北風と、おどる。
容赦ない北風が ぶつかってくる
両手につないだ小さな手が 唯一のぬくもり
私はぎゅっと身を縮め 北風と対峙する
目を細め 足を止め
ただ通り過ぎていくのを やりすごす
まるでからかうかのように 吹きつける北風
傍らの子らは 歓声を上げ
くすぐったいねと 満面の笑み
身をくねらせ 足をばたつかせ 北風たちと戯れる
つないだ両手が 私の心を揺する
押しよせる風が 楽しいと
肌をこするのが 楽しいと
このつめたさが 楽しいと
私も
身をくねらせ 足をばたつかせ
くすぐったいを あじわおう
子らと共に
北風と、おどる
いつのまにか
寒さはどこかへ飛んでいき
心と体の芯から
湧いてくるぬくもり
もっともっと、と
北風と、おどる。
お読みいただきまして、どうもありがとうございました。
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