席替えで選んでみた
人によっては、主人公の性格が嫌だと感じるかもしれません。
ついに、最後に女子の秘密が明かされます。
1
「では、席替えします‼好きな席選んでいいよ〜」
また始まる。
席争奪戦…否、女子絶対権力を示す瞬間が。
確か、いつの頃だっけ。
女子が…権力を持つようになったのは。
そう、6月ぐらいか?
今は12月だし…。
女子が席をどんどん決めていく。
男子の陰口を気にせず。
「彩苗は?」
ハッと彩苗は我に返る。
「綾と近くで」
「分かった。じゃあ、ここにしよう?」
友達の綾に手を引かれ、一番うしろの席を指された。
「綾は斜め前ね。男子は誰にするのよ?」
「そこまで決めちゃうの〜?」
「綾だって、ちゃっかり好きな人の─」
「って!言わないでよっ!」
綾に遮られ、彩苗はため息をついた。
「私は好きな人まだいないから。誰にしようか迷う」
彩苗は立っている男子を見渡す。
結衣に懇願されてる結城。
となると、結城は除外か。
残るのは…。
「眞博くん……もどうかな?」
「!?」
結衣がまさかの眞博を誘導していた。
「やるね、美少女JK」
綾が、ニヤリとその場を見つめている。
「美少女…」
彩苗は結衣を見つめた。
結衣は人気者。眞博なんてイチコロだろう。
「……──」
しかし、眞博は動じなかった。
「それはいい席だけど…」
結衣に懇願されても、不満があるのか断る。
「ふ、このままたてつく系?それとも従順系?」
綾がニコニコしながら見ているが、彩苗は、秦弥に目を向けた。
結衣は、秦弥ではなく眞博にしたのだ。
そこに深い意味はあるのだろうか…。
「そ、そんなに…わたしのことが嫌いなのかな?」
涙目の結衣。
眞博は唖然とした。
「来た〜!美少女特典のイチコロ攻撃‼」
隣の綾が面白そうに見つめる。
結衣にしかできない”泣き技”。
それがわざとなのか、本心なのかは分からないが。
効果はあったようで、眞博は、結衣の後ろに座った。
残るは秦弥と他の男子。
彩苗は、観察的に見渡す。
自分の前。さあ、誰が…。
「誰にするの?」
「……そうだね」
彩苗は、野次を飛ばされている秦弥を見やる。
いつもは輝いているのに。
女子の前だと為すすべもなく悔しさに顔を歪めて。
「……ふ」
彩苗は、秦弥に話しかけてみた。
「じゃあ、ここでいいよ」
秦弥の注意が向く。
「私の前、余ってるんだけど。座りたければ座ったら?」
秦弥の瞳が若干揺れた。
迷ってる。でも、他に選べる席なんてあるのか。
「誰でもいいけど」
なら……?
と彩苗は、無表情ながらも思う。
女子は絶対的。秦弥は従う以外ないだろう。
けれど、下手に行うと陰口が絶えそうもない。
だから、逃げる余地を与える。
「……分かった」
決心したのか、秦弥は席に座った。
迷っただろう。けれど。
結局秦弥は負けたのだ。
そして、自分は勝った。
2
確か……。
そう……。
なぜ……。
この……。
学級……。
壊滅……。
して……。
いる……?
確かそうなぜこの学級壊滅している?
壊滅にしか見えない。
女子が権力を握る。
はたから見れば、かっこいい‼なんて思うかもしれない。
けれど、真逆の世界。
女子差別もよくないが、本来は男子が強いはず。
男女差別を無くすとしたら平等にすればいいだけ。
なのに、女子を強くさせた理由。
それは、先生しかわからない。
いつだって、先生は女子の味方だった。
この中学に入学してきて担任の挨拶をしたときの宣言が。
「女子に酷いことを言った男子は罰せます!」
最初は彩苗だって馬鹿かと思った。
女子が絶対に正しいわけではない。
異常ゆえに言っているのだと思っていた。
…6月。
男子と女子が意見の互い違いで喧嘩をした。
「……こっちの方がいいだろ」
「いや、わたしたちの方が正しいよ。そっちの意見なんてただのゴミクズと同じ」
「いや、こっちからするとお前らゴミだから」
喧嘩が言い合い。
醜く、酷い言い合いに。
「じゃあ、多数決〜!」
結衣が、笑顔でみんなをまとめる。
「いい方に手を挙げてね〜!」
手を挙げるのももちろん、二つに分けられる。
「同じぐらいだったから、二つの意見を採用しようよ」
「……できるのか?」
「難しいね」
そんなとき、無言だった彩苗が手を挙げる。
「できるかもしれない。やらせて、その企画」
そう、何か企画をたてているときだった。
そして、彩苗の妙案で決定となった。
女子と男子はギスギスしながらも企画を決めていく。
そして、それが採用されることになった。
採用されることになったのだ。
そのはずだった。
途端にガタンと扉が蹴破られた。
話し合っていた生徒たちは恐縮する。
「ねえ、今の企画取り下げ!女子の優先!」
元を言えばあれが伏線だったのかもしれない。
先生は狂っていたのかもしれない。
女子も先生の加護で甘えていたのかもしれない。
男子も女子に言いすぎていたのかもしれない。
女子が男子に喧嘩を売ってしまったのかもしれない。
それは、まだ分からない。