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オークキング

ブクマ2件ありがとうございます。

 次の日の朝早く、宿を出て南門に向かった。


「ムサシさん!」ハコベさんが声をかけて来た。

「あぁ、おはようございます。」俺は挨拶をする。


「今回も護衛をお願いできませんか?」

「良いですよ、今回は別れの村の先に行きますので。」


「なんと、では3個先の湯の町までお願いします。」

「はい、出発はすぐですか?」


「えぇ、準備が良ければ。」

「大丈夫です、行きましょう。」俺は、馬車の屋根に乗った。


「くふふ、値段を決めなかったね。」

「別に良いよ。」

「くふふ、ハコベが気に入るわけだ。」


「良いから、監視、宜しく。」

「くふふ、解ったよ。」俺の目に見えるミロクは、凄く楽しそうだ。


************


 村を出発して半日、「魔物だ!」そう叫びながら、御者が馬車を止める。


 俺は、ミロクと一緒に馬車を下りた。


「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、オークの軍団だ。」御者が御者台で震える。

「どうしたのですか?」ハコベが馬車の窓から顔を出して言う。


「ハコベさん、ついてない、もう駄目だ。」

「何があったのです?」


「オークの軍団が攻めてきています。」

「オークの軍団だと。」


「ははは、間違いありません、オークキングが見えます、俺達は終わりです。」御者がその場で泣き崩れる。


「ミロク?」

「くふふ、蹂躙だね。」


「ハコベさん、俺に任せてください。」

「え、ムサシ様?」


「蹂躙します、が、今回は魔石とお肉を取らせて下さい。」

「じ、蹂躙?」

「はい。」


「では、蹂躙後は、私達も魔石とお肉の採取を手伝います。」

「あぁ、宜しくお願い致します。」俺は礼をする。



「ぐぎゃぁ、人間の馬車だ!」

「男は、殺して食う!」

「女は、犯してから食う!」


「なんだろう、俺にも言葉が聞こえる。」


「くふふ、神の身代わりのレベルが上がったから、聞こえるんじゃない?」

「聞きたくないなぁ。」


「くふふ。」


「面倒くさいから、一気に行くよ!」そう言いながらミロクが神気を解放する。


 300体ほどのオークが一瞬で沈黙した。


「おぉ、流石ですな。」ハコベが感嘆している。


「くふふ、キングはレジストしたよ。」

「はぁ、俺が止めを刺さなきゃダメって事だよな。」


「くふふ、そうだね。」


「ハコベさん、キングが残っているので狩ってきます、その間にオークの素材の回収をお願いします。」


「解りました、おい、お前達!」ハコベさんが数人の部下に指示を出す。

 おぉ、ハコベさん自身も素材集めに向かったよ。


「ははは、律儀な人だなぁ。」


「くふふ、来るよ。」

「おぅ!」俺は、天叢雲剣を抜きそれを見る。


「ぐもぉぉぉぉぉぉ!」オークキングは、威圧のこもった叫び声をあげる。


「くふふ、スタン(麻痺)の効果があるね。」

「まったく効かないんだが。」

「くふふ、神の身代わりは伊達じゃないって事だよ。」


「さて、あの肉団子、どうやって狩る?」


「くふふ、あたしが止めるよ。」

「なんだ、いつも通りか?」


「くふふ、くふふ。」


「?」


「捕まえた。」

「え?」


「あたしの神気で拘束したよ。」


「あっそう。」

「反応が薄いよ。」


「ミロクに慣れた?」

「くふふ、止め(とどめ)!」

「あぁ。」


俺は、天叢雲剣を、恨めしそうに俺を見るオークキングの心臓に刺した。

「ぶぎゃ!」断末魔を残して、オークキングがこと切れる。


「くふふ、普通のオークと大体同じだよ。」

「解った。」俺はオークキングを解体した。


「普通のオークより美味しいから、納品は保留にしようか?」

「解った、ところで聞きたいことがあるんだが。」

「くふふ、何かな?」


「オークと、オーガの魔石を売らずに温存しているのは何でだ?」

「くふふ、使い道があるからだよ。」


「どんな?」

「秘密!」


「そうか。」


「あれ~、聞かないの?」

「教える気は無いんだろう。」

「くふふ。」


 ミロクにオークキングを持たせて、ハコベさんの所に行く。


「おぉ、ムサシ様、オークの解体は終わっています。」

「あれ、早いですね。」


「ははは、オークなど一体2分もあれば。」


「ミロク。」

「はいよ。」そこにあったオークの素材が一瞬で消える。


「え?」ハコベさんが驚愕する。


「残った物は消します。」俺が言うと、ミロクがすべて塵にしてくれた。


「か、神の身代わり様は、これほどの力を持っていらっしゃるのですね。」ハコベさんが変な敬語を使いだした。


「ハコベさん、今まで通りでお願いできませんか?」


「いや、でも。」

「此処で、護衛の任務を放棄しても良いですけど。」


「ごほん、ご苦労でした、先を急ぎます。」

「はい。」


 今回は、テト達のいる村は素通りするらしい。


「このまま、祈りの村に向かいます。」

「祈りの村?」


「はい、聖女様がお生まれになる村です。」

「聖女様?」


「はい、今の聖女様が崩御されると、何故かこの村から次の聖女様が降臨されます。」

「降臨って、神様ですか?」

「それ程のお方です。」


 その後、襲撃はゴブリン18、オーク43、そして珍しくリザードマン18の襲撃があり、今回は全ての素材を手に入れた。


 リザードマンは、魔石と皮だ。

 肉は不味いらしい。


 今回も、リーンに丸投げしよう。



 日がくれたので、今日は野宿だ。


 だが、俺の提案で、全員が眠っている。


 ミロクが、夜警を引き受けてくれたからだ。


「くふふ、何かあったら、起こしてあげるよ。」

「本当だな?」

「くふふ、心配性だなぁ。」


「俺にちょっかい出したら、ワンパンで沈めるぞ。」


「くふふ、今日だけは自重するよ。」


「本当だな?」

「くふふ、誓って。」


「じゃぁ、頼んだ。」俺は毛布にくるまり、意識を手放す。


「くふふ、コッソリと添い寝タイムだよ。」


「くふふ、気が付いてないね。」


「そーっと毛布をめくって、くふふ。」


「そーっと、ズボンに手を滑り込ませる。」



「てい!」俺はミロクの鳩尾に鉄拳を食らわせる。


「ふぎゅう。」ミロクが沈黙した。


「よし、明日の朝までの安眠を確保した。」俺は本気で寝ようとしたが、夜警がいなくなったことに気付き徹夜した。


「くそう、ミロクめ。」ブツブツ言いながら火の番をした。


稚作をお読みいただき、ありがとうございます。

宜しければ、ブクマや下の☆で評価をして下さい。

励みになりますので、宜しくお願い致します。

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