別れの村
今日も今日とて、ゲリラ更新!!
「くは~、良い朝だ。」俺は目覚めて伸びをする。
「朝ごはん食べられますよ。」ドアの向こうでユーバの声がする。
俺は、身支度を整えると、食堂に向かった。
「お好きな席に座ってください。」ユーバが言うので、すぐ傍の席に座った。
「朝ごはんです。」俺の目の前には、オーク並肉のハムを焼いたものの上に目玉焼きが乗った物、ポテトサラダ、レタスとキャベツの千切りに、薄切り胡瓜と、トマトを切った物を乗せたサラダ、玉葱が入ったコンソメスープが置かれた。
「パンは、おかわり自由ですよ。」そう言いながら、ユーバが白パンを籠で提供する。
「俺は、朝ごはんを堪能した。」
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「今日は、次の村に行くんだよな。」
「うん。」ミロクが不貞腐れながら言う。
「護衛する商人は見つかるかな?」
「う~ん、別れの村に行く者は、その先の近隣の村に行くか、隣国の駐屯地に行く者達だけで、あたし達が目指す奥地に行く者はいないね。」
「そうか、でも、別れの村までは行くんだよな?」
「あぁ。」
「護衛対象が要ればラッキーって事だな。」
「くふふ、そうだね。」
俺達は、そのまま北の門に向かった。
「この先には、寂れた村しかないぞ。」門番が言う。
「あぁ、でも、その先に用があるんだ。」
「そうか、武運を。」
「ありがとう。」俺達は門を潜った。
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「此処迄、魔物が出ないと拍子抜けだな。」走りながら俺が言う。
「くふふ、いるにはいるんだけどね。」
「うん?」
「くふふ、ビビッて隠れちゃってるんだ。」
「何に?」
「くふふ、君に。」
「え? 俺?」
「くふふ、強者の風格が出て来たね。」
「俺が?」
「くふふ、自分の力の隠し方が解らないんだね。」
「力の隠し方?」
「強者は、その力がオーラとなって溢れ出すんだよ。」
「溢れ出す?」
「強者は、溢れちゃうと周りにバレるから、其れを溢れさせないようにコントロールしてるんだ。」
「初めて聞いたよ。」
「くふふ、ムサシは強者じゃなかったからねぇ。」
「ほっとけ。」
「まぁ、暫くは今のままで良いよ。」
「なんで?」
「旅が楽だから。」
「あぁ、そうだな。」
「素材が欲しい時には、オーラを抑える方法を教えるよ。」
「解った。」俺は、別れの村に全力疾走した。」
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「ふぅ、2時間で着いたな。」
「くふふ、馬車で1日かかる距離だけどね。」
「此処が別れの村か?」
「あぁ、宿屋があると良いね。」
「其処のあんた、身分を証明できるものを持っているかい?」門番が俺に聞いてくる。
「あぁ、俺はカードを見せる。」
「神の身代わり?」
「あぁ。」
「失礼いたしました。どうぞお通り下さい。」
「あぁ。」俺は門を潜った。
「・・・。」
「くふふ、どうしたの?」
「張り合いがない!」
「ん?」
「魔物を狩ってなんぼだろう!」
「くふふ、やっと良い顔になったね。」
「何が?」
「魔物を狩らないと、張り合いがないって事がさ。」
「むぅ。」俺は、村の中心に向かって歩く。
「あの。」
「ん?」
「宿屋は必要ないですか?」少女が言う。
「あぁ、必要だ。」
「良かった、この村にはうち一軒だけです。」
「そうなのか?」
「はい。」
「一泊いくらだ?」
「はい、一泊2食付きで800B、素泊まりで600Bです。」
「明日の弁当は?」
「別料金で100Bです。」
「うん、泊まろう。」
「ありがとうございます。」そう言って、その娘は俺の手を持つ。
「手を持たなくても逃げないぞ。」
「お父さんが、こうしろって。」顔を赤くしながら娘が言う。
(ほぉ、その父親には意見してやろう。)俺が思う。
(やれやれだね。)
(黙れ、ミロク、これは男のロマンなのだ。)
「あたし、宿の娘のシズカって言うの、優しくしてね。」
「あぁ、俺はムサシだ、何を優しくするんだ?」
「内緒。」
「そうか。」俺は手を引かれるまま、その宿に向かった。
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「お客さん、連れて来た。」宿に入るとシズカが奥に向かって叫ぶ。
「は~い。」そう言いながら、疲れた顔をした女が出てくる。
「いらっしゃい。」
「あぁ。」
「こちらの宿帳に記入を。」女が宿帳を出してくる。
「あぁ。」俺は機械的に記入する。
名前:ムサシ
職業:神の身代わり
住所:不定
(この宿帳も、意味は無いような?)
「はい、食事は?」
「2食付きで、あと、弁当も。」
「900B。」だるそうに女が言う。
「あぁ。」俺は、900Bをカウンターに置く。
「毎度。」女はBを袋に入れると、鍵をカウンターに置く。
「あ?」
「あたしがご案内します。」シズカが鍵を持って、俺を案内する。
「おぉ、悪いな。」
「いえ。」顔を俯かせながら、シズカが俺を案内する。
「この部屋です。」そう言いながら、2階の奥の部屋に案内された。
「ありがとうな。」俺はチップを渡そうとすると、その手をシズカが掴む。
「なんだ?」
「私込みの値段です。」シズカが震えながら言う。
「は?」
「さっきの値段は、私を好きにして良い値段込みです。」シズカが言う。
「はぁ?」
「どうぞ、私をお好きにして下さい。」
「何だそれ?」
「この村に来る旅人が少ないから、私を商品にしたんです。」
「はぁ、俺は何人目?」
「初めてです。」
「解った。」俺はシズカを買う事にする。
シズカは少し幼さが残っているが、成人したら美人になる容姿をしていた。
黒髪は、腰まで伸びるストレート。
少したれ目の顔に、幼いながら身体はボンキュッボンだ。
そして、何だろう、すごく良い匂いがする。
「くふふ、魔力の相性だね。」ミロクが言う。
「くふふ、専用の肉壺? あたしが伽をしてやるのに。」
「黙れ!」
「くふふ、優しいね。」
食事をした後、俺は、震えるシズカを優しく抱きながら眠った。
まて、誤解するな! ただ、抱きしめて寝ただけだ。
すごく寒かったから、炬燵変わりだ。
俺は其処迄変態じゃない・・多分・・・
「気に入った、この女はいくらだ?」俺は翌朝、宿のカウンターで言う。
「その娘は、生娘でしたから50Gでお譲りします。」宿の女(母親)が言う。
「奴隷契約とか、縛る魔法は無いな?」
「勿論です。」
「そうか、其れを違えた場合、俺は本気で潰すぞ。」
「はひぃ!」
「では、今からこいつは俺の物だ。」カウンターに50Gを置いて俺が言う。
「シズカ、俺に着いて来い。」
「はい、ムサシ様。」シズカはニコニコしながら俺に着いて来た。