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黒龍

「酷い物を喰った気がする」

「くふふ、あの町の名物だからね」


「因みに今まで何人死んだんだ」

「一人だよ」


「はぁ?」

「くふふ、コナマスが原因かどうかは知らないけど、その家族は年金を貰っているらしい」

「一気に力が抜けた」


「無駄に清涼感のある寄生虫を喰ったって事だな」

「くふふ、そうだね」


「今思い出しても気持ち悪い」

「くふふ、頑張れ」


 俺はそこに向かって走った。

22

**********


「で、この山がそうなのか?」

「くふふ、感じない?」


「あぁ、びんびんに感じるぞ」

「主様」紅が俺に聞いてくる。

「何だ?」


「本当に戦われるのですか?」

「いや、ミロクの神気を素直に返してくれるなら戦わないぞ」


「あぁ、では戦うのですね」

「素直に返さないって事だな」


「えぇ、黒龍ですから」

「はぁ、面倒くさい」


 俺たちは山を登った。




「そこで止まれ!」頭の中に声が響く。


「くっ、念話か」

「くふふ、大丈夫かい?」

「あぁ、大丈夫だ」


「我がテリトリーに何故入って来た? 人間!」


「あぁ、最初に言っておく、俺は『神の身代わり』だ」

「何だと?」


「黒龍よ、我もそれを証明する」紅が言う。

「なぁ? 貴様はレッドドラゴンか」黒龍が叫ぶ。


「そうだ」紅が答える。


「貴様、何故誇りあるドラゴンの姿を捨て、人間の姿を模しているのだ?」


「私は、ここにいる我が主、ムサシ様より名を賜った」

「何だと?」


「だから、ムサシ様に添い遂げた」

「馬鹿なぁ!」


「話を戻して良いか?」俺は二人の会話に割り込む。


「ぬぅ、人間のくせに我らの話に割り込むか」

「黒龍、ムサシ様は『神の身代わり』様だ」紅が言う。


「ぬぅ」


「お前が持っている、ミロク神の神気を返してくれれば、俺はそのまま帰る」

「ミロク神の神気だと?」


「あぁ」


「我をパワーアップしてくれているこれの事か?」黒龍が言う。

「そうだな」


「ははは、返すものか、この力が我を高みに上らせた」

「はぁ、ではお前はここで死ぬ」俺は天叢雲剣を抜きながら言う。


「わはははは、『神の身代わり』と言っても所詮は人間」黒龍が咆哮する。


「ブレスか」俺は防壁を展開して言う。


「おぉ、主様凄い」

「この程度は何でもない」


「なんと、我がブレスを防ぐか」黒龍が言う。


「ははは、これで力の差を解ってくれればいいんだがなぁ」


「笑止」黒龍は俺に腕を振り下ろす。


「どっせい!」俺はその腕を受け止める。

「なんだと?」黒龍が戸惑う。


「うりゃぁ」俺は黒龍の腕を持って投げ飛ばす。

「何と!」黒龍が驚愕する。


「我を投げ飛ばすかぁ」黒龍が飛んでいく。


 ずばぁぁぁ!黒龍が地面に叩きつけられる。


「まだまだ」黒龍が立ち上がる。


「どっせい!」俺は黒龍の腹に一発入れる。

「ぐはぁぁ」黒龍がのたうつ。


「もう一丁!」俺は黒龍の腹に蹴りを入れる。


「ぐはぁぁ」


「まだまだ」俺は黒龍の腹にこぶしを叩きいれる。

「ぐばばばば」


「どうだ?」


「くははは、油断したわ、人間」

「油断ねぇ」


「では、我も本気を出そう」

「おぉ」


「これを食らえ!」黒龍がしっぽで攻撃してくる。


「おぉ、凄いな」俺はそれを受け止める。


「なぁ?」黒龍が驚愕する。


「くらえ!」黒龍は右足で俺を踏み潰す。


「どっせい!」俺はそれを受け止める。


「ば、馬鹿なぁ」黒龍が怯える。


**********


「さて、もう良いか?」俺は天叢雲剣をもう一度抜く。


「最後の通告だ、ミロクの神気を返せ」


「くはははは、無理だ」

「ほぉ」


「すでに我の気と混じっておる」


「はぁ、そうか」


「くははは、諦めろ」黒龍が言う。


「てい!」俺は黒龍の首を斬り飛ばした。


「くふふ、凄く一杯戻って来たよ」

「良かったな」


「で、黒龍は納品対象か?」


「くふふ、一生遊んで暮らせるGがもらえるよ」

「そうか、んじゃミロク」


「くふふ、解ったよ」


**********


「リーン」

「まぁ旦那様」リーンが俺に抱き着き口付けをしてくる。

「ちっ」

「捥げれば良いのに」いつも通り周りの冒険者が五月蠅い。


「黒龍を狩って来た」

「はぁ?」リーンが固まる。


「黒龍を狩って来た」俺はもう一度言う。


「旦那様」

「何だ?」


「黒龍を狩ったのですか?」リーンが言う。


「あぁ」


「マジですか?」

「あぁ」


「貴様、我が主の言葉を疑うのか」紅がリーンに言う。


「はぁ」リーンがため息をつく。


「黒龍を狩る力がある人間は普通ではありません」リーンが言う。


「はぁ?」

「ムサシ様、組合に納品を」リーンが言う。

「これを納品して大丈夫?」


「国王様がなんとかしてくれます」

「アルゴン頼みかよ」


「その肉は貴族連中に精力増強の薬になるので、1kg100G以上になりますが、奪い合いになるのでオークションにかけます」

「あぁ」


「鱗付きの皮や魔石や爪、牙頭などは全部オークションにかけます」


「そうなるな」


「組合が儲かり、私も昇進します、きっと」


「良かったな」


「はぁ」リーンがため息を着く。

「どうしたんだ?」俺はリーンに聞く。


「いえ、又忙しくなるなと思っただけです」

「苦労を掛けるな」


「いえ、いえ、ムサシ様のためですもの」

「ははは、悪いな」


「その分、今晩はサービスしてくださいませ」


「善処する」


「やっぱり捥げろ!」

「下半身事砕けろ!」ギルドの男たちが五月蠅いが俺は無視した。



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