次のターゲット
「どうすれば良いんだ?」
「くふふ、目を見ない?」
「何で疑問形?」
「くふふ、息を吸わない。」
「そんなに近くに行かないぞ。」
「くふふ、ブレスを躱す。」
「いや、無理無理無理。」
「くふふ、やらないと死ぬよ。」
「ブレスを回避するほど、身体能力ないよ、俺。」
「くふふ、そうかなぁ?」
「だって、俺だよ、無理だよな。」
「君、自分のステータス解ってる?」
「え?」
「私と一緒に、レッサードラゴン迄討伐してるんだよ。」
「あぁ、そう言えば。」
「ステータスを確認してみたら?」
「あぁ、そうだな。」
因みに以前のステータスはこうだ。
名前 :ムサシ。
ジョブ :ポーター レベル5
生命力 :12 一般成人男性の平均は15
力 :6 一般成人男性の平均は10
魔力 :2 魔力適正者の平均は30
魔法適正:有り
使用魔法:なし。
スキル :なし
黒歴史だよ。
「では、今のステータスは?」ミロクが良い顔で言う。
「え?」
「俺は、自分のステータスを確認する。」
「はぁ?」俺は驚愕する。
名前 :ムサシ。
ジョブ :神の身代わり レベル33
生命力 :143 一般成人男性の平均は15
力 :72 一般成人男性の平均は10
魔力 :108 魔力適正者の平均は30
魔法適正:有り
使用魔法:4大属性魔法 (火、水、地、風)
スキル:剥ぐ者。
「なんだこれ?」
「くふふ、神の身代わりのスキルだね。」
「いや、聞いたことない。」
「くふふ、長い事、誰も受け継がなかったからね。」
「そう言うもんなの?」
「うん、そう言うもん。」
「と言う事は。」
「くふふ、と言う事は?」
「逃げ足は、早くなった!」
「違うでしょ!」
「え?」
「耐性もついていると思わない?」
「石化耐性とか?」
「うん。」
「そんなのがあるの?」
「あ~、もう、ほら確認する。」ミロクが俺のステータスを可視化する。
「あれ?」
「くふふ、見えた?」ミロクが良い顔で言う。
「あぁ。」
そこには、今まで見えなかったステータスが表示されていた。
名前 :ムサシ。
ジョブ :神の身代わり レベル33
生命力 :143 一般成人男性の平均は15
力 :72 一般成人男性の平均は10
魔力 :108 魔力適正者の平均は30
魔法適正:有り
使用魔法:4大属性魔法 (火、水、地、風)
スキル :剥ぐ者。
耐性 :炎無効 水及び氷無効 土魔法、大地魔法無効、風魔法、暴風魔法無効、毒無効、麻痺無効、精神障害無効、幻術無効、石化無効、汚染無効、即死無効、呪い無効、時魔法無効、睡眠耐性、飢餓耐性、排泄耐性、水分補給耐性。
「俺、バジリスク狩れそう。」
「くふふ、気が付いたか、偉い、偉い。」
「うん、狩ろう。」
「くふふ、では明日は南に向うよ。」
「解った。」俺はそう言って、寝る体制になる。
「添い寝は無しな。」
「解ったよ。」
「おやすみ。」
「うん、おやすみ。」
「ぐー。」
「寝た?」
「ぐー。」
「くふふ、本当に寝た?」
「ぐー。」
「くふふ、魅惑の添い寝ターイム!」そう言いながらミロクが布団に潜ってくる。
「てい!」
「ふぐう!」俺の拳骨がミロクの腹を抉る。
「静かに寝かせてくれ。」俺の言葉はミロクには届かなかった。
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「ねぇ、本当に、あたしの扱いが酷くない?」
「いや、全然。」
「むぅ。」
「朝ごはん食べれますよ。」テトがドアをノックしてくる。
「あぁ、今行く。」俺はそう言って部屋を出る。
「お好きな席に座ってください。」テトが俺を見て言う。
「あぁ、俺はすぐ傍の机に腰を下ろす。」
机には、パンと、卵焼きとハムを焼いたものが置かれている。」
「はい、スープです。」テトが深めの皿を持ってくる。
「おぉ、今日はコーンポタージュか?」
「はい、お母さんの得意料理です。」
「あぁ、美味い。」俺はお代わりをした。
「はい、お弁当です。」
「ありがとう、ミロク。」
「うん。」そのお弁当が消える。
「ふえ~、何回見ても凄いです。」
「ははは。」
腹ごしらえをして、宿から南の門に向かう。
「おぉ、ナマズを退治してくれたんだってな。」門番が言う。
「あぁ、仕事だ。」
「この門を出るって言う事は、バジリスクか?」
「あぁ。」
「是非討伐してくれ、あれのせいで、何人も帰ってこないんだ。」
「善処するよ。」
「頼む。」門番が俺に深く頭を下げる。
「出来ることをやるだけさ。」俺は門を出て、南に向って走る。
「バジリスクは何処にいるんだ?」
「くふふ、此処を半日行った所にある、山の側面に空いた洞窟だよ。」
「でも、それ以外の奴も現れるんだな。」俺はミロクが狩ったオークを捌きながら言う。
「だって、勿体無いじゃない、せっかくお金になる者が向こうから来てくれるんだよ。」
「考えたら負けだと思うから、俺は淡々と剥ぐことにする。」
「くふふ、良い心がけだよ。」そう言いながらミロクがゴブリンの集団を狩る。
「これも解体するのか?」
「あぁ、必要ないよ、えい!」
「え?」ミロクの手の中に、ゴブリンの魔石が集まる。
「雑魚は放っておこう。」そう言いながら、ミロクはゴブリンをチリにする。
「さぁ、先を急ぐよ。」
「おぉ。」
狩った獲物の数。
ゴブリン76、オーク34、オーガ24、金鶏28、コカトリス6。
「なぁ、コカトリスって、バジリスクと同じにやばい奴だよな。」
「くふふ、単なるお肉だよ。」
「そうなのか?」
「くふふ、問題ない。」
「はぁ。」俺は南に向って走る。
半日走って、その場所に着いた。
「あそこか?」
洞窟の周りには、何体もの石化した魔物の死骸があった。
「クフフ、私に気付いているね。」
「奇襲は無理か。」
「奇襲なんかしないけどね。」そう言いながら、ミロクが洞窟の前に行く。
「黙ってないで、あたしだよ!」
「あぁ、覚えているよ、俺に神気を喰われた阿呆だな。」
「その阿呆が、神気を返してもらいに来たよ。」
「ほぉ。」
「黙って返すなら、その命までは取らないよ。」
「ほぉ、何人かは命ごと神気を奪われているのか?」
「残念だけど、今までの者は全員。」
「しかも、お前の従者は、俺の石化を耐えるのか。」
「くふふ、抵抗が無駄だと思うなら、神気を返して。」
「すまないなぁ、お前の神気は俺に融合した。」
「え?」
「返して欲しかったら、俺を殺せ。」
「あぁ、そう言う事。」
「すまないな。」
「解った。」
「だが、俺もむざむざとは殺されてやらない。」魔力が暴発した。
「その程度?」ミロクがにっこりと微笑む。
「なぁ? 俺の最大魔力だぞ!」バジリスクが驚愕する。
「ムサシ。」ミロクが俺の名を呼ぶ。
「あぁ、解った。」俺は天叢雲剣の小太刀で、密かに近づいていたバジリスクの心臓を刺す。
「!」バジリスクが弛緩する.
「一瞬だな。」俺が思う。
「なぁ、バジリスクの俺を、一瞬で?」バジリスクは信じられないと言った顔をしながら絶命する。
ふふふ、ブクマや評価がないのがこんなに堪えるとは。
お慈悲で良いのです。
ブクマや下の☆を★にしていただければ幸いです。
良しなに、良しなにぃぃぃ。