意識
家族なら面会にも行くことが出来るのだと思うと、茉美は高校生なのに「奏真の妻だったら良かったのに………。」と思うようになりました。
コロナが5類になって、もうコロナは過去のものと思っていたのです。
でも、感染者が増えているとニュースで知りました。
それと、正樹夫婦が忙しくなったようです。
感染者が増えて病院は大変になって来たみたいです。
「正樹、結衣さんも、身体には気を付けて!
医者の不養生にならないように、な。」
「分かってるよ。お父さん。」
「お前にまで、何かあったら……。」
「大丈夫だよ。何も無いから、ね。」
「お父さん、お母さんもだけど、智樹が亡くなってから……
心配性に拍車がかかった。」
「そうね。そんな感じだわ。でもね、心配してくださるって幸せよ。」
「そうだな………。」
「茉美ちゃんは、どう?」
「相変わらずだ。奏真君、一色だな。」
「奏真君の意識は?」
「まだだそうだ。」
「そう………。」
茉美が仏壇の前で手を合わせている時に、茉美のスマホから着信音が流れてきました。
茉美は慌ててスマホを取り、電話に出ました。
「茉美です。」
「茉美ちゃん、あのね、あのね、奏真が目を覚ましたのよ。
あの子、帰って来たの。」
「本当に?」
「ええ、ええ。本当に意識が戻ったの。
茉美ちゃん、面会できるようになったら連絡するわね。」
「お願いします。待ってます。」
「ええ、ええ。じゃあ、ね。」
「はい。あ、ありがとうございました。」
「いいえ、ありがとう。茉美ちゃん。」
「お兄ちゃん! お兄ちゃん! 奏真が………
奏真が……… 戻って来てくれた。
戻って………。う……嬉しい。
智お兄ちゃん、香澄お姉ちゃん……ありがとう。」
「茉美! 良かったな。本当に良かった………。」
正樹に抱きしめられて、茉美は泣いていました。
嬉しくて、嬉しくて、涙が止まりませんでした。
目覚めた奏真に会いに行く日を茉美は心待ちにしています。




