茉美
紗奈は思いつくと直ぐに行動する女性です。
その紗奈が智樹の恋の成就のために一肌脱ごうとしています。
紗奈がそのために会う約束を取り付けたのが、智樹の妹の茉美でした。
「紗奈お姉ちゃん、お久し振り~!」
「お久し振り。 茉美ちゃん、どう? 上手くいってる?」
「はい! お陰様でっ! 彼とはラブラブです♡」
「良かったわぁ~。」
「紗奈お姉ちゃん、智兄ちゃんのことで、って何ですか?」
「あのね、実は高校まで遡るんだけどね。」
「高校? 紗奈お姉ちゃんと智兄ちゃんが別れたのって、高校。」
「そう、高校3年生になった頃ね。私が振られたのよ。
智樹に好きな子が出来たからなの。聞いてた?」
「今…………… 紗奈お姉ちゃんを智兄ちゃんが振ったんですかっ?
許せない! 紗奈お姉ちゃんを振るなんて!」
「茉美ちゃん、もうそれは終わったことだから、それに、今の私には居るからね。
夫が…………。」
「そうですよね。智兄ちゃんより断然カッコいです。」
「ありがとう。………で、ね。智樹なんだけど、その時に好きだった子のこと、
今でも好きなのよ。」
「え? でも、智兄ちゃん、彼女居ないですよ。」
「そうなのよね。その子のこと好きなくせに告って無いのよ。未だに………。」
「えっ? もう何年も経ってるのに?」
「そうなの。それでね、茉美ちゃんにお願いがあるのよ。」
「何ですか?」
「私はね二人を会わせて、智樹が告りやすいようにしたいのね。」
「はい!」
「それで、ね。」
「私も参加します。」
「まぁ、分かるの? 私が言おうとしたこと………。」
「分かりますよ。私が智兄ちゃんを連れだすんですよね。」
「そうそう。お願いできる?」
「はい。…………あ……今、結衣お姉ちゃんが居るんです。結衣お姉ちゃんていう
人は、正兄ちゃんの奥さんです。うちに今居ます。」
「そうなのね。ご結婚なさったのね。」
「はい。今は正兄ちゃんはアフリカに戻ったんですけど、出産を控えているか
ら、結衣お姉ちゃんは日本に居るんです。それで、今はうちに居ます。」
「そうなのね。……でっ? その方が何か?」
「私は結衣お姉ちゃんと二人で、智兄ちゃんを誘います。」
「あぁ~、茉美ちゃんだけだと一緒に出てくれないかもしれないのね。」
「そうなんですぅ。」
「分かったわ。それは、貴女にお任せします。」
「はい。」
「じゃあ、日程とか決めましょう。行く先も……。」
「はい! あの…… 実は……宝塚歌劇団のチケットがあるんですけど……。」
「何枚?」
「家にあるのは、4枚です。両親も分を回せますよ。」
「え~っと、茉美ちゃん、智樹、お姉さん、そして……4枚あればOK!」
「じゃあ、日時を教えて!」
「はい。……あの智兄ちゃんが好きな人のお名前は?」
「香澄 っていう子よ。 私の2歳年下。」
「Roger!」
紗奈は茉美に話して作戦がスムーズに進んでいると、電話を終えほくそ笑みました。
⦅そういえば………智樹と付き合ってた頃、茉美ちゃんのお守りを兼ねて
3人で宝塚歌劇を観に行ったわね。 懐かしいわ…………。⦆




