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慕情  作者: yukko
平成
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進学

天皇陛下の譲位が決定されたのは、香澄が目覚めた後でした。

2017年(平成29年)12月1日。

皇室会議に於いて退位が2019年(平成31年)4月31日に決定したという報道でした。


「譲位されるんだ。」

「そうね。」

「香澄。福祉大学でいいのね。」

「うん。」

「事故の前と違うからビックリしたわ。」

「う~~ん。児童養護施設とか……子どもの福祉に携わる仕事に

 就きたいの。駄目?」

「駄目じゃないわよ。」

「いいんじゃない。」


前に希望していた大学がどこか、分からないのです。

香澄の事故の前の記憶は残っていません。


「本当にいいの?

 香澄の憧れの先輩の大学じゃなくて…!」


…と、言われてドキッとしました。

先輩に会いたいけれども……。

先輩が進学した大学は、香澄にとって難しい大学です。

受けても合格できないでしょう。


「いやいや、先輩みたいに頭、良くないからね。私……。」

「前は頑張るって言ってたじゃん。」

「無理だって分かったのよ。諦める。」

「先輩のことも………。」

「うん。憧れだけで充分だよ。」

「一歩、踏み出して欲しかったなぁ……。」

「一歩?」

「うん。……だって、好きなのに告ってないじゃん。」

「無理だもん。」

「無理かどうか、やってみてから言ってよね。

 大学が違ったら、チャンスないじゃん。」

「もう、いいの……。ほんと、無理だから……。」

「あ~ぁ、………大学に行ってから別の人、好きになりなよ。」

「……そうだね。」


先輩への想いは、覚えていました。

香澄は福祉大学へ進学をしました。

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