表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
慕情  作者: yukko
平成
39/166

回復

身体は日に日に良くなってきました。

両親も喜んでくれています。

ただ、記憶が……はっきり分からないことが多くなっていました。

医師の診断で「高次脳機能障害」にはなっていないことが分かりました。

両親の安堵は大きく、その安堵が喜びになっていました。


普通の生活をするようになったのは、意識が戻ってから半年後でした。


「香澄、リハビリ頑張った成果ね。本当に良かったわ。」

「おい、何か言う度に泣いていたら、香澄が気にするじゃないかっ!」

「本当ね、お父さん。……香澄、ごめんね。」

「止めてよ。お母さん、嬉し涙でしょう。私も嬉しいから……。」

「香澄、そのミサンガ誰に作って貰ったの?」

「そうだ、知りたいよ。お父さんも……。」

「お母さんもお父さんも知らない小さな女の子よ!」

「教えてよ。」

「内緒!」

「そうか……内緒か……。内緒に出来るのも命あってのことだ…な。

 本当に良かったよ。」


何かにつけて両親は涙を流しました。


⦅たった一人の子どもだから、一粒種だから……。

 いいえ、違う。

 親ってきっと、そうなんだ。⦆


そう思えるのも、あの飛鳥の記憶があるからです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ