城塞都市で
「ムサシ様、私たちの新居を案内してください。」カリナ姫が言う。
「はい、元々はファンドーレ男爵の屋敷でした。」俺はカリナ姫を案内する。
「お帰りなさいませ、ムサシ様、カリナ様。」カロリーヌさんを筆頭に、メイドと執事が出迎えてくれる。
「まぁ、素敵な場所ですね。」カリナ様がそう言いながら家に入る。
「ははは、寛いでください。」俺はそう言いながらリビングに行く。
「其れよりも寝室を見たいです。」
「はぁ? 寝室ですか?」俺はカリナ様を寝室に案内する。
「ここが寝室ですか?」カリナ様がぐいぐい迫る。
「俺がいつも寝ているところです。」
そこには大4人が寝れるサイズのベットが置いてある。」。
「まぁ、ここが私たちの愛の巣になるのですね。」カリナ様が御満悦だ。
「ふふふ、すごく良いベットです。」カリナ様がベットに座って言う。
「ははは、良い寝心地ですよ。」
「あら?」カリナ様は、寝室にあるドアを見つけて疑問に思う。
「どうして、こんな所に扉があるのですか?」
「ははは、それは。」俺はバツが悪そうに言う。
「はて?」カリナ様がその扉を開ける。
「あら?」扉の向こうでシーナが出迎えた。
「まぁ。」カリナ様が感動する。
「し、シルキー様ですか?」
「ははは、恐れないんですね?」俺が言う。
「私始めて見ました。」カリナ様が感動する。
「ここは城塞都市の自宅です。」
「まぁまぁ、ムサシ様は本当に凄いんですね。」カリナ様が嬉しそうだ。
「あぁ、気持ち良い。」シーナがうっとりする。
「シーナ?」
「あぁ、気持ち良い。」
「え?」
「とても気持ちいい。」シーナが言う。
「どうしたのですか?」カリナ様が俺に聞く。
「シーナ、そのシルキーの名前です、シーナがカリナ様の持つ波長を気に入ったようです。」
「波長?」
「うん、とっても気持ち良い。」
「そうか、良かったな。」
「うん。」
「まぁ、こちらも寝室ですか?」カリナ様がその部屋を見て言う。
「ははは、その通りです。」俺は答える。
「では、この城塞都市に、私と同じムサシ様の嫁がいるのですね?」
「はぁ?」
「それは、それは、ご挨拶に行かなくては。」カリナ様が俺の目の前でウエディングドレスから普通のドレスに着替え始める。
「え、え、え?」俺は狼狽える。
「どうしました?」カリナ様が怪訝な顔をして俺に聞く。
「いや、いきなり俺の前で着替えるとは思いませんでした。」
「私たちは夫婦になりましたから、別に構いません。」
「そう言う物なの?」
「はい。」カリナ様がにこやかに言う。
「ではムサシ様、恋敵、こほん、私の敵、こほん、友の元に案内してください。」
「はい、仰せのままに。」俺は組合に向かった。
「頼もう。」何時も通りに組合に入る。
「げ。いらっしゃいませ」最早安定した塩対応の受付嬢を無視して、俺はリーンのいる窓口に行く。
「リーン。」
「まぁ、だんな・さ・ま?」リーンが俺の隣にいるカリナ様を見て固まる。
「貴女が、私と同じムサシ様のお嫁さんですか?」カリナ様が言う。
「はい。」
「まぁまぁ、仲良くしてくださいませ、私はカリナと申します。」
「はい、私はリーンと言います。」
「ふふふ、エルフの方が人間のお嫁さんになるのを始めて見ました。」カリナ様がころころと笑う。
「む、ムサシは私がやったムサシへの不義理を許してくれた。」
「まぁ、流石はムサシ様ですね。」
「だから、私は私の人生の数十年をムサシに捧げたのです。」
「あらあら、それでは一緒にムサシ様を支えていきましょう。」カリナ様がにっこりと笑いながら言う。
「良いのですか?」リーンがカリナに言う。
「同じ人を好きになったのなら、仕方がないですから。」カリナ様が言う。
「感謝します。」リーンがカリナの手を取って言う。
「俺の意思は全く反映されていない。」
「いや、別に良いけど。」
其の後、城塞都市の家で3人、いやシーナも入れて4人で結婚祝いの宴を開いた。
飲んで、食べて楽しんだ。
次の日は、王都の家で使用人を交えて宴をした。
そして、カリナ姫と結婚をして3日目。
「不束者ですが、ずっと御傍に置いて下さい。」カリナ様が俺に三つ指をついてベットに入って来た。
「カリナ。」
「はい、旦那様。」カリナ様が俺に口付けしてくる。
俺はそれを受け入れ、愛し合った。
********
「あ! ムサシ様だ!」ユーリが俺を見て叫ぶ。
「おぉ、ユーリか、元気にしているか?」俺はユーリの頭を撫でながら言う。
「うん。」ユーリが元気いっぱいに返事をする。
「そうか。」
「お母さんも元気になって、ギルドで働いているの。」
「そうか、良かったな。」
「うん。」
「あたしも、お手伝いしてるんだよ。」ユーリが言う。
「へぇ? 何をしているんだ?」
「薬草採り。」
「ほぉ?」
「薬草を籠一杯取れば300Bになるの。」
「おぉ。」
「今から、薬草採りに行くんだ。」ユーリがニカって笑って言う。
「俺も手伝って良いか?」俺はユーリに聞く。
「え? ムサシ様が手伝ってくれるの?」
「あぁ、任せろ。」
「あは、嬉しい。」
俺たちは東門に向かった。
「ここから先は、何だムサシさんか、お気をつけて。」門番はあっさり俺とユーリを通してくれた。
「薬草採りなら、森の中だな。」俺が言う。
「うん、そうだよ。」ユーリが答える。
「危険じゃないのか?」
「たまに魔獣が出てくるけど、くず肉を放り投げれば逃げられるから。」
「まじかぁ。」
********
俺とユーリは薬草が採れる森に入った。
「鑑定!」俺は鑑定を使う。
俺は薬草を採取していく。
「ムサシ様、凄い!」ユーリが言う。
「この辺りの薬草は全部採取したぞ。」俺は3籠分の薬草を採取して言う。
「ムサシ様、凄い。」ユーリが感激している。
「ははは、ユーリも楽できるだろう?」
「ううん、私がもっと頑張らないと。」ユーリが言う。
「どうして?」
「お母さんの負担を減らさないと。」ユーリが言う。
「ユーリ。」
「はい。」
「俺の娘にならないか?」
「え?」
「孤児の皆をどうこうすることは無理だが、ユーリだけなら俺の娘扱いで幸せにできるぞ。」
「え?」
「どうだ?」
「お母さんを、ムサシ様の嫁に差し出せと?」
「違うわ!」
「ええええ? 違うの?」
「お前、俺をどれだけ変態にするんだ?」
「ごめんなさい。」
「俺はカリナ様と結婚し、更にリーンと言う嫁もいる。」
「そうなの?」
「だから、ユーリだけなら俺の娘として養ってやるぞ。」
「ううん、いい。」
「え?」
「私、頑張る。」
「そうか。」
「えへへ。」
「ユーリは偉いな。」俺はユーリの頭を撫でる。
「えへへ。」
「もし、本当に辛かったら、いつでも俺に言ってこい。」
「うん、解ったぁ。」
「あぁ、絶対に。」
「えへへ、その時は宜しく。」ユーリが言う。
最近の幼児、しっかりしているな。
濡れ場は書籍化したら濃厚な奴を書きます、
つまり、一生書かないだろうなって事です。




