香澄の大切な場所
香澄は行く当てもなく歩き続けていました。
着いた先は、図書館でした。
図書館はもう閉館していて、図書館の前で暫くの間、佇んでいました。
「怪しい人に見えるわよね。」
そう呟いた香澄はまた歩き始めました。
行く当てはありません。
真帆が図書館に着いた時、図書館には誰もいませんでした。
「香澄。どこに居るの?
そうだ、家に電話しよう。
もしかしたら、帰ってるかもしれない…………。」
香澄の家に電話すると、香澄の母が出てくれました。
「おばさん、香澄は? 帰って来ました?」
「真帆ちゃん、まだなのよ。 あの子、どこに………。」
「おばさん、私、探しますから………。
帰ってきたら、見つかったら、電話くださいね。」
「ありがとう。真帆ちゃん。帰ってきたら、お父さんが見つけたら
真帆ちゃんに電話するわね。ありがとう。真帆ちゃん。」
「おばさん………。切りますね。探します!」
「お願いします。」
「香澄のバカ! おばさん、泣いてたよ。早く帰ってよ。」
真帆は涙を必死になって止めながら、「次はどこ?」と探す先を考えながら駅に向かいました。
真帆はLINEで智樹にメッセージを送りました。
「香澄、図書館にいませんでした。高校へ行ってみます。
居ないと思いますけど………。その次は……。」
真帆からのメッセージには3ヶ所ほど場所が記されていました。
智樹は「まさか………。」と思いましたが、智樹が思いつく場所はそこしかありませんでした。
「まさか、飛鳥……………。」
行っても居ない可能性が高いと思いつつも、智樹は奈良へ向かったのです。




