モテ期
真帆に電話をしました。
香澄にとって生まれて初めての告白を2人から受けたのです。
「えぇ―――っ! 凄いじゃん。年下&シングルファーザーからの愛の告白♡
いいなぁ~。いいな。めっちゃ羨ましい。いいなぁ~。モテ期、到来じゃん。」
「真帆ぉ~。真面目に聞いてよ。」
「いやいや、真面目に聞いて羨ましいのだから仕方なくない?」
「真帆!」
「でっ! どっちなの? 香澄の心を捉えたのは?」
「どっち、って……… どっちでもないわよ。」
「え? どっちも嫌なの?」
「嫌じゃないから困ってるの!」
「嫌じゃないけど、好きじゃない!って、か?」
「うん。」
「ねぇ、もしかして……… まだ、あの飛鳥の君のこと好きなの。」
「好きになった男性、忘れないわよ。」
「じゃあ、二人とも無理じゃん。絶対に勝てないよ。相手は、居ないんだから。」
「返事、どうしたらいい?」
「私に聞かれても、無理だわ。だって、香澄の気持ちが決まらないと………。
断るって決まるのか、どっちかと付き合うって決まるのか……。
香澄の気持ち次第だから………。」
「気持ちが…………分かんないのよ。
二人とも断ろうか………… スッキリするよね。」
「それは……どうかな? 二人とも断ってから、後輩君が好きだとか、シングルフ
ァーザーが好きだとか…… 分かるかもしれないし………。
もうちょっと二人を見たら? もうちょっと見てから決めたら? どうかな?」
「見るって……… どうしたらいいの?」
「今のままでいいのよ。もし、どちらかを好きになったら分かるから………。
今までと同じにしてたらいいの。それで、どちらかを好きになったら、そのこと
を正直な気持ちを伝えたらいいの。どちらも好きにならない場合もあるでしょ。
だから、兎に角、気持ちだけを受け取って、出来るだけ今まで通りに、ね。」
「私にそんなこと、出来るわけないわ。」
「しないと! 仕事に関係する人でしょう。二人とも……。
今までと同じ態度にしないと! それは断っても同じよ。」
「………頑張る。」
「うん。なんか、高校生みたいね。恋バナなんて。」
「そうだね。」
「高校の時は、田辺先輩一辺倒だと思ってたのにな。違ったって聞いてビックリ。」
「うん。」
「双子だから間違ってたんだよね。図書館の君がお兄さんの方だったのよね。」
「うん。」
「そりゃ、一卵性双生児なら分かんないわ。双子って知らなかったんだから……
仕方ないよね。」
「…………。」
「? ……香澄?」
「うん?」
「どうしたの? 心ここにあらず!って感じだったょ。一瞬だったけど……。」
「そう?」
「うん。疲れた?」
「あ…… ごめんね。もう、寝るわ。」
「うん。私も、寝るわ。おやすみなさい。」
「おやすみなさい。真帆、ありがとう。 いつも、ありがとう。」
「どういたしまして。じゃあね、おやすみ。」
「おやすみ。」
電話を切ってから、香澄はボーっと過ごしました。




