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別れの村

今日も今日とて、ゲリラ更新!!


「くは~、良い朝だ。」俺は目覚めて伸びをする。


「朝ごはん食べられますよ。」ドアの向こうでユーバの声がする。


 俺は、身支度を整えると、食堂に向かった。


「お好きな席に座ってください。」ユーバが言うので、すぐ傍の席に座った。


「朝ごはんです。」俺の目の前には、オーク並肉のハムを焼いたものの上に目玉焼きが乗った物、ポテトサラダ、レタスとキャベツの千切りに、薄切り胡瓜と、トマトを切った物を乗せたサラダ、玉葱が入ったコンソメスープが置かれた。

「パンは、おかわり自由ですよ。」そう言いながら、ユーバが白パンを籠で提供する。


「俺は、朝ごはんを堪能した。」


************


「今日は、次の村に行くんだよな。」

「うん。」ミロクが不貞腐れながら言う。


「護衛する商人は見つかるかな?」

「う~ん、別れの村に行く者は、その先の近隣の村に行くか、隣国の駐屯地に行く者達だけで、あたし達が目指す奥地に行く者はいないね。」


「そうか、でも、別れの村までは行くんだよな?」

「あぁ。」


「護衛対象が要ればラッキーって事だな。」

「くふふ、そうだね。」


 俺達は、そのまま北の門に向かった。


「この先には、寂れた村しかないぞ。」門番が言う。


「あぁ、でも、その先に用があるんだ。」

「そうか、武運を。」

「ありがとう。」俺達は門を潜った。


************


「此処迄、魔物が出ないと拍子抜けだな。」走りながら俺が言う。

「くふふ、いるにはいるんだけどね。」


「うん?」

「くふふ、ビビッて隠れちゃってるんだ。」

「何に?」


「くふふ、君に。」

「え? 俺?」


「くふふ、強者の風格が出て来たね。」

「俺が?」


「くふふ、自分の力の隠し方が解らないんだね。」

「力の隠し方?」


「強者は、その力がオーラとなって溢れ出すんだよ。」

「溢れ出す?」


「強者は、溢れちゃうと周りにバレるから、其れを溢れさせないようにコントロールしてるんだ。」

「初めて聞いたよ。」

「くふふ、ムサシは強者じゃなかったからねぇ。」

「ほっとけ。」


「まぁ、暫くは今のままで良いよ。」

「なんで?」

「旅が楽だから。」


「あぁ、そうだな。」

「素材が欲しい時には、オーラを抑える方法を教えるよ。」


「解った。」俺は、別れの村に全力疾走した。」


************


「ふぅ、2時間で着いたな。」

「くふふ、馬車で1日かかる距離だけどね。」


「此処が別れの村か?」

「あぁ、宿屋があると良いね。」




「其処のあんた、身分を証明できるものを持っているかい?」門番が俺に聞いてくる。

「あぁ、俺はカードを見せる。」


「神の身代わり?」

「あぁ。」


「失礼いたしました。どうぞお通り下さい。」


「あぁ。」俺は門を潜った。




「・・・。」

「くふふ、どうしたの?」


「張り合いがない!」

「ん?」

「魔物を狩ってなんぼだろう!」

「くふふ、やっと良い顔になったね。」

「何が?」


「魔物を狩らないと、張り合いがないって事がさ。」

「むぅ。」俺は、村の中心に向かって歩く。



「あの。」

「ん?」

「宿屋は必要ないですか?」少女が言う。


「あぁ、必要だ。」


「良かった、この村にはうち一軒だけです。」

「そうなのか?」

「はい。」


「一泊いくらだ?」

「はい、一泊2食付きで800B、素泊まりで600Bです。」

「明日の弁当は?」

「別料金で100Bです。」


「うん、泊まろう。」

「ありがとうございます。」そう言って、その娘は俺の手を持つ。


「手を持たなくても逃げないぞ。」

「お父さんが、こうしろって。」顔を赤くしながら娘が言う。


(ほぉ、その父親には意見してやろう。)俺が思う。

(やれやれだね。)

(黙れ、ミロク、これは男のロマンなのだ。)


「あたし、宿の娘のシズカって言うの、優しくしてね。」

「あぁ、俺はムサシだ、何を優しくするんだ?」


「内緒。」

「そうか。」俺は手を引かれるまま、その宿に向かった。


************


「お客さん、連れて来た。」宿に入るとシズカが奥に向かって叫ぶ。


「は~い。」そう言いながら、疲れた顔をした女が出てくる。


「いらっしゃい。」

「あぁ。」


「こちらの宿帳に記入を。」女が宿帳を出してくる。


「あぁ。」俺は機械的に記入する。


 名前:ムサシ

 職業:神の身代わり

 住所:不定


(この宿帳も、意味は無いような?)


「はい、食事は?」

「2食付きで、あと、弁当も。」

「900B。」だるそうに女が言う。

「あぁ。」俺は、900Bをカウンターに置く。


「毎度。」女はBを袋に入れると、鍵をカウンターに置く。

「あ?」


「あたしがご案内します。」シズカが鍵を持って、俺を案内する。

「おぉ、悪いな。」

「いえ。」顔を俯かせながら、シズカが俺を案内する。


「この部屋です。」そう言いながら、2階の奥の部屋に案内された。


「ありがとうな。」俺はチップを渡そうとすると、その手をシズカが掴む。

「なんだ?」


「私込みの値段です。」シズカが震えながら言う。

「は?」


「さっきの値段は、私を好きにして良い値段込みです。」シズカが言う。

「はぁ?」


「どうぞ、私をお好きにして下さい。」

「何だそれ?」


「この村に来る旅人が少ないから、私を商品にしたんです。」

「はぁ、俺は何人目?」


「初めてです。」

「解った。」俺はシズカを買う事にする。


 シズカは少し幼さが残っているが、成人したら美人になる容姿をしていた。

 

黒髪は、腰まで伸びるストレート。

 少したれ目の顔に、幼いながら身体はボンキュッボンだ。

 そして、何だろう、すごく良い匂いがする。


「くふふ、魔力の相性だね。」ミロクが言う。


「くふふ、専用の肉壺? あたしが伽をしてやるのに。」

「黙れ!」

「くふふ、優しいね。」


 食事をした後、俺は、震えるシズカを優しく抱きながら眠った。


 まて、誤解するな! ただ、抱きしめて寝ただけだ。

 すごく寒かったから、炬燵変わりだ。

 俺は其処迄変態じゃない・・多分・・・





「気に入った、この女はいくらだ?」俺は翌朝、宿のカウンターで言う。


「その娘は、生娘でしたから50Gでお譲りします。」宿の女(母親)が言う。


「奴隷契約とか、縛る魔法は無いな?」

「勿論です。」

「そうか、其れを違えた場合、俺は本気で潰すぞ。」

「はひぃ!」


「では、今からこいつは俺の物だ。」カウンターに50Gを置いて俺が言う。


「シズカ、俺に着いて来い。」


「はい、ムサシ様。」シズカはニコニコしながら俺に着いて来た。


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