真帆の心配
真帆は子どもを夫がみてくれている間に香澄に電話をしました。
久し振りに聞く香澄の声は、思ったより弾んでいるようです。
「真帆~っ! いいの? いいの? 赤ちゃんは?」
「大丈夫よ、パパが居るからね。」
「ちゃんと子育てしてるんだね。」
「勿論よ。パパが頑張ってくれてるから仕事続けられてるんだもん。」
「いやぁ~~っ、そんな風になるなんて思わなかったわ。」
「私のパパ教育がいいからよっ!
………ところで、仕事はどうなの? なんか変わったってLINEに……。」
「うん。今は障害児のこと……。」
「大変なんじゃないの?」
「うん。 今までは母親の気持ちを最大限に考慮しなくても良かったのね。」
「うん。」
「虐待してる親だと猶更……。」
「でもね、母親自身が……追い詰められながら必死になって子育てしてるの。
母親の心を支える場所がないのよね。提示できるものが無いのよ。
今は、それで精一杯なの。私………。」
「香澄、身体……大切に、ね。無理しちゃ駄目だよ。」
「うん。ありがと。」
「今度、会おうね。」
「うん。」
「うちに来てくれたら、助かるな。」
「うん。いつか……。真帆も身体を大切にしてね。赤ちゃんのためにも…。」
「うん。」
「じゃあ、また真帆が電話出来る時に電話して!」
「うん。またね。」
「またね。」
電話を終えた真帆は、香澄が仕事のことで精神的に追い詰められないか心配になりました。
⦅香澄、真面目だからなぁ………。
一生懸命になればなるほど、自分の何かが悪いって思っちゃうんだよな。
ご両親には心配かけたくないと思う子だし…………。
ああ―――っ! 好き勝手に動けてた結婚前だったら、なるべく傍に居て
あげられたのになぁ…。
香澄、誰かに頼ることも必要よ。……誰か、居てあげて欲しいな。⦆




