お肉祭り
「で、この度はどんな用で来たんだ?」国王が言う。
「あぁ、肉ダンジョンを踏破したから、お裾分けを持ってきた。」俺は軽く言う。
「なんと、あのダンジョンを踏破されたのですか?」国王が驚愕する。
「あぁ、2時間かかったがな。」
「なんと、最下層は何階でした?」国王が聞いて来る。
「25階層だ。」
「なんと?」
「半日あれば、3回は踏破できるな。」俺は笑いながら言う。
「では、どのような物を頂けるので?」国王が聞いて来る。
「あぁ、オークロード、ミノタウルス、マスターミノタウルス、マスターオークロード、マスターコカトリスを好きなだけ献上する。」俺はにこやかに言う。
「はぁぁ、それではすべて5体分ずつお願いします。」国王が言う。
「あぁ、時間が止まったマジックバックを持っている者、又は空間魔法のアイテムボックスを持っている者を呼べ。」俺は国王に言う。
「解りました、誰ぞある?」国王が言う。
「お傍に。」国王の暗部が答える。
「聞いたな、直ぐに用意せよ。」
「御意。」暗部が消える。
「ははは、ムサシ、今すぐ準備する。」国王が俺に笑顔を向ける。
「そう言えば、マンモスは貴族に振舞ったって聞いたぞ。」
「はい、皆喜んでくれました。」国王は答える。
「豪気だな、100000Gを振舞うとは。」
「え? 100000G?」国王がフリーズする。
「マンモスのお肉は1Kgが1000Gだ、知らなかったのか?」俺は国王に問う。
「はわぁ!」国王が卒倒する。
「知らないで振舞ったのか?」俺は国王を介抱しながら言う。
「知りませんでした。」
「カリナが泣きながら俺に言ってきたぞ。」
「私の不徳の致すところです。」国王が項垂れる。
「今後は気を付けるんだな。」俺は冷たく言う。
「はい、仰せのままに。」国王が項垂れる。
「さて、ご希望の物を受け渡すぞ。」俺は集まってきた者たちを見ながら言う。
「どうぞ、お出しください。」そこにいた男が言う。
「よし、最初はオークロード5体だ。」俺はそれをそこに取り出す。
「承りました。」その男がそれを受け取る。
「次はミノタウルス5頭分だ。」俺が言うが、その男が待ったをかける。
「申し訳ございません、私はこれまでです。」そう言いながらその男が下がる。
「次は私が承ります。」若い女が言う。
「あぁ、よろしく。」俺はミノタウルス5頭を取り出す。
「はい、承りました。」その女がミノタウルスを持つ。
「次はマスターミノタウルス5頭だ。」俺が言う
「すみません、私はここまでです。」若い女が言う。
「なんだ、みんな少なくないか?」俺が言う。
「ムサシ様がいじょ、特別なのです。」そこにいた男が言う。
「今、異常と言いかけたな?」俺はその男を睨む。
「何の事でしょう?」その男がしらを切る。
「ちっ、まぁ良い、次だ。」俺はマスターミノタウルスを出しながら言う。
「はい、私が担当いたします。」次の男がそれを持ちながら言う。
「でも、私もここまでです。」
「はぁ、王国に仕える空間魔法の使い手のレベル低くないか?」俺は国王に言う。
「いえ、これが普通です、ムサシ様がアレなので。」国王が目をそらしながら言う。
「はぁ、良いからマスターオークロードとマスターコカトリスを持つ奴を連れてこい。」俺は言う。
「はい、これ、誰ぞあるか?」国王が周りの従者に声をかける。
「お待たせしました。」二人の男がやってきた。
「よし、出すから受け取れ。」俺はそいつらに言う。
「はい、解りました。」
俺はその男にマスターオークロードを渡した。
「ぐはぁ!」その男はマスターオークロードを受け取れず、その場で失神した。
俺はマスターオークロードを仕舞って国王に問う。
「国王。」
「申し訳ございません、今はこれが精一杯のようです。」国王が言う。
「なら、後の二つは消費してからだな」俺は国王にそう言う。
「はい、良しなにお願い申し上げます。」国王が深々と頭を下げる。
「国王、それがマブに対する態度なのか?」俺は国王に聞く。
「はっ、いや、済まなかった、ムサシ。」
「それで良いんだ。」俺はそう言って王城を後にした。
*********
「王国の組合でも需要はありませんか?」俺は王国の組合の窓口で肉ダンジョンのお肉の需要を聞く。
「ムサシ様の狩ったお肉は、今まで全く納品がありませんでした。」窓口の女が言う。
「へぇ。」
「ですから、そのお肉の価値が解らないのです。」
「成程。」
「つまり、俺に肉ダンジョンの肉を使ったバザーを貴族相手にやれということですね。」俺は窓口の女に言う。
「そう言う事です。」
「了解した。」
*********
「と、言う事だから、貴族連中を集めてくれ、国王。」俺は国王に言う。
「はい、申しつかわりました。」国王が首を垂れる。
「さぁ、肉ダンジョンのお肉を使ったバーベキュー大会の開始だ。」俺はにこやかに宣言する。
*********
「いやぁ、この間、国王が振舞ったマンモスの肉は絶品でしたな。」
「左様、1Kgが1000Gの肉を無償で振舞うなど、国王の豪胆さを感じますな。」
「ははは、それもこれも、第3王女のカリナ様の婚約者が齎せた奇跡だと言う事らしいですぞ。」
「おぉ、それは目出度い。」
貴族連中が勝手なことを言っているが今は無視だ。
「オークロード、ミノタウルス、マスターミノタウルス、マスターオークロード、マスターコカトリスの並肉とモツ攻撃を受けろ。」俺はそれを集まった貴族たちに振舞った。
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「なぁ、これは。」貴族が肉を口に入れて驚愕する。
「マンモスも美味かったが、この肉は脂が美味い。」
「あぁ、脂身の美味さが、いや、甘さがたまらん。」オークロードの並肉を食った貴族が吠える。
「これがミノタウルスなのか?」ミノタウルスの並肉のステーキを食った貴族が震えながら言う。
「このもつ煮込みはいったいなんだ?」俺が処理したミノタウルスのもつ煮込みを食った貴族がその美味さに声を上げる。
「はははは、肉の暴力を受けろ。」俺はそう言いながら、俺が掃除をしたマスターミノタウルス、マスターオークロード、マスターコカトリスの並肉とモツを貴族達に提供した。
「ふふふ、ムサシ様、すべての貴族が籠絡しました。」アルゴンが言う。
「ほぉ、それだけの周知があったなら成功だろう。」俺はほくそ笑んだ。
「国王様、これらは何処に行けば手に入れられるのですか?」一人の貴族が聞いてきた。
「組合に依頼を出せば、俺が提供してやるよ。」俺は横から答える。
「うん? 貴公はカリナ様の婚約者か?」その貴族が言って来る。
「あぁ。」
「では、貴公から買い取ればいいのか?」
「いや、組合を通してくれ、俺の貢献度が上がる。」
「そうさせてもらおう。」
その貴族以外にも、お供の者に組合に依頼を出すよう指示している貴族が複数いた。
「国王、助かったよ。」俺は国王の肩を叩く。
「お役に立てたなら幸いです。」
「ではな。」俺は王城を後にする。
「ムサシ、いつでも待っているぞ。」国王が俺を見送ってくれた。
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翌日から、組合の依頼で各種お肉を納品した。
「オークロードが一体分2G、ミノタウルスは1Kgが5G、マスターミノタウルスは1kgが20G、マスターオークロードも1Kgが20G、マスターコカトリスは1羽80Gの納品で良いか?」俺は組合のお姉さんに聞く。
「はい、其れで良いです。」
「色々納品して、全部で2600Gだと?」俺は組合のお姉さんに聞く。
「はい、詳細を説明いたしますか?」組合のお姉さんが言う。
「いらない、信用している。」俺はそう言って納品する。
「ありがとうございました。」組合のお姉さんがお辞儀をする。
「今後も需要が有るようなら、俺に依頼してくれ。」俺は受付のお姉さんに言う。
「はい、その時は宜しくお願いいたします。」受付のお姉さんが深々と頭を下げる。
「あぁ。」俺はそう答えながら組合を後にした。
「くふふ、もう一生遊んで暮らせる金額が貯まってないかい?」
「あぁ、そうかもな。」
「くふふ、仕事を辞めないのかい?」
「ミロクの身体を取り戻すまでは続けるよ。」
「くふふ、もう。」ミロクが俺に抱き着いて来る。
最初のころに比べて、色々な質感が俺の身体に伝わる。
「鬱陶しい!」俺はミロクの腹に一発入れてミロクを引き剥がす。
「ふぎゅう!」ミロクが俺から離れる。
「マジで、理性が持たないから止めてくれ。」俺が言う。
「くふふ、もう少しで籠絡できそうだね。」ミロクがにやりと笑った。




