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慕情  作者: yukko
令和
106/166

茉美

紗奈は思いつくと直ぐに行動する女性です。

その紗奈が智樹の恋の成就のために一肌脱ごうとしています。

紗奈がそのために会う約束を取り付けたのが、智樹の妹の茉美でした。


「紗奈お姉ちゃん、お久し振り~!」

「お久し振り。 茉美ちゃん、どう? 上手くいってる?」

「はい! お陰様でっ! 彼とはラブラブです♡」

「良かったわぁ~。」

「紗奈お姉ちゃん、智兄ちゃんのことで、って何ですか?」

「あのね、実は高校まで遡るんだけどね。」

「高校? 紗奈お姉ちゃんと智兄ちゃんが別れたのって、高校。」

「そう、高校3年生になった頃ね。私が振られたのよ。

 智樹に好きな子が出来たからなの。聞いてた?」

「今…………… 紗奈お姉ちゃんを智兄ちゃんが振ったんですかっ?

 許せない! 紗奈お姉ちゃんを振るなんて!」

「茉美ちゃん、もうそれは終わったことだから、それに、今の私には居るからね。

 夫が…………。」

「そうですよね。智兄ちゃんより断然カッコいです。」

「ありがとう。………で、ね。智樹なんだけど、その時に好きだった子のこと、

 今でも好きなのよ。」

「え? でも、智兄ちゃん、彼女居ないですよ。」

「そうなのよね。その子のこと好きなくせに告って無いのよ。未だに………。」

「えっ? もう何年も経ってるのに?」

「そうなの。それでね、茉美ちゃんにお願いがあるのよ。」

「何ですか?」

「私はね二人を会わせて、智樹が告りやすいようにしたいのね。」

「はい!」

「それで、ね。」

「私も参加します。」

「まぁ、分かるの? 私が言おうとしたこと………。」

「分かりますよ。私が智兄ちゃんを連れだすんですよね。」

「そうそう。お願いできる?」

「はい。…………あ……今、結衣お姉ちゃんが居るんです。結衣お姉ちゃんていう

 人は、正兄ちゃんの奥さんです。うちに今居ます。」

「そうなのね。ご結婚なさったのね。」

「はい。今は正兄ちゃんはアフリカに戻ったんですけど、出産を控えているか

 ら、結衣お姉ちゃんは日本に居るんです。それで、今はうちに居ます。」

「そうなのね。……でっ? その方が何か?」

「私は結衣お姉ちゃんと二人で、智兄ちゃんを誘います。」

「あぁ~、茉美ちゃんだけだと一緒に出てくれないかもしれないのね。」

「そうなんですぅ。」

「分かったわ。それは、貴女にお任せします。」

「はい。」

「じゃあ、日程とか決めましょう。行く先も……。」

「はい! あの…… 実は……宝塚歌劇団のチケットがあるんですけど……。」

「何枚?」

「家にあるのは、4枚です。両親も分を回せますよ。」

「え~っと、茉美ちゃん、智樹、お姉さん、そして……4枚あればOK!」

「じゃあ、日時を教えて!」

「はい。……あの智兄ちゃんが好きな人のお名前は?」

「香澄 っていう子よ。 私の2歳年下。」

「Roger!」


紗奈は茉美に話して作戦がスムーズに進んでいると、電話を終えほくそ笑みました。


⦅そういえば………智樹と付き合ってた頃、茉美ちゃんのお守りを兼ねて

 3人で宝塚歌劇を観に行ったわね。 懐かしいわ…………。⦆

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