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慕情  作者: yukko
令和
108/166

恋のキューピット①

日本に居る身重の妻のことを気に掛けつつ、毎日治療に終われている正樹に、最愛の妻からの連絡がありました。


「どうした? 何かあったのか?」

「大丈夫よ。」

「本当か?」

「ええ。」

「お腹の子は?」

「順調よ。」

「そうか……良かったぁ……。」

「あのね、正樹さん。」

「うん?」

「智樹さんのことなんだけどね。」

「智樹がどうかした?」

「茉美ちゃんが……智樹さんの高校の頃から好きな人と……香澄さんと……

 智樹さんを会わせようとしてるの。」

「え? 何で、茉美が知ってるんだ?」

「分からないわ。でも、そのために、来週、お義父様、お義母様とご一緒するはず

 だった観劇。」

「うん。行くんだよな。4人で……。」

「ええ、その4人のメンバーが変わったのよ。」

「誰に?」

「お義父様、お義母様が行かれなくなって、代わりに智樹さんと香澄さん……。」

「茉美が? 香澄さんとは面識が無いはずだぞ。」

「そうなのよ。実はね、紗奈さん? 智樹さんが高校の頃に付き合ってた彼女。

 その元彼女の案らしいのよ。」

「あ……居たな。……よく智樹と茉美とその子の3人で出かけてたな。」

「そうなのね。」

「うん。……その子が考えたことなのか?」

「そうみたいよ。」

「何だか、高校生のノリだよな。」

「うん。そうね。」

「……あの二人を会わせたとしても……茉美が思うようなことにはならないと思う

 けれど……。」

「そうよね。」

「智樹も香澄さんも二人共に、どう思っているのか分からないからな。」

「ええ。」

「智樹には、はっきり自分の気持ち、想いを伝えて、駄目だったら諦めるべきだと

 言ったんだけどな。あいつ、何も言ってないからな。」

「そうよね。」

「何も言わずに諦めた……。自分から動かないと周囲が何をしても結果は同じだと

 僕は思うけれど……。」

「どうしたら良いと思う?」

「僕が言ったことをそのまま伝えて欲しい。たぶん…………

 茉美は僕の言うことよりも結衣の言葉の方を大切にしてくれると思うから…。」

「分かったわ。そのまま伝えるわね。ただ、茉美ちゃんに届かなかった場合は……

 どうしよう?」

「その場合は、観劇に行って欲しい。行って茉美が行き過ぎないように見ててほし

 い。結衣、身重なのにゴメンな。」

「ううん。全然。体調が悪いって訳じゃないから……大丈夫よ。

 ねぇ………。」

「何?」

「私、何も茉美ちゃんに言わずに行くわ。」

「どうして?」

「茉美ちゃんに今から理由を話して止めて貰えるかどうか分からないじゃない。

 その、智樹さんの元彼女が考えたことだとしたら、元彼女と話し合わないと

 いけないでしょう。それは流石に私は無理だわ。会ったことさえないんだもん。

 だから、このまま行くことにするわ。」

「分かった。結衣、本当にゴメンな。不肖の弟と妹のために……。」

「何言ってるの! 夫婦じゃない。」

「ありがとう。 悪い、もう切るね。」

「はい。」


来週の観劇は楽しみにしていた結衣ですが、少し観終えてからの疲れが大きくなると思いました。

そのことがあるので、不安が全くないとは言えませんでした。

そして、茉美には「正樹さんが楽しんでおいで!って言ってたわ。」とだけ言いました。

茉美は「じゃあ、正兄ちゃんのOK出たのね。」と別のことを心配していたようです。

「たぶん、智樹さんと香澄さんの恋のキューピットになることが嬉しいでしょうね。私の言葉をちゃんと聞いてなかったみたいだし……。」と、結衣は思ったのです。

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