして、手作り感がある可愛い披露宴でした。

ブーケトスでブーケを受け取ったのは、新郎の従妹のようでした。

ライスシャワーの中を歩く二人を見ていて、涙ぐんでしまったのは感動したからなのでしょう。

香澄は幸せそうな二人を見て思ってしまいました。


あの日、病院で目覚めてから、テレビやネットに繰り返し出てくる恐ろしい戦いの映像を……。

あの「飛鳥」で、壬申の乱を知っているのです。

止められなかったことを後悔し、亡くなった大友皇子を想い、十市皇女が無事であったことを喜び、そして、雄鹿が無事であったと知り嬉しくて涙が一筋頬を伝わって流れ落ちたことを…………。

その全てを覚えている香澄は、ニュースの中の戦が目の前に起こっているような錯覚を抱いてしまったのです。


「平和って……いいよね。戦いが無い世界だったら泣く人居ないのにな…。

 テロ……なくならないね。」


ニュースを見て、そう言った時に父も母も同じことを言いました。


「可哀想だ……あんなに幼い子が……命を奪われて……。」


香澄も同じことを思いました。


⦅私、令和を知っているけど、令和での記憶が全くない。

 だから、怖かったけど……

 生きているのよね。今………

 日本は戦争中じゃないよね。

 それって、めっちゃ幸せなことだよ、ね。

 怖がってばかりいないで、前を見よう。

 進もう。前に………。

 就職して、子ども達のためになるような……

 そんな大人になろう。⦆


香澄の就職先の第一希望は、児童相談所から変わっていません。

地方公務員試験合格を目指そう!と決意を新たにした香澄でした。

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