表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/132

トロール

少し短いです、すみません。

「ギルマス、何で着いて来るんですか?」

「ムサシ、俺の事はギアラで良い。」

「はぁ?」


「で、何で着いて来るんですか?」

「いや、俺も組合に用が有るんだ。」

「そうなんですか?」

「あぁ。」


「何のために?」

「いや、オークを納品したいんだ。」

「ギルドに納品しないんですか?」


「あぁ、今のギルドはピンハネが凄いんだ。」ギルマスが言う。


「それで直接組合に納品を?」

「あぁ。」ギルマスが答える。


「んじゃ、俺は今回は納品をしません。」俺は言う。

「何故だ?」ギルマスが俺に聞く、


「オーク肉の相場が崩れるからですよ。」俺は答える。

「相場が崩れる?」ギルマスが狼狽える。


「あぁ。」俺は理解した。

 この男が作ったギルドが破綻した理由。

 ドウメキが裏切ったせいだけじゃない。


 この男に先見の明が無いからだ。


「ギルマス、俺はここまでです。」俺はそう言いながらそこを離れようとする。


「なぁ、ムサシ、俺達とパーティーを組んでくれないか?」ギアラが言う。


「はぁ?」俺は嫌そうに言う。


「俺達なら、オーガキングも狩れる。」ギアラが言う。


「マジで言っているのか?」俺は威圧を最高値にして言う。


「ひぃ!」ギアラがその場で失禁する。


「オーク風情に手間取っていたくせに。」俺は冷たく言う。

「くっ!」ギアラが顔を伏せる。


「今後一切係わらないでくれ!」俺はそう言ってその場を後にした。




「あぁ、トロールだけはリーンに納品するか。」俺はそう言いながら組合に向かった。




「リーン。」俺はリーンに声を掛ける。

「まぁ、旦那様、お待ちしておりました。」リーンがカウンター越しに俺に口づけしながら言う。


「くそう、爆死しろ。」

「許すまじ!」組合の男連中が五月蠅い。


 俺は其れを無視した。


「今回はどのような?」リーンが聞いて来る。

「トロールだ。」


「あらあら、それでは裏に。」リーンが俺を裏の納品所に誘う。

「?。」俺は疑問に思う。


「旦那様、国王様がトロールの煮つけを貴族たちに振舞ったのです。」

「あの馬鹿、またやったのか。」俺が言う。


「ほほほ、不敬罪ですね。」リーンが笑いながら言う。

「俺に敵対したら、国王は終わるぞ。」俺は笑いながら言う。


「ほほほ、笑えない冗談ですね。」リーンが言う。

「本気だ。」


「あら~、国王様死んだ?」リーンが言う。


「んで、国王(あの馬鹿)がまた貴族どもに今回はトロールの煮つけを振舞ったと?」俺はリーンに聞く。


「はい、そうみたいです。」

「学習しない奴だ。」俺は天を仰ぐ。


「その様ですね。」

「又、カリナ様が泣きついてきそうだ。」


「ほほほ、嫉妬しますよ。」

「はぁ、普通にしてくれ。」


「で、幾ついる?」

「幾つあるのですか?」

「30匹だ。」


「あら~、では25匹で。」


「前回の5匹分は残ったままだぞ。」

「あら~、では30匹全部で。」リーンが言う。


「解った。」俺はトロールの手足をそこに出した。(ミロクから貰った)


「はい、承りました。」リーンがそれを事もなく受け取った。


「3000Gを振り込みました。」リーンがそう言いながらカードを返して来る。


「もはや、幾ら貯まっているのか解らないな。」俺はそう言いながらカードを受け取る。


「旦那様の保有資産は王国の国家予算並みです。」リーンさんが言って来る。


「何それ、怖い。」


「レアな素材を持ち込み過ぎです。」リーンさんが言う。

「あれ? そうなの?」


「自覚してください。」リーンさんが言う。


「そういってもなぁ。」俺は自分が持ち込んだ物を思い出す。


 トロール、金鶏、レッサードラゴン、フェンリル、オークキング、オークロード、コカトリス、後なんだっけ?


「ご自身の納品が規格外なのを自覚してください。」リーンが言う。


「解ったよ、しばらく納品しない。」俺はそう言いながら組合を出ようとする。

「違いますから。」カウンター越しにリーンが俺の腕を持って言う。


「?」

「いつも通りに納品してください。」リーンが言う。


「え~っと?」


「組合としては,希少素材の納品は望むところです。」リーンさんが言う。

「え~っと?」俺は再び驚愕する。



「全部組合が受け取ります!」リーンさんが宣言する。

 何だろう、リーンさんの後ろに砕ける波が見える。


「解りました、いつも通りに納品すれば良いんですね。」俺はリーンさんの言う通りに納品した。




 数カ月が過ぎて、城塞都市で祭りが開催される事になった。


「盛況だな。」

「くふふ、民の娯楽だからね。」


 俺は祭の会場を歩く。


「おぁ、美味そうだ。」俺はそう言いながら屋台にいく。

「一本幾らだ?」俺は屋台の男に聞く。


「毎度、一本10Bだ。」屋台の男が言う。


「ラガーは有るか?」俺は聞く。

「一杯30Bだよ。」屋台の男が答える。


「んじゃ、2本とラガーを頼む。」俺は50Bをそこに出した。

「あいよ。」


 俺は提供された串焼きを頬張り、ラガーを煽る。


「美味い。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ